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第十六話
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白蛇達は図書館で鬼姫とフィアとの戦闘を終えると、次の目的地東フィーレメント本部へと歩みを進めることとなった。
都市防衛の観点から図書館は本部から離れており、『扉渡し』を使って移動するようだ。
『扉渡し』にはいろいろな条件があるらしく、まず3畳ほどの広さだ。
最低限これぐらいの広さが無いと術式が収まりきらないそうだ。
そしてもう一つが『鍵』の存在らしい。
鬼姫がこの世界にいた頃には存在しなかったらしい、確かにそうだ。
もし鬼姫が鍵の存在を知っていたら何か対策を打ち、ヴォルペさんをみすみす取り逃がしたりはしなかっただろう。
『鍵』と呼ばれているが、その見た目は鍵のような形はしていなかった。
金属でできた短冊にようなもので、何枚もの薄い金属をはりあわせて出来ている。
張り合わせた金属一枚一枚に大量の術式が書き込まれており、武器強化魔法の要領で魔力を流すと部屋の術式と反応して『扉渡し』が発動するようだ。
こうすることで、術式を盗み見られるリスクも減り、『鍵』を小さく出来るらしい。
そんな『扉渡り』を使って白蛇達は東フィーレメント本部へと渡った。
東フィーレメント本部には大きく五つに分かれている。
政治的なことをする場所、武器を作る場所、魔道士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所、銃士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所、そして最後に剣士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所。
これらを回って今日の1日を終えた。
「流石に疲れましたね」
ぐったりとベットに倒れ込みながら白蛇はぼやいた。
この部屋は剣士隊の寮の空き部屋に鬼姫と二人で住まわせて貰える事になったのだ。
鬼姫は今後の方針をヴォルペやフィアと決めるらしく、白蛇だけが先にこの部屋に帰ってきたのだ。
白蛇の体は一切の疲労を感じないはずだが、今日1日だけでいろんなことが起きすぎたのだ。
体に疲労は溜まらないが、精神は別である。
「これだけ疲れても一切眠気が起きないんですね」
机と本棚、それにベットが二つそれだけの殺風景な部屋で白蛇はベットに倒れてそう呟いた。
◇
時を同じくして帝国第一図書館、『無限回廊』によって引き伸ばされた図書館の果てそこには円卓と三脚の椅子、それにまだ湯気の立っている紅茶が注がれており、その円卓を鬼姫、ヴォルペ、フィアの三人が囲っている。
「四百年と少しか、ホンマに長かったな」
「過去の事例を見てみるに、とあれだけの規模なら妥当な時間だと思うわ。そもそもあれだけのダメージを受けて復活すること自体が異常ね」
「しかし、本当に殺す意味があるのかの? このままあと数百年放っておいても大丈夫そうじゃが……」
その言葉を聞いた危機を除く二人は、目を剥いて鬼姫の方を見た。
「正気かお前?」
「今しかないのよ、あいつを殺すのは。あと十年もすれば半壊した魔王軍だって力をつけて復活するわ」
「そんなもの妾が——」
鬼姫が言いかけたものを察して、フィアは遮る。
「無理ね。昔ならあなただけでもなんとかなったかもしれないけど、全て宝石を取られた時点で勝ち目がなくなるわ。正直なところ今の段階で既に戦力はあなたを含めほぼ同等、ギリギリなのよ」
「それに、俺らが昔封印した幹部組が復活し始めとる。あんまり時間を掛けたくないんや」
「ほう、そうか。奴らとまた戦えるのか」
どこかうっとりとした表情で鬼姫はニヤリと笑う。
「真面目にやってくれよ、お前が死んだら人類の危機やねんぞ」
「わかっとるよ」
鬼姫は机に突っ伏しながら答える。
「そうだといいんだけどね」
フィアがそれだけを呟くと足を組んで紅茶を少し飲む。
「それにしても、妾なしでは世界も救えんとな。力がありすぎるのも問題じゃのぅ」
そう言って鬼姫は紅茶を啜った。
◇
異世界旅行記九日目
今日はいろいろなことが起きて色々な人と戦って色々な人と知り合った。
レミとの戦闘では自分の未熟さを痛感させられた。
正直ネクロマンサーの力がなければなすすべもなく負けていただろう。
格闘技というよりも軍人の人を殺すために最適化された行動だった。
合理的とも言えるその動きは鬼姫の剣術や僕の剣とはまた違った動きだった。
もし、もう一度会うことが出来るなら、教えてもらおうと思った。
「こんなものでいいか、さて眠れないことですし。どうやって時間を潰しましょうか」
日記から目を離して、部屋を見渡す。
最初に目に入ったものは本棚だ。
もともと白蛇は読書が好きで、この世界にくるまでは毎日大量の本を読破していた。
「余った時間は読書にでも回しましょうかね」
そう言って白蛇は革張りの分厚い本を取り出した。
その本の中身は魔物図鑑のようだ。
魔物についての写真と共に文章でそれがどいう言ったものかという解説が書かれたありふれた図鑑だろう。
ただ、普通の図鑑と違うことはどの魔法や武器が有効であるか、またその魔物はどれだけの魔力を保持しているかと言った戦闘に役立つ情報が書かれていることだ。
「簡単な魔物の殺し方集ですか……この世界って、治安が悪いんですね」
そう言いつつも本を進める。
1時間ほど経った頃だろうか、トントンと部屋の扉を叩く音と共に鬼姫が帰ってきた。
「かぁー疲れた。やってられんのぅ。馬鹿じゃ馬鹿、全くあの阿呆どもは妾がおらんと何もできんのか」
そう言いながら鬼姫はベットに倒れ込んだ。
「大変だったんですね」
「そうじゃぞ! 大変じゃったんじゃぞ! もっと妾を労れ! 崇めろ! 崇め奉り尊敬するのじゃ」
鬼姫が冗談めかしていう。
「僕は鬼姫のことをいつだって尊敬していますよ。もちろん強さもですけど、人間性もですよ」
白蛇は図鑑から目を離さず当然のように言う。
「そんなことを言ってくれるのはお主だけじゃよ」
それから鬼姫は小さくため息をついた。
「もっと自由に戦いたいもんじゃな」
それだけボヤくと鬼姫は寝る準備を始め、寝た。
◇
翌日、鬼姫が起きたのは太陽すらまだ上がらない早朝だった。
「ほれ、稽古じゃぞ。稽古」
パチリと目を開けると、おはようも言わずに飛び起き第一声がこれである。
だが、白蛇はそんなことを気にはしない。
いつも行われる日常である。
「稽古って言っても、木刀がないですよ。昨日折られましたもん」
「そういえばそうじゃな、仕方がない。組み手でもするか」
ぴょいとベットから飛び降りると鬼姫は顔を洗いに行く。
それを見た白蛇もその後へと続いた。
フィーレメントがいかに都会といえど、人がまだ寝る朝というのは静かであった。
「ちょっと不気味ですね、全く人がいませんよ」
剣士隊の寮から出て少し歩いたところ、まだ本部の敷地内からはでていないが軍事施設だけあって無駄に広い。
何もないその広さの中で白蛇と鬼姫は対峙していた。
「朝早いからのぅ。人がおらんうちに終えてしまうとするか」
「ですね」
白蛇は鬼姫との距離を取り体勢を落として拳を握る。
対して鬼姫はいつもと同じ自然体である。
「いつでもこい、あと身体強化魔法も使うんじゃぞ?」
「わかりました」
白蛇はゆっくりと息を吐き出して全身に魔力を這わし、そして鬼姫に向かって走り出した。
距離は僅か5メートルほど、いくら白蛇の身体強化魔法が弱かろうと元々運動神経の良かった体に身体強化魔法が上乗せされたその速度は、距離を一瞬にして詰めてしまう。
その速度をそのまま右の拳に上乗せし、上段の正拳突きを繰り出す。
容赦なく鬼姫の顔に繰り出されたその正拳突きを、ただの片手で受け止めた。
「速いな」
「付け焼き刃ですけどね」
鬼姫はそれだけ言うと、ぎゅっと右拳を掴み取り右足を引っ掛けくるりと白蛇を投げた。
白蛇は受け身を取ると、すぐに立ち上がり鬼姫にまた挑む。
何度も投げられ、殴られたがその数だけ鬼姫に挑んだ。
ただそれだけを百回近く、繰り返す。
気付けは1時間ほど時間が過ぎていた。
「この辺りにしておくか、どうせ今日もやる事で埋まっとる。ヴォルペの所で朝飯にするとしようかのぅ」
「そうですね」
白蛇は服についた埃を手で払いながら立ち上がった。
◇
砂漠の料理というのはもっと簡素なものだと白蛇は思っていた。
だが、実際には違った、肉や野菜、小麦、魚までさまざまな種類の食材が並ぶ。
それをヴォルペ、鬼姫、白蛇の三人は机を囲って口にする。
「まずは武器じゃな。刀が欲しい」
「お前……刀無くしたんか?」
「無くすわけなかろう、そもそもなくそうと思ってなくせるもんじゃないよ。お前も知っとるじゃろ?」
鬼姫は呆れた顔でヴォルペに返した。
「そういえば、そうやな」
「こいつの刀じゃよ」
白蛇パンを頬張っているの方を指差す。
「小太刀と太刀の二振りじゃ」
「何や、同じく刀かいな」
「まぁの。で、用意できそうかの?」
「せやな、刀となるとあるといえばあるが……曰く付きやな。多分大丈夫やと思うけど……」
「ほう? アレか?
◇
「ヴォルペさんじゃないっすか、どうしたんすか? こんな所まで来て」
———————————————————————————————————————————————————
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都市防衛の観点から図書館は本部から離れており、『扉渡し』を使って移動するようだ。
『扉渡し』にはいろいろな条件があるらしく、まず3畳ほどの広さだ。
最低限これぐらいの広さが無いと術式が収まりきらないそうだ。
そしてもう一つが『鍵』の存在らしい。
鬼姫がこの世界にいた頃には存在しなかったらしい、確かにそうだ。
もし鬼姫が鍵の存在を知っていたら何か対策を打ち、ヴォルペさんをみすみす取り逃がしたりはしなかっただろう。
『鍵』と呼ばれているが、その見た目は鍵のような形はしていなかった。
金属でできた短冊にようなもので、何枚もの薄い金属をはりあわせて出来ている。
張り合わせた金属一枚一枚に大量の術式が書き込まれており、武器強化魔法の要領で魔力を流すと部屋の術式と反応して『扉渡し』が発動するようだ。
こうすることで、術式を盗み見られるリスクも減り、『鍵』を小さく出来るらしい。
そんな『扉渡り』を使って白蛇達は東フィーレメント本部へと渡った。
東フィーレメント本部には大きく五つに分かれている。
政治的なことをする場所、武器を作る場所、魔道士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所、銃士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所、そして最後に剣士隊が訓練をしたり生活をしたりする場所。
これらを回って今日の1日を終えた。
「流石に疲れましたね」
ぐったりとベットに倒れ込みながら白蛇はぼやいた。
この部屋は剣士隊の寮の空き部屋に鬼姫と二人で住まわせて貰える事になったのだ。
鬼姫は今後の方針をヴォルペやフィアと決めるらしく、白蛇だけが先にこの部屋に帰ってきたのだ。
白蛇の体は一切の疲労を感じないはずだが、今日1日だけでいろんなことが起きすぎたのだ。
体に疲労は溜まらないが、精神は別である。
「これだけ疲れても一切眠気が起きないんですね」
机と本棚、それにベットが二つそれだけの殺風景な部屋で白蛇はベットに倒れてそう呟いた。
◇
時を同じくして帝国第一図書館、『無限回廊』によって引き伸ばされた図書館の果てそこには円卓と三脚の椅子、それにまだ湯気の立っている紅茶が注がれており、その円卓を鬼姫、ヴォルペ、フィアの三人が囲っている。
「四百年と少しか、ホンマに長かったな」
「過去の事例を見てみるに、とあれだけの規模なら妥当な時間だと思うわ。そもそもあれだけのダメージを受けて復活すること自体が異常ね」
「しかし、本当に殺す意味があるのかの? このままあと数百年放っておいても大丈夫そうじゃが……」
その言葉を聞いた危機を除く二人は、目を剥いて鬼姫の方を見た。
「正気かお前?」
「今しかないのよ、あいつを殺すのは。あと十年もすれば半壊した魔王軍だって力をつけて復活するわ」
「そんなもの妾が——」
鬼姫が言いかけたものを察して、フィアは遮る。
「無理ね。昔ならあなただけでもなんとかなったかもしれないけど、全て宝石を取られた時点で勝ち目がなくなるわ。正直なところ今の段階で既に戦力はあなたを含めほぼ同等、ギリギリなのよ」
「それに、俺らが昔封印した幹部組が復活し始めとる。あんまり時間を掛けたくないんや」
「ほう、そうか。奴らとまた戦えるのか」
どこかうっとりとした表情で鬼姫はニヤリと笑う。
「真面目にやってくれよ、お前が死んだら人類の危機やねんぞ」
「わかっとるよ」
鬼姫は机に突っ伏しながら答える。
「そうだといいんだけどね」
フィアがそれだけを呟くと足を組んで紅茶を少し飲む。
「それにしても、妾なしでは世界も救えんとな。力がありすぎるのも問題じゃのぅ」
そう言って鬼姫は紅茶を啜った。
◇
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今日はいろいろなことが起きて色々な人と戦って色々な人と知り合った。
レミとの戦闘では自分の未熟さを痛感させられた。
正直ネクロマンサーの力がなければなすすべもなく負けていただろう。
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合理的とも言えるその動きは鬼姫の剣術や僕の剣とはまた違った動きだった。
もし、もう一度会うことが出来るなら、教えてもらおうと思った。
「こんなものでいいか、さて眠れないことですし。どうやって時間を潰しましょうか」
日記から目を離して、部屋を見渡す。
最初に目に入ったものは本棚だ。
もともと白蛇は読書が好きで、この世界にくるまでは毎日大量の本を読破していた。
「余った時間は読書にでも回しましょうかね」
そう言って白蛇は革張りの分厚い本を取り出した。
その本の中身は魔物図鑑のようだ。
魔物についての写真と共に文章でそれがどいう言ったものかという解説が書かれたありふれた図鑑だろう。
ただ、普通の図鑑と違うことはどの魔法や武器が有効であるか、またその魔物はどれだけの魔力を保持しているかと言った戦闘に役立つ情報が書かれていることだ。
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そう言いつつも本を進める。
1時間ほど経った頃だろうか、トントンと部屋の扉を叩く音と共に鬼姫が帰ってきた。
「かぁー疲れた。やってられんのぅ。馬鹿じゃ馬鹿、全くあの阿呆どもは妾がおらんと何もできんのか」
そう言いながら鬼姫はベットに倒れ込んだ。
「大変だったんですね」
「そうじゃぞ! 大変じゃったんじゃぞ! もっと妾を労れ! 崇めろ! 崇め奉り尊敬するのじゃ」
鬼姫が冗談めかしていう。
「僕は鬼姫のことをいつだって尊敬していますよ。もちろん強さもですけど、人間性もですよ」
白蛇は図鑑から目を離さず当然のように言う。
「そんなことを言ってくれるのはお主だけじゃよ」
それから鬼姫は小さくため息をついた。
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◇
翌日、鬼姫が起きたのは太陽すらまだ上がらない早朝だった。
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それを見た白蛇もその後へと続いた。
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「ちょっと不気味ですね、全く人がいませんよ」
剣士隊の寮から出て少し歩いたところ、まだ本部の敷地内からはでていないが軍事施設だけあって無駄に広い。
何もないその広さの中で白蛇と鬼姫は対峙していた。
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「ですね」
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距離は僅か5メートルほど、いくら白蛇の身体強化魔法が弱かろうと元々運動神経の良かった体に身体強化魔法が上乗せされたその速度は、距離を一瞬にして詰めてしまう。
その速度をそのまま右の拳に上乗せし、上段の正拳突きを繰り出す。
容赦なく鬼姫の顔に繰り出されたその正拳突きを、ただの片手で受け止めた。
「速いな」
「付け焼き刃ですけどね」
鬼姫はそれだけ言うと、ぎゅっと右拳を掴み取り右足を引っ掛けくるりと白蛇を投げた。
白蛇は受け身を取ると、すぐに立ち上がり鬼姫にまた挑む。
何度も投げられ、殴られたがその数だけ鬼姫に挑んだ。
ただそれだけを百回近く、繰り返す。
気付けは1時間ほど時間が過ぎていた。
「この辺りにしておくか、どうせ今日もやる事で埋まっとる。ヴォルペの所で朝飯にするとしようかのぅ」
「そうですね」
白蛇は服についた埃を手で払いながら立ち上がった。
◇
砂漠の料理というのはもっと簡素なものだと白蛇は思っていた。
だが、実際には違った、肉や野菜、小麦、魚までさまざまな種類の食材が並ぶ。
それをヴォルペ、鬼姫、白蛇の三人は机を囲って口にする。
「まずは武器じゃな。刀が欲しい」
「お前……刀無くしたんか?」
「無くすわけなかろう、そもそもなくそうと思ってなくせるもんじゃないよ。お前も知っとるじゃろ?」
鬼姫は呆れた顔でヴォルペに返した。
「そういえば、そうやな」
「こいつの刀じゃよ」
白蛇パンを頬張っているの方を指差す。
「小太刀と太刀の二振りじゃ」
「何や、同じく刀かいな」
「まぁの。で、用意できそうかの?」
「せやな、刀となるとあるといえばあるが……曰く付きやな。多分大丈夫やと思うけど……」
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