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第17話
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東フィーレメント本部にある、大型の鍛冶場、幾つも並んだ炉が赤々と燃えたぎり火の粉を散らす。
その音と共に繋ぎを着た男達がいくつものハンマーを振り下ろして甲高い音を響き渡らせている。
その鍛冶場はとても広く、大きな工場のような場所だった。
「熱いのぅ」
鬼姫が大きな騒音達にかき消されないよう大声で白蛇に話しかける。
「そりゃあ、鍛冶場ですからね涼しい方が怖いですよ」
白蛇も大声で返した。
ヴォルペは二人の前を歩いて奥に進んでいく。
火事場の奥の方へと歩を進めたところで、黒髪短髪の少年が手を振って小走りで近づいてきた。
少年の服装は、皮でできたオーバーオールのようなツナギを着て、おでこにはゴーグルを引っ掛けている。
「ヴォルペさんじゃないッスか、どうしたんスか? こんな所まで来て」
その少年は白蛇と同じか少し下の年齢に見えるが、放つオーラと言うのだろうか若々しくエネルギッシュなオーラを放っている。
そのオーラから感じた白蛇の第一印象は”いい人そう” だった。
「用事や、用事」
「用事っすか! 自分関係っすか?」
「せや」
「なるほど、そッスか! とりあえずこんな所もアレなんで、こっち来て欲しいッス。お二人も」
◇
裸電球のように何の飾り付けのない光源が油臭いのそ部屋を照らしている。
どうやらこの少年の個室らしいその部屋は、小さな工房と言えた。
四面の壁は入り口から右手を除いて壁にかけられた工具で埋まっており、壁の色すら見えない。
部屋の端にある机の上には棚から溢れてはいりきらなくまったもであろう、機械のパーツが散乱している。
だが、それよりも目立つものが一つ。
部屋の中心に置かれた手術台のようなものの上には、金属でできた人形の人形が座っている。
そんな部屋で四人は背もたれのない黒い丸椅子に腰掛けていた。
「わざわざ俺のところまで来て、今日はどうしたんすか?」
少年は椅子の足を掴みながらヴォルペに尋ねる。
「今日はな、白蛇君の武器を調達しにきたんや」
「白蛇……」
「あ、僕です。白蛇って言います。よろしくお願いします」
肩をすくめて小さく手を上げながら白蛇は言う。
「どうもッス、この鍛冶場の長やってるッスコウタて言います。よろしくッス。一応鍛治士やってるッス」
「剣士のの鬼姫じゃ」
組んだ足に頬杖をついて鬼姫が答えた。
「自己紹介も終えたところで本題ッスね」
「せやな、そんなにお前も暇やないやろうから手短に話すわ、武器庫の中のもん貰うわ。ええか?」
「言いも何も、ほとんどヴォルペさんのじゃないっすか、別にいいっすよ。」
そうかとヴォルペは返事をすると、立ち上がりくるりと背を向けると一切の工具がかかって無い壁の方へと歩き出した。
「あと、鍵要りますか?」
「あんなん使ってたら身体鈍るわ」
ヴォルペぺたりと両手を壁につけ、両手とも別の魔法陣を展開した。
「ねぇ、鬼姫ヴォルペさんは何をやってるんですか?」
「鍵開けじゃな、特殊な鍵での内蔵された四つの術式は毎秒変わるせいで魔法で無理やり開ける事が難しいんじゃよ、通常は鍵を使うんじゃがな」
金属が稼働する思い音と共に壁が二つに割れ、黒い空間が現れる。
「ほな行こか」
ヴォルペは振り返らず手を振りながらそう言うと、奥へと進んでいった。
「妾たちも続こうかのぅ」
「ですね」
◇
扉の奥にあったその部屋の中は、カンテラのような光源で照らされており、薄暗いが暗いと言うほどではない。
経年劣化による為か、床や壁の木材は黒く内装からはワイン蔵の様な印象を受けた。
そのワイン蔵にはワインボトルの代わりに大量の武器が詰め込まれている。
「なんですか? ここ。剣とか槍とか杖とかがたくさん置いてありますけど……」
「武器庫や、術式の書き込まれた武器はなかなか廃棄出来んからな」
「どうしてですか?」
「そら、術式ひとつとっても技術の塊やからな。それも天才魔術師様、そのフィアの魔術となればよけいな。とはいえ現実的に兵器化できる奴なんかこの中の一割もないがな」
「ガラクタばっかりって事ですか?」
「魔法ってそもそも術式が大きくなるにつれて、魔力の消費が大きくなるんや。んでこの武器たちは術式刻みすぎて、並の人間が使うと魔力切れになってまうんや。最も白蛇くんには関係のない話やがな」
ヴォルペを先頭にして三人は奥に進んでいく。
(武器の量も凄いですが。随分と広いですね、この空間魔力を探ってみる感じちょっと普通と違うのでフィアの『無限回廊』と似たような魔法なんでしょうか)
「ついたで」
ずらりと並ぶ刀。
壁にかけられたその刀一振り一振りには、一眼見るだけで心を奪う芸術品の様な美しさと、どこか押しつぶされてしまう様な緊張感を放っている。
(この感じ、小さなミリタリショップに置いてあるエアガンみたいですね)
「妖刀か」
鬼姫はその刀たちを見るとやはりという様に呟いた。
「妖刀? なんですかそれ?」
「長く使った道具には魂が宿るって知ってるか?」
「付喪神とかそんなヤツですか?」
「せや、刀に魂が篭ったものを妖刀って言うんやけど、妖刀は凄くてな。自分の魔力を吸い取られる代わりに『武器強化魔法』を使わなくてもいいしへし折れても、再生するしあとは刀一振り一振りに特有の能力が宿るんや。」
ヴォルペが自慢げに語る。
「凄いじゃないですか! めっちゃ強くないですか? 刃こぼれもしないなんて素晴らしいじゃないですか! なんでみんな使わないんですか?」
「そら、自分の魔力が足らんかったら死ぬからな。自分の体と相談して好きなやつ選びや。それとも普通に刀打ってもらおうか?」
ヴォルペは片頬を吊り上げて笑った。
「いえ、ここから貰います。」
正直なところ物凄く怖い、だがそれ以上にある刀に惹きつけられた。
白蛇の正面のラックに掛けてある上から二つ目の刀。
周りの刀達はその性能の他に美術品としても大きな価値があるのが素人目に見てもわかる、そんな中真っ黒な鞘に全くと言っていいほど装飾品のない刀。
そんな地味な刀だがどこか懐かしさを感じる。
背伸びをしつつ恐る々々は手を伸ばし、刀の鞘を掴む。
「ほぉ~」
ヴォルペが驚いたような声を上げたのが後ろ肩聞こえた。
視界が急に狭まり、ゆっくりと灯りが消えるようにして意識が薄れていく。
(魔力が吸われてる!? ……なるほど、これが妖刀ですか)
自らの体の魔力がぐんぐん減っていく感覚と鬼姫が何か伝えようとする声が聞こえる。
(不味いですね、感覚でしか分かりませんがそろそろ魔力が尽きますね。強さを求めて欲張りすぎました——)
白蛇の意識が闇に飲まれた。
「まぁ、そうなるよなぁ」
倒れた白蛇を見ながらヴォルペはつぶやいた。
「言っとる場合か! 運ぶぞ!」
「お前だけで運べばええやろ。そんなに重いもんでもないし、それに——いや、なんでもないわ。とにかく自分で運べや、ツレやろ?」
「冷たいのぅ」
渋々鬼姫は白蛇を担ぎ出す。
(やはり妖刀は無理があったか、選んだ刀も悪かったしのぅ)
———————————————————————————————————————————————————
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その音と共に繋ぎを着た男達がいくつものハンマーを振り下ろして甲高い音を響き渡らせている。
その鍛冶場はとても広く、大きな工場のような場所だった。
「熱いのぅ」
鬼姫が大きな騒音達にかき消されないよう大声で白蛇に話しかける。
「そりゃあ、鍛冶場ですからね涼しい方が怖いですよ」
白蛇も大声で返した。
ヴォルペは二人の前を歩いて奥に進んでいく。
火事場の奥の方へと歩を進めたところで、黒髪短髪の少年が手を振って小走りで近づいてきた。
少年の服装は、皮でできたオーバーオールのようなツナギを着て、おでこにはゴーグルを引っ掛けている。
「ヴォルペさんじゃないッスか、どうしたんスか? こんな所まで来て」
その少年は白蛇と同じか少し下の年齢に見えるが、放つオーラと言うのだろうか若々しくエネルギッシュなオーラを放っている。
そのオーラから感じた白蛇の第一印象は”いい人そう” だった。
「用事や、用事」
「用事っすか! 自分関係っすか?」
「せや」
「なるほど、そッスか! とりあえずこんな所もアレなんで、こっち来て欲しいッス。お二人も」
◇
裸電球のように何の飾り付けのない光源が油臭いのそ部屋を照らしている。
どうやらこの少年の個室らしいその部屋は、小さな工房と言えた。
四面の壁は入り口から右手を除いて壁にかけられた工具で埋まっており、壁の色すら見えない。
部屋の端にある机の上には棚から溢れてはいりきらなくまったもであろう、機械のパーツが散乱している。
だが、それよりも目立つものが一つ。
部屋の中心に置かれた手術台のようなものの上には、金属でできた人形の人形が座っている。
そんな部屋で四人は背もたれのない黒い丸椅子に腰掛けていた。
「わざわざ俺のところまで来て、今日はどうしたんすか?」
少年は椅子の足を掴みながらヴォルペに尋ねる。
「今日はな、白蛇君の武器を調達しにきたんや」
「白蛇……」
「あ、僕です。白蛇って言います。よろしくお願いします」
肩をすくめて小さく手を上げながら白蛇は言う。
「どうもッス、この鍛冶場の長やってるッスコウタて言います。よろしくッス。一応鍛治士やってるッス」
「剣士のの鬼姫じゃ」
組んだ足に頬杖をついて鬼姫が答えた。
「自己紹介も終えたところで本題ッスね」
「せやな、そんなにお前も暇やないやろうから手短に話すわ、武器庫の中のもん貰うわ。ええか?」
「言いも何も、ほとんどヴォルペさんのじゃないっすか、別にいいっすよ。」
そうかとヴォルペは返事をすると、立ち上がりくるりと背を向けると一切の工具がかかって無い壁の方へと歩き出した。
「あと、鍵要りますか?」
「あんなん使ってたら身体鈍るわ」
ヴォルペぺたりと両手を壁につけ、両手とも別の魔法陣を展開した。
「ねぇ、鬼姫ヴォルペさんは何をやってるんですか?」
「鍵開けじゃな、特殊な鍵での内蔵された四つの術式は毎秒変わるせいで魔法で無理やり開ける事が難しいんじゃよ、通常は鍵を使うんじゃがな」
金属が稼働する思い音と共に壁が二つに割れ、黒い空間が現れる。
「ほな行こか」
ヴォルペは振り返らず手を振りながらそう言うと、奥へと進んでいった。
「妾たちも続こうかのぅ」
「ですね」
◇
扉の奥にあったその部屋の中は、カンテラのような光源で照らされており、薄暗いが暗いと言うほどではない。
経年劣化による為か、床や壁の木材は黒く内装からはワイン蔵の様な印象を受けた。
そのワイン蔵にはワインボトルの代わりに大量の武器が詰め込まれている。
「なんですか? ここ。剣とか槍とか杖とかがたくさん置いてありますけど……」
「武器庫や、術式の書き込まれた武器はなかなか廃棄出来んからな」
「どうしてですか?」
「そら、術式ひとつとっても技術の塊やからな。それも天才魔術師様、そのフィアの魔術となればよけいな。とはいえ現実的に兵器化できる奴なんかこの中の一割もないがな」
「ガラクタばっかりって事ですか?」
「魔法ってそもそも術式が大きくなるにつれて、魔力の消費が大きくなるんや。んでこの武器たちは術式刻みすぎて、並の人間が使うと魔力切れになってまうんや。最も白蛇くんには関係のない話やがな」
ヴォルペを先頭にして三人は奥に進んでいく。
(武器の量も凄いですが。随分と広いですね、この空間魔力を探ってみる感じちょっと普通と違うのでフィアの『無限回廊』と似たような魔法なんでしょうか)
「ついたで」
ずらりと並ぶ刀。
壁にかけられたその刀一振り一振りには、一眼見るだけで心を奪う芸術品の様な美しさと、どこか押しつぶされてしまう様な緊張感を放っている。
(この感じ、小さなミリタリショップに置いてあるエアガンみたいですね)
「妖刀か」
鬼姫はその刀たちを見るとやはりという様に呟いた。
「妖刀? なんですかそれ?」
「長く使った道具には魂が宿るって知ってるか?」
「付喪神とかそんなヤツですか?」
「せや、刀に魂が篭ったものを妖刀って言うんやけど、妖刀は凄くてな。自分の魔力を吸い取られる代わりに『武器強化魔法』を使わなくてもいいしへし折れても、再生するしあとは刀一振り一振りに特有の能力が宿るんや。」
ヴォルペが自慢げに語る。
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「そら、自分の魔力が足らんかったら死ぬからな。自分の体と相談して好きなやつ選びや。それとも普通に刀打ってもらおうか?」
ヴォルペは片頬を吊り上げて笑った。
「いえ、ここから貰います。」
正直なところ物凄く怖い、だがそれ以上にある刀に惹きつけられた。
白蛇の正面のラックに掛けてある上から二つ目の刀。
周りの刀達はその性能の他に美術品としても大きな価値があるのが素人目に見てもわかる、そんな中真っ黒な鞘に全くと言っていいほど装飾品のない刀。
そんな地味な刀だがどこか懐かしさを感じる。
背伸びをしつつ恐る々々は手を伸ばし、刀の鞘を掴む。
「ほぉ~」
ヴォルペが驚いたような声を上げたのが後ろ肩聞こえた。
視界が急に狭まり、ゆっくりと灯りが消えるようにして意識が薄れていく。
(魔力が吸われてる!? ……なるほど、これが妖刀ですか)
自らの体の魔力がぐんぐん減っていく感覚と鬼姫が何か伝えようとする声が聞こえる。
(不味いですね、感覚でしか分かりませんがそろそろ魔力が尽きますね。強さを求めて欲張りすぎました——)
白蛇の意識が闇に飲まれた。
「まぁ、そうなるよなぁ」
倒れた白蛇を見ながらヴォルペはつぶやいた。
「言っとる場合か! 運ぶぞ!」
「お前だけで運べばええやろ。そんなに重いもんでもないし、それに——いや、なんでもないわ。とにかく自分で運べや、ツレやろ?」
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