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第二十三話
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剣士隊。
剣を持ちと鎧を纏い魔法を駆使して戦場を駆け回る。
銃士隊や魔道士隊と違い、魔力、体力、技術その全てを高水準に揃えられるもののみが入隊を許されるエリート部隊。
その剣士隊の使う修練場。
普段ならこんな夜更けに空いていることはなく、当然人もいないはずの場所だった。
そんな場所に魔力で作られた光が煌々と灯っている。
「こんなところ、よく借りれましたね」
「なぁに、ちょっとヴォルペに頼んだだけじゃよ」
「ちょっと……ですか」
白蛇は鬼姫が何をしたのかを大まかに推測し、少しだけヴォルペに同情した。
「ところで、僕この『孤毒』を使っちゃってもいいんですか?」
そう言って白蛇は鞘を引き寄せて見せる。
「毒があるらしいんですけど……」
「バカいえ、その程度の毒妾に効くわけなかろう、それに思いあがっとらんか?」
「なにがです?」
「お主の実力じゃ、妾に触れることすらできんぞ」
「へぇ、言いました——」
白蛇は喋りながらの抜刀。
磨き抜かれたその抜刀はほとんどの予備動作を削除した居合い。
通常なら防御不可能の奇襲となるはずだった。
「ね?」
「もう一度行ってやろうか? お主は妾に触れることすらできんぞ」
鞘から半分ほど刀を抜いた状態で白蛇の斬撃を止めて鬼姫はそう言った。
「なるほど、やっぱりダメですか」
白蛇の強みの一つは小太刀と太刀の二刀流によるその手数の多さにあった。
(その強みを……生かす!)
流れるように追撃。
二刀を使って行われる連続攻撃を鬼姫は最も簡単に受け流す。
宣言した通り、鬼姫の髪の毛一本の至るまで触れることすらできていない。
だが、構わない白蛇に体力の限界は、無い。
ただ打ち合う、たったそれだけの行為が長ければ長いほど白蛇の有利は大きくなっていく。
言い換えれば鬼姫は白蛇と長く打ち合えば打ち合うほど、戦えば戦うほど不利になっていく。
(鬼姫はこの状況を打開したいはず……)
鬼姫は受け流すのをやめ、思い切り白蛇の刀を弾いた。
白蛇の体制が僅かに崩れる。
(待っていた、この展開を)
白蛇は体制を立て直し鬼姫は反撃の準備に移る。
鬼姫のその身体能力を遺憾無く発揮することによる、超高速で繰り出される反撃。
当然白蛇の体制を完全に立て直し防御するまでの時間はない。
何度も鬼姫と戦った中で最も多い負けの確定パターン。
いつもなら無理な防御をし、それを皮切りに削られる。
右手のみで繰り出される鋭い突き。
白蛇の胸に向かって伸びるその突きを防御することなく体制を立て直す。
再生能力を最大限まで生かした戦法。
(鬼姫の一手を無駄に撃たせた)
この隙をついた骨を切らせて肉を断つカウンター。
白蛇は左手に持った太刀を大きく振り上げた。
白蛇の胸には鋭い痛さと、胸を押されるような閉塞感が流れる。
(このまま振り下ろす)
ヒュッと風を切る音と共に鬼姫の頭に刀が振り下ろされた。
「お主よ、まだ妾を舐めておらんか?」
ピタリと左手が動かなくなった。
左手首から温もりと僅かな柔らかさを感じる。
白蛇の手を鬼姫ががっちりと掴んでいる。
「ためらったじゃろ? 妾が死ぬと思うて、僅かじゃが確実にその剣速は落ちていたぞ? もっと本気でぶつかってこんかっ!」
怒鳴ると同時に鬼姫の手に力が込められた。
先ほどまで柔らかかったの手は、鉄をも遥かに凌駕する硬さで白蛇の手首を締め上げる。
プチプチと内部から鳴る破裂音と骨の軋む音。
皮膚は少しづつ裂け、流れた血が鬼姫の手首をつたって地面に落ちる。
「痛ぁあ!」
「あまり妾を退屈させるなよ?」
先ほどよりもさらに力が込められた。
単純な握力による切断。
白蛇の手が太刀と共に地面に落ちた。
それに続いて白蛇の胸に刺した刀を足を使って白蛇を蹴飛ばすように引き抜いた。
「治るまで待ってやろう」
胸の傷から溢れる血が鬼姫の刀に吸い込まれて吸収されている。
「随分と親切ですね」
尻餅をついたまま白蛇はそう言った。
「このままお主を完封してしまってもつまらんからの」
白蛇は治ったばかりの左手で太刀を拾い上げた。
「じゃあ第二ラウンドといきましょうか?」
「当然じゃな」
剣を持ちと鎧を纏い魔法を駆使して戦場を駆け回る。
銃士隊や魔道士隊と違い、魔力、体力、技術その全てを高水準に揃えられるもののみが入隊を許されるエリート部隊。
その剣士隊の使う修練場。
普段ならこんな夜更けに空いていることはなく、当然人もいないはずの場所だった。
そんな場所に魔力で作られた光が煌々と灯っている。
「こんなところ、よく借りれましたね」
「なぁに、ちょっとヴォルペに頼んだだけじゃよ」
「ちょっと……ですか」
白蛇は鬼姫が何をしたのかを大まかに推測し、少しだけヴォルペに同情した。
「ところで、僕この『孤毒』を使っちゃってもいいんですか?」
そう言って白蛇は鞘を引き寄せて見せる。
「毒があるらしいんですけど……」
「バカいえ、その程度の毒妾に効くわけなかろう、それに思いあがっとらんか?」
「なにがです?」
「お主の実力じゃ、妾に触れることすらできんぞ」
「へぇ、言いました——」
白蛇は喋りながらの抜刀。
磨き抜かれたその抜刀はほとんどの予備動作を削除した居合い。
通常なら防御不可能の奇襲となるはずだった。
「ね?」
「もう一度行ってやろうか? お主は妾に触れることすらできんぞ」
鞘から半分ほど刀を抜いた状態で白蛇の斬撃を止めて鬼姫はそう言った。
「なるほど、やっぱりダメですか」
白蛇の強みの一つは小太刀と太刀の二刀流によるその手数の多さにあった。
(その強みを……生かす!)
流れるように追撃。
二刀を使って行われる連続攻撃を鬼姫は最も簡単に受け流す。
宣言した通り、鬼姫の髪の毛一本の至るまで触れることすらできていない。
だが、構わない白蛇に体力の限界は、無い。
ただ打ち合う、たったそれだけの行為が長ければ長いほど白蛇の有利は大きくなっていく。
言い換えれば鬼姫は白蛇と長く打ち合えば打ち合うほど、戦えば戦うほど不利になっていく。
(鬼姫はこの状況を打開したいはず……)
鬼姫は受け流すのをやめ、思い切り白蛇の刀を弾いた。
白蛇の体制が僅かに崩れる。
(待っていた、この展開を)
白蛇は体制を立て直し鬼姫は反撃の準備に移る。
鬼姫のその身体能力を遺憾無く発揮することによる、超高速で繰り出される反撃。
当然白蛇の体制を完全に立て直し防御するまでの時間はない。
何度も鬼姫と戦った中で最も多い負けの確定パターン。
いつもなら無理な防御をし、それを皮切りに削られる。
右手のみで繰り出される鋭い突き。
白蛇の胸に向かって伸びるその突きを防御することなく体制を立て直す。
再生能力を最大限まで生かした戦法。
(鬼姫の一手を無駄に撃たせた)
この隙をついた骨を切らせて肉を断つカウンター。
白蛇は左手に持った太刀を大きく振り上げた。
白蛇の胸には鋭い痛さと、胸を押されるような閉塞感が流れる。
(このまま振り下ろす)
ヒュッと風を切る音と共に鬼姫の頭に刀が振り下ろされた。
「お主よ、まだ妾を舐めておらんか?」
ピタリと左手が動かなくなった。
左手首から温もりと僅かな柔らかさを感じる。
白蛇の手を鬼姫ががっちりと掴んでいる。
「ためらったじゃろ? 妾が死ぬと思うて、僅かじゃが確実にその剣速は落ちていたぞ? もっと本気でぶつかってこんかっ!」
怒鳴ると同時に鬼姫の手に力が込められた。
先ほどまで柔らかかったの手は、鉄をも遥かに凌駕する硬さで白蛇の手首を締め上げる。
プチプチと内部から鳴る破裂音と骨の軋む音。
皮膚は少しづつ裂け、流れた血が鬼姫の手首をつたって地面に落ちる。
「痛ぁあ!」
「あまり妾を退屈させるなよ?」
先ほどよりもさらに力が込められた。
単純な握力による切断。
白蛇の手が太刀と共に地面に落ちた。
それに続いて白蛇の胸に刺した刀を足を使って白蛇を蹴飛ばすように引き抜いた。
「治るまで待ってやろう」
胸の傷から溢れる血が鬼姫の刀に吸い込まれて吸収されている。
「随分と親切ですね」
尻餅をついたまま白蛇はそう言った。
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白蛇は治ったばかりの左手で太刀を拾い上げた。
「じゃあ第二ラウンドといきましょうか?」
「当然じゃな」
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