異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

さぁ!ごはんの時間だ!

「タイキ、またアイツら変な物見つけてるぞ。」
 頼子の父、勇が大樹の部屋に入り声を掛けると、大樹は笑いながら話す。

「例のへんな島かい?」
「聞いていたか?」
「行くのは聞いてたけれど、急に現れた島としか聞いてないよ、で?何だったのかな。」
「・・・海底探索船・・・いや、島か。」
「海底?」
「ああ、詳しくはわからないが、潜水艦になるらしい。」
「それは凄いな。」
 大樹は楽し気に話す。

「それから、海底のレアメタルを採れるらしいぞ。」
「本当か?」
「らしいが、どうする?」
「どうするもなにも、見てみたいな。」
「だよな、今はフリエンツ付近らしいが、ハース領まで動かしてくれるだろうな。」
「それは助かる、それで、いつくらいに来るのかな。」
「それはわからないが、行くならフェアリーリングを設置してもらおうか。」
「楽しみだな。」
「ああ、色々捗りそうだ。」
 2人はニヤリと笑うと、他のパパさんズに連絡を始めた。


-------------------------


「座標確認デキマシタ、飛空島1号ノ座標ニ向カイマスカ?」
 ケースに入っていたロボットに、制御玉を入れ、稼働させたロボットが島の稼働を確認する。

「まだ遊んでないから後でも大丈夫だよ。」
 千春はそう言うと、テールカを見て問いかける。

「地上に出れるんだよね?」
「ええ、この地図だと、さっきのホールから外に出るエレベーターが有るわ。」
 画面を見ながら指を差す。

「ヨリ、パパさんズは?」
「お父さんにはLIMEしたよ、見に来たいって返事来たわ。」
「来るだろうねぇ♪」
 頼子の言葉に千春は笑う、そして皆はホールに向かった。

「この島誰の管轄にする?」
 頼子が千春に言うと、千春はエンハルトを見る。

「ハルト、これ私たちが貰っていいの?」
「さぁ?」
「さぁって?」
「見つけたのはマリーナ女王だろ?」
「うん、マリーナさん、この島どうします?」
 千春は後ろを歩くマリーナに問いかける。

「チハルちゃんが好きな様にして良いわよ、私にはこの島を有用活用出来るとは思えないわ。」
 マリーナの言葉にティスケリーも頷く。

「海底なんて私達は島が無くても行けるもの、それにチハルちゃんが持っていればおのずと私達にも恩恵があるでしょ?」
「あるかなぁ。」
 千春が首を傾げると、マリーナが笑いながら話す。

「飛空島も飛行艇も助かってるわ、それにチハルちゃんなら悪用もしないでしょ?」
 微笑むマリーナに千春はまた首を傾げ、聖女達を見る。

「私はいらないから誰か担当してよ。」
 千春が言うと、皆が一斉に千春から視線を外す。

「ちょ?」
「チハルでいいじゃん。」
 美桜は視線を外したまま答えると、麗奈も頷く。

「ソラは?」
「・・・あ、いらないです。」
「なんで敬語なのよ、ダイア♪」
「・・・あー、何?キコエナーイ。」
「聞こえてますやん、ヒマリ♪」
「残念!ブルーワグには持っていけないなぁ!ザンネンダナー!」
「カノン♪」
 千春はパァと笑みを飛ばす。

「・・・なんでしょう。」
「ハース領って海の横だよね♪」
「ソウダネ。」
「護衛もつけるよ。」
「サンジュいるじゃん、ロボならシノにあげなよ。」
「そうだね、んじゃ島はカノンって事で。」
「は!?」
 花音は思わず叫び皆を見る、皆は何故かサムズアップしていた。

「・・・はぁ、別に乗るわけじゃないし、良いけどさ、バジェスさん驚くだろうなぁ。」
 花音は婚約者であるバジェスの事を思い出す、するとエンハルトが答える。

「バジェスには俺から言っておくぞ。」
「・・・王国的にいいんですか?こんな島が1つの領にあって。」
「いまさらだなぁ、なぁアリン。」
「そうですね、逆にハースは他の国からの玄関口でもありますから、ジブラロール王国としてもありだと思いますね。」
「・・・さようですかぁ。」
 花音はため息をつく、千春は1つ問題が解決したと喜びながらテールカに話しかける。

「テールカ、この島の管理はカノンにして貰うけど、ロボ君2号お任せで大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ、フリーカは私が飛空島に連れて行くし。」
 テールカは手をつなぐフリーカを見て微笑む、フリーカは少し首を傾げる。

「いっしょにいくの?」
「ええ、色々な所へ一緒に行きましょうね♪」
 大きな1つの目で見つめ合う2人、するとフリーカのお腹が可愛い音を立てる。

くぅ・・・

「お腹空いてるの?」
 テールカが問いかけると、フリーカが頷く。

「そりゃそうだよ、何年もごはん食べてないんでしょ?」
 千春が言うと、テールカが頷く。

「最後のデータだと私が眠った後にこの島は動きを止めたみたいなのよね。」
「ってことは2万年前だっけ?」
「2万3000年前ね。」
「よし!それじゃ遊ぶ前にごはんにしようか!」
 千春は嬉しそうに言うと、皆も喜ぶ。

「海鮮♪海鮮♪」
「ホタテ♪ホタテ♪」
「テンプラ♪テンプラ♪」
 美桜、日葵、ティスケリーが歌い出す、千春はクスッと笑いフリーカに話しかける。

「好きなものある?」
「すきなもの?」
「うん、お肉とかお魚とか、果物とか♪」
「おにくすき!」
「お、肉好き幼女だ。」
「おさかなもすき。」
「いいね、それじゃお魚は人魚さんたちに獲ってきてもらおうか♪」
 千春はフリーカに話しかけながらホールに辿り着くと、エレベーターで地上に戻った。


-------------------------


「・・・なんだこれ。」
 千春は島の先頭、砂浜に戻り思わず呟く、目の前には巨大なシーサーペントが、そしてその横には魚介類が山積みだった。

「おかえりなさいませチハル王女殿下。」
 ドラゴンのアベリアに乗った竜騎士団のアイリスが千春に声をかけた。

「これなに?」
「はい、ドラゴン達が騒ぎ出したので確認した所、こちらへ向かって泳ぐシーサーペントがいましたので討伐しておきました。」
「この魚介類は?」
「はい、海域を泳いでいた人魚たちが集めてきました。」
「・・・ありがとう。」
 巨大なシーサーペントを見上げる千春、するとエーデルが指示を始める。

「リベス、お前達はシーサーペントの解体、フィークス、島の警護を引き続きやってくれ、アイリス、お前はチハル様の手伝いを。」
「「「はっ!」」」
 3人は返事を返す。

「サフィー、食材たんまりあるわー、料理の準備・・・してるね。」
 千春は後ろを振り向き声を掛けようとするが、既に大きなコンロとテーブル、シンク、そしてオーブンまでが並び、セットされていた。

「やっほーい!ホタテー!」
 貝を手にして喜ぶ日葵、ホタテと言うには明らかにサイズがおかしい貝だったが、日葵は気にして無い様だ、そしてそれを見て志乃が笑う。

「ホタテ聖女だね。」
「でしょ、チーズ聖女様。」
「やめてよ・・・」
 やめてと言いながらも笑みが零れる志乃、千春も微笑み返す。

「チハルちゃん、私たちも手伝うわよ♪」
 マリーナ女王とティスケリーも腕捲りをする。

「んじゃみんなでやりますかー♪」
 千春が声を掛けると、皆が返事を返す、そして砂浜での料理が始まった。


-------------------------


「メグ。」
「あら、アルデア、チハルの方は良いの?」
「ええ、問題無いわ。」
「良かったわ、それで?」
「島はセンスイカンって言ってたわ。」
「何?それ。」
「水中を移動出来る島らしいわ、海底の資源を採れる施設らしいの。」
「・・・また凄い物を見つけたわね。」
 マルグリットはクスクス笑う。

「あと、テールカと同じ種族の子がいたわよ。」
「キュクロープス族って事?」
「そう、ユラより小さい子だったわ。」
「他には?」
 マルグリットが問いかけると、アルデアが首を振る。

「そう・・・」
 察したマルグリットは残念そうに答えた。

「今から食事を作るそうよ。」
「フフッ、チハルらしいわね。」
「その後海で遊ぶそうなの♪」
「あら、そうなのね。」
「そ、それで、イーナに声を掛けたんだけど、ユラも連れて行って良いかしら?」
「ええ、もちろん、その小さな子と遊ばせるの?」
「フリーカって言うの、父親の死を忘れるくらい楽しませてあげたいじゃない?」
「あら、優しいわね♪」
「私たちからすれば数万年前の子だけれど、あの子にとっては数日・・・いえ、数時間前の事だもの。」
 優しく、そして悲しそうに言うアルデアにマルグリットが頷く。

「エリーナ、ユラを迎えに行ってくれる?」
「はい。」
「それじゃ、準備が出来たら呼んでちょうだい♪」
 アルデアはそう言うと姿を消した。

「・・・あの子も変わったわね。」
 マルグリットはアルデアの表情を思い出しながら呟き微笑んだ。






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