異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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連載

ビーチでごはん!

「ごはんだよー!」
 千春はフライパンをオタマでカンカンと叩きながら声を上げる、砂浜ではしゃぐ水着姿の幼女4人が駆け寄って来る、ユラ、イーレン、イーナ、そしてフリーカだ。

「楽しかった?」
「うん!」
 ユラが満面の笑みで答える、フリーカも満面の笑みだ。

「そこに座ってね♪」
 千春は簡易とは言えない、しっかりとしたテーブルを指差す、幾つかのテーブルが並び、既にテンプラを食べているティスケリー、グラタンを食べる頼子、大きなエビの串焼きを食べる美桜と麗奈、海鮮焼きそばを食べる青空に、シーサーペントの串焼きを頬張る大愛を見る。

「ヒマリ、終わった?」
 千春は別のテーブルで陽菜に島の説明をしている日葵に声を掛ける。

「うん、だいたい終わった、あとで中の見学したいって。」
 メモを取りながらニヤニヤしている陽菜、それを楽しそうに見ているフスネ・オーレン。

「ヒナねーちゃんも食べません?」
「ちょっとまって、良い所だから。」
「チハル、ヒナねーちゃんこうなったら暫く没頭するから先に食べよ。」
「そだね、フスネさんも食べますよね?」
「いや、ヒナのこれが終わったら一緒に食べるよ。」
 フスネは満足そうに答える、千春はハイハイと笑いながら答え、日葵と別のテーブルに座る。

「・・・いいねぇプライベートビーチみたい。」
 千春が座ると、侍女達が料理を持ってくる、目の前には貝柱のグラタンだ。

「うわお♪」
 日葵は嬉しそうに貝柱にフォークを刺すと口に入れる。

「ビーチで食べる料理ではないけどね。」
 クスッと笑い、別のテーブルを見る、志乃も同じグラタンを食べていた、パクリと口に入れ、頬が落ちるのではないかと言うくらいに笑みが零れている。

「ま、幸せそうだからいいかぁ。」
 千春もグラタンをパクリと口に入れる。

「・・・んっま!!!なにこれ!!!」
 千春が思わず声を上げると、飲み物を持って来たモリアンが突っ込む。

「なにこれもなにも・・・チハルさんがつくったんですよぉ?」
「まぁそうだけど・・・この貝柱美味しすぎでしょ。」
「そうなんです?」
「うん、プリプリなのに口の中で溶けていくんだけど。」
 千春はそう言いながら日葵を見ると、日葵も首がモゲるのではないかと言わんばかりに首を振っている。

「鰭族の方が獲って来た貝ですもんねぇ、特殊なんでしょうかぁ?」
 モリアンが海の方を見ながら話す、漁も終わり、海を泳ぎまわる人魚達、遊んでいるようにも見えるが、周りに魔物が来ていないか監視中だった。

「チハルー。」
 麗奈が声を掛けて来る、千春は麗奈の方を見て返事を返した。

「なにー?」
「フェアリーリングどこにおく?」
「あーん、外なら何処でもいいんじゃない?」
 千春が答えると、モリアンが言葉を返す。

「それ危なく無いです?」
「なんで?」
「だってこの島、海の中に沈むんですよね?」
「うん。」
「沈んでる時に飛んだら・・・おぼれません?」
「溺れるわ!!!あっぶな!!!レナ!さっきのホールあたりに作れる?」
「金属の上は無理だと思うよ?キノコ生えないもん。」
「んじゃどこかの部屋1つ潰して、土入れよう。」
「おっけー♪」
「モリーもごはんたべたら?」
「チハルさんたちが海に行ったら食べますよぉ?」
「今食べても良いのに。」
「それはそれ、これはこれ・・・だそうです。」
 モリアンはチラッとサフィーナの方を見る、サフィーナは幼女たちと一緒に座るアルデアに料理を渡していた。

「アルデアってあんなに可愛かったっけ?」
「アルデアさんは最初から可愛いですよぉ?」
「いやいや、最近めっちゃ可愛いじゃん。」
「そう言われれば可愛いかもしれないですぅ。」
「なんであんな可愛くなったんだろ。」
 千春とモリアンが話をしていると、アルデアが立ち上がり、スタスタと千春の前に歩いて来る、そして千春のほっぺを両手で軽く摘まみひっぱる。

「可愛い可愛いうるさいわよ。」
「かおあはいお?」
「うるさいわね・・・可愛い言わないでちょうだい。」
「かわいいかわいいかわいい。」
「ち~~~は~~~る~~~。」
「いはいいはいいはい!!!」
 アルデアは力を強くしたのか、千春のほっぺが伸び、千春がもがく。

「かわいい禁止!」
 アルデアは耳を赤くしながらテーブルに戻る、千春はケラケラ笑いながらそれを見送る、入れ替わりにサフィーナが千春の前に来た。

「おつかれサフィー、サフィーは仕事しなくて良くない?」
「いいのよ、動いていた方が楽しいもの。」
 微笑み答えるサフィーナに千春は苦笑いだ、するとサフィーナはアルデアの方を見る。

「アルデア様は感情を表に出すようになったからじゃないかしら?」
 サフィーナが言うと、千春はアルデアを見る、アルデアは千春の視線を感じ顔を背ける。

「・・・そう言われたらそうかもしんないね、やっぱり恋してるかr・・・痛い痛い痛い!!!」
 千春は頭を抑える、髪に隠れていた蝙蝠が千春の頭を齧っていた。

「チハルー、そろそろ海に行こー。」
 頼子が声を掛けてきた。

「ごはんもう良いの?」
「いや、食べ過ぎたら泳げないじゃん。」
「そりゃそうだけど・・・めっちゃ食べてる人いるんだけど。」
 千春は目の前で2皿目のグラタンを頬張る日葵を見る。

「ヒマリは置いて行こう。」
 さらっと日葵を見捨てる頼子、そしてアイテムボックスから水着を取り出す。

「何処で着替える?」
「あー、簡易更衣室作ってもらおうか。」
 千春が言うと、モリアンが指差す。

「中で着替えたら良いんじゃないです?」
「・・・そだね。」
 エレベーターを指差すモリアン、千春は頷く。

「くそう、なんか今日モリーに色々突っ込まれてるきがする。」
「チハルさん、なんで“くそう”なんですか!?」
「だって、モリーに言われたら負けた気になる。」
「って事は今日は私の勝ちなんですね。」
「はいはい!今日は私の負けでーす!ヨリ、着替えに行こっか。」
「おっけー、みんなー!着替えるよー!」
 すでに着替えている幼女組を置いて、聖女達がエレベーターに向かう、日葵もあっという間に食べ終わりエレベーターに乗り込むと、ホールに戻り皆は着替えを始めた。


-------------------------


「おい!ハルト!!!」
「なんだ?ミシェール。」
「あの格好!!!」
「あぁ、チハルたちの水着か?」
「み・・・みずぎ?あれが?」
「あれが普通だそうだ。」
「嘘だろう、下着よりも・・・おい!竜騎士団も見てるんだぞ!?」
 千春たちの水着姿を見て叫ぶミシェール、だが竜騎士団達は無反応だ。

「ミシェール。」
「なんだ!」
「慣れろ、これが今の常識だ。」
「アリン!お前の彼女もいるんだぞ!?良いのか?!」
「・・・私もそう思っている時がありました。」
 アリンハンドは海を見つめながら呟く、その横でエーデルとホーキンも頷いている。

「ミシェール、大丈夫だ、鰭族も似たようなものだろ、すぐになれる。」
 エンハルトは遠くを見つめながら呟く、砂浜でキャッキャと騒ぐ聖女と幼女たち、その水着姿よりも露出が多い人魚たちを見つめる。

「それとこれとは・・・」
 まだ納得いかないミシェール、だが一人も共感せず、黙って海を見つめる男達。

「ミシェール様。」
「なんだアリン。」
「これくらいで驚いていたらダメですよ?」
「・・・まだあるのか?」
 ミシェールが呟くと、他の男達はミシェールを見つめ静かに頷いた。





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