異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
873 / 1,137
連載

エイクラーの魔物料理!

しおりを挟む
「・・・うん!固い!」
 千春はドラゴトルムの肉を塩焼きにして口に入れ、感想を言うと、頼子達も食べてみる事にした。

「・・・んー、まぁ固いっちゃ固いけど、言う程じゃなくない?」
 頼子はモグモグと口を動かしながら答える、美桜も頷き答える。

「ほら、地鶏とかの炭火焼あんじゃん、あんな感じ?」
「地鶏と言うか、鶏の親鳥ってあるじゃん、アレくらいじゃない?」
 麗奈も同じくモグモグと味見をしながら言う。

「唐揚げにしてもイケそうだね。」
「臭味も無いし、淡泊な感じだよね。」
「真っ赤だけど、火を通したら白っぽくなるんだね~。」
「他に調理法無いの?」
 皆はそれぞれの感想を言いながら、真っ赤な肉を見つめる、すると智美達が戻って厨房へ顔をだした。

「あら、解体終わったの?」
「まだですけど、肉だけ貰って来ました♪」
「そのお肉?真っ赤ね、何の肉?」
「あのでっかい亀です。」
「へぇ~、それは味見用?」
「はい。」
 智美は千春に聞くと、焼いた肉を口に入れる。

「・・・ん~、筋じゃなく肉質が固めなのね。」
「お母さん、この固い肉食べやすく出来る?」
「そうねー、これはこれで色々作れそうだけれど、柔らかくするならお酒に漬け込むか、ヨーグルトとか酢、塩麴とか舞茸かしら。」
 智美が説明をしていると、美咲と茜、真冬、そして春恵も厨房へやって来た。

「おかぁさんお話おわり?」
「ええ、何作ってるの?」
「解体してもらったお肉の味見。」
 千春は菜箸で肉を摘まみ、春恵の口に入れる。

「・・・歯ごたえ有るわね。」
「うん、亀の肉、ちょっと固いんだよね。」
「そうねぇ。」
 春恵はそう言うと真っ赤な肉を見る。

「あら、千春、この肉こっち向きで切ったの?」
「うん。」
「肉の筋が縦よ?」
「え?こっちじゃないの?」
「ほら、この断面。」
「あー・・・。」
 千春は真っ赤な肉をペチペチと叩くと、薄くスライスする。

「ヨリ、これで焼いてみて。」
「ほいほい、塩コショウ?」
「ういっ。」
 千春は数枚スライスすると頼子に焼いてもらう、薄くスライスした肉はすぐに焼け、皆はそれを口に入れる。

「おー、さっきより柔らかい・・・気がする!」
「確かに柔らかくなってるけど、それでも固いね。」
「牛肉と比べるからじゃん?」
 千春、麗奈、美桜はモグモグと試食しながら感想を言い合う、それを見ていた美咲が美桜に話しかける。

「他の魔物は?」
「あのでっかい魚も解体してもらったよ。」
「赤い牛は?」
「それもあるよ。」
 美桜が言うと千春はアイテムボックスからレッドホーンブルの肉を取り出す。

「これがレッドホーンブル、略してレッブル肉です。」
 千春は楽しそうに言う。

「赤身が凄いわね。」
 美咲が言うと、智美も頷く。

「それで?今日は魔物料理でご飯作るのかしら。」
 千春は智美に頷く。

「その予定です、久しぶりに蟻もゲットしたから、しゃぶしゃぶはやりたいなって思ってます。」
「あら良いわね~♪それじゃレッブルも薄く切っちゃう?」
「はい、あと、デカ魚の刺身も美味しかったですよ。」
「そうなの?あれだけ大きいと大味で美味しくないと思ってたわ。」
「それがですねぇ~。」
 千春はニヤニヤと笑いながらメガロヴォイドのサクを取り出すと、刺身で切りさらに盛り付ける。

「はい、醤油はこれで。」
 ワサビ醤油を横に置くと、ママさんズは刺身に手を付ける。

「あら!美味しい♪」
「へぇ~こんな味なのね。」
 智美と美咲が言うと、茜と真冬も頷く。

「おいしいわ。」
「ええ、でもそれ以上に驚いたわ、チハルちゃん料理上手なのね。」
 真冬は手際よく刺身を作った千春を見る、千春はニパッと微笑み春恵を見る。

「ほめられた♪」
 嬉しそうに千春は春恵に言うと、春恵も微笑む。

「よかったわね♪それじゃ料理するなら私も手伝っちゃおうかしら♪」
 ウキウキな春恵に千春も頷く。

「それじゃ予定通り亀は唐揚げにしまーす。」
「千春、唐揚げは良いけど固いまま料理すんの?」
 千春に頼子が問いかける。

「んー、塩麴ないからなぁ、ヨーグルトも無いんだよなー。」
「あら、それじゃ玉ねぎはどう?」
 春恵は千春に言うと、アイテムボックスから玉ねぎを取り出す。

「玉ねぎでも柔らかくなるんだっけ?」
「なるわよ、すりおろした玉ねぎに浸け込めば柔らかくなるわ。」
「そっか、玉ねぎすりおろすんだ・・・。」
 千春は玉ねぎを受け取るとポツリと呟く。

「玉ねぎのすりおろし・・・。」
 調理場に置いてある調理器具から、すりおろし器を手にする、そしてチラッと侍女を見ると、モリアンと目が合う。

「モリーちゃーん。」
「はーい!」
「もうしわけないんだけれどもぉ!」
「・・・すりおろしですかぁ。」
「うん。」
「がんばりますぅぅぅ!!!」
「よろしく!」
 千春は玉ねぎをモリアンに押し付けると、次の作業に取り掛かる。

「レッブルのスライスはミオママがやってくれるから、他の料理作るかな。」
 レッドホーンブルの肉を見ていると、頼子が話しかけてきた。

「ローストビーフ?」
「んー、ローストビーフは結構作ってるし、新しい料理作りたいなーって思ってさ。」
「牛肉の赤身って他に何があるの?」
「ビーフシチューとかあとはワイン煮込みとか?」
「ワイン煮込み良いじゃん、作った事ないよね?」
「無いね。」
「作ったらいいじゃん。」
「塊じゃなければ時短も出来るか、よし!ワイン煮作ろう。」
 千春が言うと、頼子も手伝い準備を始める。

「私も手伝っていいかしら?」
 茜が言うと、ママさんズは頷く、真冬も一緒に手伝いを始める、美桜は美咲の手伝いを、麗奈も茜たちの手伝いを始め、料理が次々と作られて行く。

「チハルちゃん、クラーケンある?」
「ありまーす。」
 智美に言われ千春が言うと、サフィーナがブロック状態のタコを取り出す。

「これ何?」
「タコの足の一部です。」
「大きいわね!」
 思わず突っ込む智美。

「思った形じゃ無かったけど、これだけ大きいならブツ切りで唐揚げも良いわね、チハルちゃん、亀の唐揚げと一緒にやっちゃうわね。」
「はーい!お願いしまーす!」
 唐揚げと言われ千春はモリアンを見る。

「・・・モリー。」
「はあああああいぃぃぃぃぃ!」
 ボロボロと涙を流しながらボウルいっぱいに玉ねぎをすりおろしたモリアンが返事を返す。

「おつかれ。」
「がんばりばぢだぁぁぁ。」
「うん、今日のMVPだよ。」
 千春はすりおろし玉ねぎを受け取ると、一口サイズにされたドラゴトルムの肉を浸けこむ。

「これどれくらい漬け込んだらいいのかな。」
 千春が言うと、春恵が答える。

「牛肉なら冷蔵庫で2~3時間って所だけど、これだとどれくらいかしらね。」
「うーん・・・あ、そうだ。」
 ピコーンと笑みを浮かべる千春は名前を呼ぶ。

「アイトネさま~♪」
『はーい!時短魔法ね!』
「あ、そう言う名前にしたんだ。」
『わかりやすいでしょ♪』
 アイトネは軽く答え、玉ねぎに浸けこまれた真っ赤な肉に指を鳴らす。

「おわり?」
『ええ♪もう調理しても良いわよ♪若鳥くらいの柔らかさにしておいたわ♪』
「便利すぎる、一家に一柱、アイトネ調理器。」
 千春の言葉に文句を言う訳でもなく、アイトネは楽し気に皆の料理を見て回る。

「千春、圧力鍋あるけど使う?」
 ワインの準備をしていた頼子が千春に言う。

「うん、塊だと時間掛かるから少し小さくするわ。」
『あら、それも漬け込むの?』
 千春が手にしたレッブルの塊を見てアイトネが問いかける。

「うん、このままだとワインに1~2時間漬け込まないとだから。」
『あら♪それじゃまた時短魔法ね♪』
「その手が有ったあ!!!」
 千春は肉の塊を鍋に入れ、赤ワインをドボドボと流し込みアイトネの前に出す。

「お願いします!」
『えいっ!』
 パチンと指を鳴らすアイトネ、千春は赤身を指で押さえる。

「・・・おおぅ、柔らかくなった気がする。」
 そう言うと千春は圧力鍋に肉を移し、刻んだ野菜や調味料を入れて行く。

「おっけい!」
「ほんと便利だねアイトネ様。」
「自分が食べたいだけだと思うけどね。」
 千春はそう言うとアイトネを見る、アイトネは勿論とでも言うように微笑む。

「千春、魚出してちょうだい。」
「はーいおかぁさん♪」
 楽し気に料理をするママさんズと千春達、そしていい香りが応接室に流れ、ルプ達も今晩の晩酌は楽しみだとワクワクしながら微笑んでいた。






しおりを挟む
感想 3,743

あなたにおすすめの小説

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。 それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。 誰にも信じてもらえず、罵倒される。 そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。 実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。 彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。 故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。 彼はミレイナを快く受け入れてくれた。 こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。 そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。 しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。 むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

婚約破棄された悪役令嬢、手切れ金でもらった不毛の領地を【神の恵み(現代農業知識)】で満たしたら、塩対応だった氷の騎士様が離してくれません

夏見ナイ
恋愛
公爵令嬢アリシアは、王太子から婚約破棄された瞬間、歓喜に打ち震えた。これで退屈な悪役令嬢の役目から解放される! 前世が日本の農学徒だった彼女は、慰謝料として誰もが嫌がる不毛の辺境領地を要求し、念願の農業スローライフをスタートさせる。 土壌改良、品種改良、魔法と知識を融合させた革新的な農法で、荒れ地は次々と黄金の穀倉地帯へ。 当初アリシアを厄介者扱いしていた「氷の騎士」カイ辺境伯も、彼女の作る絶品料理に胃袋を掴まれ、不器用ながらも彼女に惹かれていく。 一方、彼女を追放した王都は深刻な食糧危機に陥り……。 これは、捨てられた令嬢が農業チートで幸せを掴む、甘くて美味しい逆転ざまぁ&領地経営ラブストーリー!

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。  天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。  学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~

八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。 しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。 それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。 幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。 それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。 そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。 婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。 彼女の計画、それは自らが代理母となること。 だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。 こうして始まったフローラの代理母としての生活。 しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。 さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。 ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。 ※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります ※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!

りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。 食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。 だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。 食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。 パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。 そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。 王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。 そんなの自分でしろ!!!!!

婚約破棄されたので、自由に生きたら王太子が失脚しましたあ

鍛高譚
恋愛
名門アーデン公爵家の令嬢 ロザリー・フォン・アーデン は、王太子 エドワード・カミル・レグノード の婚約者として誰もが認める完璧な貴族令嬢だった。 しかしある日、王太子は突如 “聖女” を名乗る平民の少女 セシリア・ブランシュ に夢中になり、ロザリーに無情な婚約破棄を言い渡す。 「これは神の導きだ! 私の本当の運命の相手はセシリアなんだ!」 「ロザリー様、あなたは王太子妃にふさわしくありませんわ」 ──ふたりの言葉を前に、ロザリーは静かに微笑んだ。 「……そうですか。では、私も自由に生きさせていただきますわね?」 だが、これがロザリーの “ざまぁ” 逆転劇の幕開けだった! 神託と称して王太子を操る “聖女” の正体は、なんと偽者!? さらに王室財政を私物化する 汚職貴族との黒い繋がり も発覚!? 次々と暴かれる陰謀の数々に、王宮は大混乱。 そして、すべての証拠が王の手に渡ったとき──王太子 エドワードは王太子の地位を剥奪され、偽の聖女と共に国外追放 となる! 「ロザリー様を捨てた王太子は大馬鹿者だ!」 「やっぱり王妃にふさわしかったのはロザリー様だったのよ!」 社交界ではロザリーへの称賛が止まらない。 そしてそんな彼女のもとに、なんと隣国の 若き王クラウス・アレクサンドル から正式な求婚が──!? 「私はあなたの聡明さと誇り高き心に惹かれました。私の王妃になっていただけませんか?」 かつての婚約破棄が嘘のように、今度は 本物の愛と自由を手にするチャンス が巡ってくる。 しかし、ロザリーはすぐに頷かない。 「私はもう、誰かに振り回されるだけの人生は選びません」 王妃となる道を選ぶのか、それとも公爵家の令嬢として新たな未来を切り開くのか──?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。