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閑話:夏だ!海だ!海水浴だっ!
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「わあああ!」
「うみー!!!」
「うみなのですーっ!」
車の窓から広がる青い水平線に、ユラ、イーレン、イーナが一斉に叫び出した。
「・・・あっちに海、無いの?」
玲が小さく笑う。
「あるけど!」
イーレンが言いうと、イーナも言う。
「でも、日本のうみは、はじめてなのですー!」
イーナはニッコニコの笑顔で答えた。
「レイちゃん、わたしたちも、あっちの海見たら、こんな感じだと思うよ?」
悠希がにこにこしながら玲に言う。
「・・・まあ、そうかもね~。」
玲は窓の外を見ながら、口元だけで微笑んだ。
「ふふふ、テンション上がるのは分かるけど、車の中で跳ねないでー。」
運転席から茜が笑いながら言う。
「そうねー、あっちの海とはまた違うのかしら?」
助手席の真冬が、涼しげな声で問いかける。
「どうかしらね、海は海だと思うけど?」
茜が答える、やがて、車が海水浴場の駐車場に到着すると、子供たちは勢いよくドアを開けて飛び出す。
「走らないのよーっ!」
茜の声が後ろから飛ぶが、止まる子はひとりもいなかった。
「はやくはやくーっ!」
「クーラーボックス! イーナもてつだうのですーっ!」
「パラソルはこっちー!」
「まったく、元気ねえ・・・」
真冬が呆れながらも笑う。
車から荷物をえっほえっほと運び出す小さな背中たち、母二人はそれを見守りながら、手伝いには行かず、遠くから声を掛ける。
「パラソルの骨、折らないでねー。」
「ユラ、逆よ、そっちは日陰できない向きー。」
子供たちは海岸にシートを敷き、パラソルを立て終えると、真冬が声をかける。
「さあ、着替えるわよー」
「はーいっ!」
「スクール水着、もってきたのですー!」
海の家の一角にある更衣スペースに入っていく少女たち、数分後、そろって出てきたその姿は、みなぴったりサイズのスクール水着だった。
「かわいいわね!」
思わず叫ぶ茜に真冬は苦笑いだ。
「かわいいです?」
イーレンが体をひねってみせる。
「かわいいわ!」
語彙力を無くした茜が頷く。
「ビーチボールをふくらませるのですー!」
両手で大きなビーチボールを必死に膨らませるイーナ、頬が真っ赤になっている。
「ふぅ・・・玲、浮き輪・・・ふくらんだ・・・」
「おつかれ~、顔ひやしてあげる~♪」
玲が手をかざすと、顔を赤くしハァハァと息を荒くする悠希の顔を冷やす。
「きもちいい~。」
悠希が笑ってお礼を言う。
そして、海へ・・・駆け出す子供達。
「いってきまーす!」
「うみっ!つめたい!」
「きゃはははっ、ユラちゃん、それ波!」
きゃあきゃあと波打ち際を走り回る少女たちを、少し離れたパラソルの下で見守る母二人。
「・・・ちょっと、だいじょうぶなの?こんなに浅いとはいえ。」
心配そうに真冬がつぶやくと、茜がにやりと笑う。
「大丈夫大丈夫、ほら。」
茜が指差す先、沖の方にボートが一艘浮かび、その上で座っている女性がいた、遠くからでも分かる長い髪に、日に輝く肌。
「あれ・・・静さん?」
真冬が目を細める。
「そう、静さん、ここの海、実は“あの種族”がよくいるの、だからね、安全この上ないのよ。」
「・・・人魚がライフセイバーやってる海水浴場って、すごいわね。」
「うん、まあ、うちの子たちなら、ちょっとやそっとの波じゃびくともしないけどねー。」
茜がおどけて笑う、真冬はクーラーボックスからジュースを取り出し、缶を開ける。
「今日は泊まりだったわよね?」
「そうよ、ちゃんとコテージとってあるし。」
「よかった。子供たち、まだまだ遊ぶ気まんまんだもの。」
「ふふ、ねえマフユ、雪女が真夏のビーチって、大丈夫なの?」
茜が少し笑いながら尋ねる。
「問題ないわよ。暑かったら・・・ほら。」
真冬が手をひらりと動かすと、周囲の空気がすうっと涼しくなる。
「わたし、自分で冷やせるもの♪」
「・・・じゃあ、なんで来たのか、ますますわかんなくなってきたわ。」
「ふふっ、子供たちの笑顔を見に来たのよ」
二人は静かに笑いながら、波打ち際でじゃれ合う少女たちを眺め続けた。
◆◇◆◇◆◇◆ あとがきてきななにか! ◆◇◆◇◆◇◆
明日(2025/6/16)の更新はお休みする可能性が大だだいのだい!です、申し訳ございません
2巻の初稿が始まりましてえぇぇぇ・・・
ちょいと作業に入りますのでぇぇぇ・・・
今週、来週と、休載する日があると思います、ご迷惑おかけします
お休み前に、告知はしたいと思いますので、よろしくお願いします
ちっき。
「うみー!!!」
「うみなのですーっ!」
車の窓から広がる青い水平線に、ユラ、イーレン、イーナが一斉に叫び出した。
「・・・あっちに海、無いの?」
玲が小さく笑う。
「あるけど!」
イーレンが言いうと、イーナも言う。
「でも、日本のうみは、はじめてなのですー!」
イーナはニッコニコの笑顔で答えた。
「レイちゃん、わたしたちも、あっちの海見たら、こんな感じだと思うよ?」
悠希がにこにこしながら玲に言う。
「・・・まあ、そうかもね~。」
玲は窓の外を見ながら、口元だけで微笑んだ。
「ふふふ、テンション上がるのは分かるけど、車の中で跳ねないでー。」
運転席から茜が笑いながら言う。
「そうねー、あっちの海とはまた違うのかしら?」
助手席の真冬が、涼しげな声で問いかける。
「どうかしらね、海は海だと思うけど?」
茜が答える、やがて、車が海水浴場の駐車場に到着すると、子供たちは勢いよくドアを開けて飛び出す。
「走らないのよーっ!」
茜の声が後ろから飛ぶが、止まる子はひとりもいなかった。
「はやくはやくーっ!」
「クーラーボックス! イーナもてつだうのですーっ!」
「パラソルはこっちー!」
「まったく、元気ねえ・・・」
真冬が呆れながらも笑う。
車から荷物をえっほえっほと運び出す小さな背中たち、母二人はそれを見守りながら、手伝いには行かず、遠くから声を掛ける。
「パラソルの骨、折らないでねー。」
「ユラ、逆よ、そっちは日陰できない向きー。」
子供たちは海岸にシートを敷き、パラソルを立て終えると、真冬が声をかける。
「さあ、着替えるわよー」
「はーいっ!」
「スクール水着、もってきたのですー!」
海の家の一角にある更衣スペースに入っていく少女たち、数分後、そろって出てきたその姿は、みなぴったりサイズのスクール水着だった。
「かわいいわね!」
思わず叫ぶ茜に真冬は苦笑いだ。
「かわいいです?」
イーレンが体をひねってみせる。
「かわいいわ!」
語彙力を無くした茜が頷く。
「ビーチボールをふくらませるのですー!」
両手で大きなビーチボールを必死に膨らませるイーナ、頬が真っ赤になっている。
「ふぅ・・・玲、浮き輪・・・ふくらんだ・・・」
「おつかれ~、顔ひやしてあげる~♪」
玲が手をかざすと、顔を赤くしハァハァと息を荒くする悠希の顔を冷やす。
「きもちいい~。」
悠希が笑ってお礼を言う。
そして、海へ・・・駆け出す子供達。
「いってきまーす!」
「うみっ!つめたい!」
「きゃはははっ、ユラちゃん、それ波!」
きゃあきゃあと波打ち際を走り回る少女たちを、少し離れたパラソルの下で見守る母二人。
「・・・ちょっと、だいじょうぶなの?こんなに浅いとはいえ。」
心配そうに真冬がつぶやくと、茜がにやりと笑う。
「大丈夫大丈夫、ほら。」
茜が指差す先、沖の方にボートが一艘浮かび、その上で座っている女性がいた、遠くからでも分かる長い髪に、日に輝く肌。
「あれ・・・静さん?」
真冬が目を細める。
「そう、静さん、ここの海、実は“あの種族”がよくいるの、だからね、安全この上ないのよ。」
「・・・人魚がライフセイバーやってる海水浴場って、すごいわね。」
「うん、まあ、うちの子たちなら、ちょっとやそっとの波じゃびくともしないけどねー。」
茜がおどけて笑う、真冬はクーラーボックスからジュースを取り出し、缶を開ける。
「今日は泊まりだったわよね?」
「そうよ、ちゃんとコテージとってあるし。」
「よかった。子供たち、まだまだ遊ぶ気まんまんだもの。」
「ふふ、ねえマフユ、雪女が真夏のビーチって、大丈夫なの?」
茜が少し笑いながら尋ねる。
「問題ないわよ。暑かったら・・・ほら。」
真冬が手をひらりと動かすと、周囲の空気がすうっと涼しくなる。
「わたし、自分で冷やせるもの♪」
「・・・じゃあ、なんで来たのか、ますますわかんなくなってきたわ。」
「ふふっ、子供たちの笑顔を見に来たのよ」
二人は静かに笑いながら、波打ち際でじゃれ合う少女たちを眺め続けた。
◆◇◆◇◆◇◆ あとがきてきななにか! ◆◇◆◇◆◇◆
明日(2025/6/16)の更新はお休みする可能性が大だだいのだい!です、申し訳ございません
2巻の初稿が始まりましてえぇぇぇ・・・
ちょいと作業に入りますのでぇぇぇ・・・
今週、来週と、休載する日があると思います、ご迷惑おかけします
お休み前に、告知はしたいと思いますので、よろしくお願いします
ちっき。
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