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飛空島2号の心臓!
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「代わりの体はそれ?」
テールカは頼子が影から取り出したマネキンの様なミスリル人形を見て呟く。
「そ、ここが開くから。」
パカッと胸を開ける頼子。
「・・・なんで少女型なの?」
「かわいっしょ♪」
頼子はニッコニコで答える、そしてその横では。
「最初はこれじゃない?」
「ピンクが良いって。」
「えー、メイド服準備したのに。」
「ゴスロリ!ねえゴスロリ!」
美桜達はキャッキャと服を選んでいた、テールカはクスッと笑い千春を見る。
「それじゃ、その制御玉を入れてくれる?」
「はーい、ぱいるだーおーん!」
千春は相変わらず呪文のように言いながら制御玉を入れる、そして。
「呪文お願い。」
「はーい♪うごけ!」
「・・・システム再起動中・・・パスワードヲ入力シテクダサイ。」
「パスワード?」
千春はテールカを見る、テールカは首を傾げる。
「初期化しないとダメかしら。」
「できるの?」
「出来るわよ、制御玉をそこのシステムに繋げて操作すれば。」
「んー、初期化したら今までの事全部忘れちゃう?」
「記憶データは消えるでしょうね、でも制御玉は空島の心臓みたいな物だから、空島の情報さえあれば問題無いわ、情報ならこっちにバックアップされてると思うけど。」
テールカは一つ目を機械に向けながら言う。
「アイトネ、パスワードわかんないよね?」
『わかるわよ、データを覗いたから、「ミトゥ、パルミア、ソラリエ」よ♪』
「数字とかじゃないんだ、何か意味あるのかな。」
千春が言うと、テールカが答える。
「ジブラロールの言葉に変えると、「空を歩む者に祝福を」かしらね。」
「へー、カッコいいパスワードだ。」
「それじゃこの制御玉を触りながら、もう一度言ってちょうだい。」
テールカに言われ、千春は制御玉を触る、気付けば皆も集まり千春を見ていた、そして千春が制御玉に触り呟く。
「ミトゥ、パルミア、ソラリエ。」
「パスワード確認、起動シマス。」
電子音の様な声が響く、そしてマネキンが動く。
「・・・ヨウコソ、オ客様。」
ミスリルマネキンはそう呟くと周りを見渡し自分の姿を見る。
「・・・マスター・・・不在・・・確認デキズ・・・マスターノ生命反応・・・確認デキズ・・・侵入者?」
「ノー!侵入者!助けた!私達助けた!」
「チハルちゃん、なんでカタコトなの?」
「・・・いや、なんとなく。」
テールカはそう言うと、ミスリルマネキンに話しかける。
「もうマスターは居ないわ、新たなマスターを登録して頂戴。」
「・・・了解シマシタ、再登録開始イタシマス。」
「はい、チハルちゃん。」
「ん?」
「登録するんでしょ?」
「・・・え?私なの?」
千春はそう言うと皆を見る。
「千春以外に誰がするのよ。」
頼子は真顔で言うと、千春は陽菜を見る。
「ヒナねーちゃん!」
「へ?なんで?」
「ほら!飛空島で旅行してるじゃん!?」
「ええ、あっちでしてるわね。」
「この島いらない?」
「いらない。」
「えー?攻撃タイプでカッコイイヨ?」
「さっき『封印決定!』って叫んでたでしょうが!」
「・・・えへっ。」
「チハル、どうせ誰かに管理させるんだから登録だけしておきなよ。」
麗奈が正論パンチで千春に言うと、千春はブツブツと呟きながらもテールカを見る。
「どうやんの?」
「さっきみたいに制御玉を触って、人形が生体登録するから。」
「はーい。」
千春は制御玉に手を当てると、マネキンが話す。
「登録完了シマシタ。」
マネキンが言葉を返した。
「名前とかあるの?」
「ゴーレムシェル対侵入者迎撃用装置デス。」
「あ、いや・・・機体名じゃなく、その、呼ばれてた名前とかは?」
「オイ、ゴーレム、ニンギョウ等デス。」
「・・・ロボ君、ロボ君ってなんて呼ばれてた?」
困った千春はロボ君に話しかける。
「オナジデスネ。」
「バレアタスの人達って面白くないね。」
ぼそっと呟く千春にテールカも頷く。
「ゴーレムちゃん・・・じゃ可愛げないなぁ、仲良かった人とか居なかったの?」
「マスターデショウカ。」
「マスターは何て呼んでた?」
「オイ、デス。」
マネキンの言葉を聞き、聖女達が騒ぎ出す。
「亭主関白の旦那かよ。」
「奥さんに『おい』呼びの?」
「それそれ、ちゃんと名前で呼べばいいのにね。」
「っていうか名前くらい付けない?」
「ロボ君も同じらしいし、物扱いなんだろうなぁ。」
話す聖女達、そして名付けの話が始まる。
「ゴーレムシェルのなんだっけ。」
「対侵入者迎撃用装置って言ってたね。」
「なんか物騒なんだけど・・・。」
「シェルで良くない?」
「良いね、シェル、女の子っぽいじゃん。」
「ねぇ、チハル、シェルでどう?」
「いんじゃない?」
千春は頷き、マネキンに言う。
「あなたの名前はシェル、OK?」
「ハイ、マスター、私ハ、シェル。」
電子音で響く返事に千春はロボ君を見る。
「ねぇロボ君、この声どうにかならない?ロボ君って人っぽいじゃん。」
「ワタシハ言語システムヲ追加インストールシテアリマスノデ。」
「おおー、そんなの有るんだ、シェルはインストールされて無いの?」
「サレテオリマス、ドチラガヨロシイデショウカ。」
「女の子っぽい声で出来る?」
千春が言うと、シェルは動きを止める、そして。
「マスター、この声でよろしいでしょうか。」
「おおおお!!!女性の声!」
千春が驚くと、頼子が楽し気にシェルへ話しかける。
「他にもあるの!?」
「はい、ありますが。」
「シェル!幼女!幼女で!」
美桜が手を上げながらシェルに言うと、シェルは聞き返す。
「幼女ですか?年齢は?」
「ユラちゃん達と同じくらいで、8歳くらいに!」
美桜の言葉に頷き、シェルは声を変える。
「この声でよろしいでしょうか?」
「イイね!!!」
「うん、見た目と合うね、それで行こう!」
「よし!それじゃシェル!こっちに来て!」
皆に囲まれるシェルはジッとしたまま動かない。
「それじゃまずはコレー!」
シェルは新しいマスターをじっと見る、千春はスッと目を逸らした。
---------------------------------
「シェル、この島の操作できるんだよね?」
「・・・はい、問題ありません。」
シェルの言葉に日葵が呟く。
「モニターとか全滅してるけど・・・大丈夫なの?」
「表示はされませんが、稼働には問題御座いません、直接指示が出来ますので。」
「それじゃあとは管理者か、テールカ両方管理出来る?」
「無理よ、並走させるなら出来るけれど。」
「うーん、こっちは大陸間交易船にしたいんだよなぁ。」
千春の呟きに陽菜が言う。
「商業ギルドの誰かつけたらどう?」
陽菜の言葉にフスネが待ったをかける。
「それは止めた方がいい、借り物でも人は大きな力を持つと勘違いをするからね。」
「それって、暴走しちゃうって事かしら?」
「ああ、僕が言うのもおかしな話だけれど、国王陛下やエンハルト殿下は許可を出さないだろうね。」
フスネの言葉にサフィーナやエーデルも頷いていた。
「うーん・・・それじゃあっちの人か、テールカみたいな人じゃないとダメって事だよねぇ。」
千春の呟きに頼子達も考える。
「・・・そんな暇そうな人いる?」
「うちらは学校とかあるし。」
「あっちから来た人って皆なにかしらしてるよねぇ。」
「お父さん達も領地持っちゃってるし。」
うんうんと頷きながら考え込む聖女達。
「ま、どうにかなるっしょ、ロボ君、あと充電どれくらい?」
「26時間38分12秒デス。」
「この飛空島をジブラロールまで飛ばすとどれくらい時間かかるの?」
「・・・システムダウン中、確認デキマセン。」
「そっか、たしかロボ君の島が6000㎞くらいで50時間だったよね。」
「53時間45分20秒デシタ。」
「よく覚えてんね、だいたい倍くらいだから・・・100時間くらいかー。」
「4日くらい?」
「結構時間かかるね。」
聖女達の言葉を聞き、サフィーナがクスクス笑う。
「その距離を4日で動けるんですよ?物凄く早いです、チハル達が来るまではハース領まで馬車で10日掛かってたんですから。」
「・・・そう言えばそうだったわ、リリ達が居るから、大陸移動も一瞬だもんねー、それじゃ片道4日の交易って有り?」
「勿論です。」
サフィーナが頷く。
「よし!それじゃ!」
千春は声を上げ皆を見る。
「26時間後にまた来よう!ロボ君大丈夫だよね!?」
「ハイ、26時間35分23秒後ニ、オ越シクダサイ。」
「シェルはどうするの?千春。」
頼子が言うと、シェルが答える。
「ロボ君とシステムの再構築を行います。」
「りょうかーい、それじゃ帰るべー!」
こうして飛空島のもう1つの心臓と言えるシェルが目を覚ました。
千春たちは一度ジブラロールへ戻り、次なる準備へ、空に浮かぶ巨島は、再びその翼を広げる時を静かに待っていた。
テールカは頼子が影から取り出したマネキンの様なミスリル人形を見て呟く。
「そ、ここが開くから。」
パカッと胸を開ける頼子。
「・・・なんで少女型なの?」
「かわいっしょ♪」
頼子はニッコニコで答える、そしてその横では。
「最初はこれじゃない?」
「ピンクが良いって。」
「えー、メイド服準備したのに。」
「ゴスロリ!ねえゴスロリ!」
美桜達はキャッキャと服を選んでいた、テールカはクスッと笑い千春を見る。
「それじゃ、その制御玉を入れてくれる?」
「はーい、ぱいるだーおーん!」
千春は相変わらず呪文のように言いながら制御玉を入れる、そして。
「呪文お願い。」
「はーい♪うごけ!」
「・・・システム再起動中・・・パスワードヲ入力シテクダサイ。」
「パスワード?」
千春はテールカを見る、テールカは首を傾げる。
「初期化しないとダメかしら。」
「できるの?」
「出来るわよ、制御玉をそこのシステムに繋げて操作すれば。」
「んー、初期化したら今までの事全部忘れちゃう?」
「記憶データは消えるでしょうね、でも制御玉は空島の心臓みたいな物だから、空島の情報さえあれば問題無いわ、情報ならこっちにバックアップされてると思うけど。」
テールカは一つ目を機械に向けながら言う。
「アイトネ、パスワードわかんないよね?」
『わかるわよ、データを覗いたから、「ミトゥ、パルミア、ソラリエ」よ♪』
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千春が言うと、テールカが答える。
「ジブラロールの言葉に変えると、「空を歩む者に祝福を」かしらね。」
「へー、カッコいいパスワードだ。」
「それじゃこの制御玉を触りながら、もう一度言ってちょうだい。」
テールカに言われ、千春は制御玉を触る、気付けば皆も集まり千春を見ていた、そして千春が制御玉に触り呟く。
「ミトゥ、パルミア、ソラリエ。」
「パスワード確認、起動シマス。」
電子音の様な声が響く、そしてマネキンが動く。
「・・・ヨウコソ、オ客様。」
ミスリルマネキンはそう呟くと周りを見渡し自分の姿を見る。
「・・・マスター・・・不在・・・確認デキズ・・・マスターノ生命反応・・・確認デキズ・・・侵入者?」
「ノー!侵入者!助けた!私達助けた!」
「チハルちゃん、なんでカタコトなの?」
「・・・いや、なんとなく。」
テールカはそう言うと、ミスリルマネキンに話しかける。
「もうマスターは居ないわ、新たなマスターを登録して頂戴。」
「・・・了解シマシタ、再登録開始イタシマス。」
「はい、チハルちゃん。」
「ん?」
「登録するんでしょ?」
「・・・え?私なの?」
千春はそう言うと皆を見る。
「千春以外に誰がするのよ。」
頼子は真顔で言うと、千春は陽菜を見る。
「ヒナねーちゃん!」
「へ?なんで?」
「ほら!飛空島で旅行してるじゃん!?」
「ええ、あっちでしてるわね。」
「この島いらない?」
「いらない。」
「えー?攻撃タイプでカッコイイヨ?」
「さっき『封印決定!』って叫んでたでしょうが!」
「・・・えへっ。」
「チハル、どうせ誰かに管理させるんだから登録だけしておきなよ。」
麗奈が正論パンチで千春に言うと、千春はブツブツと呟きながらもテールカを見る。
「どうやんの?」
「さっきみたいに制御玉を触って、人形が生体登録するから。」
「はーい。」
千春は制御玉に手を当てると、マネキンが話す。
「登録完了シマシタ。」
マネキンが言葉を返した。
「名前とかあるの?」
「ゴーレムシェル対侵入者迎撃用装置デス。」
「あ、いや・・・機体名じゃなく、その、呼ばれてた名前とかは?」
「オイ、ゴーレム、ニンギョウ等デス。」
「・・・ロボ君、ロボ君ってなんて呼ばれてた?」
困った千春はロボ君に話しかける。
「オナジデスネ。」
「バレアタスの人達って面白くないね。」
ぼそっと呟く千春にテールカも頷く。
「ゴーレムちゃん・・・じゃ可愛げないなぁ、仲良かった人とか居なかったの?」
「マスターデショウカ。」
「マスターは何て呼んでた?」
「オイ、デス。」
マネキンの言葉を聞き、聖女達が騒ぎ出す。
「亭主関白の旦那かよ。」
「奥さんに『おい』呼びの?」
「それそれ、ちゃんと名前で呼べばいいのにね。」
「っていうか名前くらい付けない?」
「ロボ君も同じらしいし、物扱いなんだろうなぁ。」
話す聖女達、そして名付けの話が始まる。
「ゴーレムシェルのなんだっけ。」
「対侵入者迎撃用装置って言ってたね。」
「なんか物騒なんだけど・・・。」
「シェルで良くない?」
「良いね、シェル、女の子っぽいじゃん。」
「ねぇ、チハル、シェルでどう?」
「いんじゃない?」
千春は頷き、マネキンに言う。
「あなたの名前はシェル、OK?」
「ハイ、マスター、私ハ、シェル。」
電子音で響く返事に千春はロボ君を見る。
「ねぇロボ君、この声どうにかならない?ロボ君って人っぽいじゃん。」
「ワタシハ言語システムヲ追加インストールシテアリマスノデ。」
「おおー、そんなの有るんだ、シェルはインストールされて無いの?」
「サレテオリマス、ドチラガヨロシイデショウカ。」
「女の子っぽい声で出来る?」
千春が言うと、シェルは動きを止める、そして。
「マスター、この声でよろしいでしょうか。」
「おおおお!!!女性の声!」
千春が驚くと、頼子が楽し気にシェルへ話しかける。
「他にもあるの!?」
「はい、ありますが。」
「シェル!幼女!幼女で!」
美桜が手を上げながらシェルに言うと、シェルは聞き返す。
「幼女ですか?年齢は?」
「ユラちゃん達と同じくらいで、8歳くらいに!」
美桜の言葉に頷き、シェルは声を変える。
「この声でよろしいでしょうか?」
「イイね!!!」
「うん、見た目と合うね、それで行こう!」
「よし!それじゃシェル!こっちに来て!」
皆に囲まれるシェルはジッとしたまま動かない。
「それじゃまずはコレー!」
シェルは新しいマスターをじっと見る、千春はスッと目を逸らした。
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「シェル、この島の操作できるんだよね?」
「・・・はい、問題ありません。」
シェルの言葉に日葵が呟く。
「モニターとか全滅してるけど・・・大丈夫なの?」
「表示はされませんが、稼働には問題御座いません、直接指示が出来ますので。」
「それじゃあとは管理者か、テールカ両方管理出来る?」
「無理よ、並走させるなら出来るけれど。」
「うーん、こっちは大陸間交易船にしたいんだよなぁ。」
千春の呟きに陽菜が言う。
「商業ギルドの誰かつけたらどう?」
陽菜の言葉にフスネが待ったをかける。
「それは止めた方がいい、借り物でも人は大きな力を持つと勘違いをするからね。」
「それって、暴走しちゃうって事かしら?」
「ああ、僕が言うのもおかしな話だけれど、国王陛下やエンハルト殿下は許可を出さないだろうね。」
フスネの言葉にサフィーナやエーデルも頷いていた。
「うーん・・・それじゃあっちの人か、テールカみたいな人じゃないとダメって事だよねぇ。」
千春の呟きに頼子達も考える。
「・・・そんな暇そうな人いる?」
「うちらは学校とかあるし。」
「あっちから来た人って皆なにかしらしてるよねぇ。」
「お父さん達も領地持っちゃってるし。」
うんうんと頷きながら考え込む聖女達。
「ま、どうにかなるっしょ、ロボ君、あと充電どれくらい?」
「26時間38分12秒デス。」
「この飛空島をジブラロールまで飛ばすとどれくらい時間かかるの?」
「・・・システムダウン中、確認デキマセン。」
「そっか、たしかロボ君の島が6000㎞くらいで50時間だったよね。」
「53時間45分20秒デシタ。」
「よく覚えてんね、だいたい倍くらいだから・・・100時間くらいかー。」
「4日くらい?」
「結構時間かかるね。」
聖女達の言葉を聞き、サフィーナがクスクス笑う。
「その距離を4日で動けるんですよ?物凄く早いです、チハル達が来るまではハース領まで馬車で10日掛かってたんですから。」
「・・・そう言えばそうだったわ、リリ達が居るから、大陸移動も一瞬だもんねー、それじゃ片道4日の交易って有り?」
「勿論です。」
サフィーナが頷く。
「よし!それじゃ!」
千春は声を上げ皆を見る。
「26時間後にまた来よう!ロボ君大丈夫だよね!?」
「ハイ、26時間35分23秒後ニ、オ越シクダサイ。」
「シェルはどうするの?千春。」
頼子が言うと、シェルが答える。
「ロボ君とシステムの再構築を行います。」
「りょうかーい、それじゃ帰るべー!」
こうして飛空島のもう1つの心臓と言えるシェルが目を覚ました。
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