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4章・昇級試験
035・応援オンパレード
しおりを挟む「キャー!見て見て、あの佐々木様の寛容と余裕っぷり!」
「うんうん、スッゴク格好いい~♪」
「相手の攻撃を絶対に食らわないという強者の行動よねぇ~♪」
「じ、じゃあ今度もまた見れるかな?あの「余裕っしょ!」アピールが!」
「うふふ~これは期待期待♪」
「それにしても新人風情が何人も佐々木様に挑んでいるけど、佐々木様に
勝てると本気で思っているのかな?勝てるはずないのにさ?」
「試験官が佐々木様だと分かってんだからさ、その時点で棄権するべきよ
ねぇ~。ホント身の程を知らない、厚かましいくもおこがましいよ~!」
「ああ!ひょっとして佐々木様って見た目があんなんだから、もしかしたら
勝てるかもという哀れな打算があったんじゃないの?」
「あはは、かもねぇ~♪そんなの奇跡がある訳ないのにさぁ~!」
「「「「きゃはははははははっ♪♪♪」」」」
佐々木を崇拝するかのように、その場にいる女性達の皆が皆、佐々木の事を
褒め称えて、逆に新人やサクヤ達を小馬鹿にする。
そんな女性達の応援や声援の横で、
「ちぃっ!また出たよ、あいつの横着アピールがさっ!」
「ホント佐々木の野郎め!何から何まで鼻につくよな!」
「それに見てみろよ、あいつの顔!ありゃ~絶対相手の攻撃を軽く
ヒョイといなして交わした後、したり顔をする気満々だぜ、きっと!」
「くそ!俺がいるってのに、彼女があいつにウットリしていがやるっ!」
「だぁぁあもうっ!何かしらの奇跡が起こって、佐々木の野郎が無惨を
晒してくれねぇかなぁあっ!!」
「もしもそんな奇跡を起こしてくれるんだったら、俺、あの新人冒険者の
ファンに絶対なっちゃうんだけどなぁ~!」
「うっしゃ!なら男性諸君、その奇跡を信じてあの新人冒険者をトコトン
応援しちゃおうぜぇえいっ!!」
「応よっ!頑張れぇぇぇえ、しんじぃぃぃいんっ!」
「奇跡を起こして、そいつをぶっ飛ばせぇぇぇえっ!」
「そいつそのすまし顔を消してくれやぁぁぁあっ!」
「土手っ腹だ!土手っ腹を思いっきり蹴り叩けぇぇええっ!」
ひとつとなった男性達が、サクヤに熱い応援の激をそれぞれ飛ばす。
「くくく...おい。見てみなよ、坊主。観客席の連中......いや、男性だけ
だが、お前の事をあんなにも応援してくれているぜ?こいつはもう生半可な
戦いが出来なくなっちまったなぁ♪」
佐々木がニヤニヤした顔で、俺を挑発してくる。
「ハァ...勘弁してくれよ......」
正直嫌いなんだよ、こういう流れ。
だってよ、もしここで佐々木に負けて無様を晒してみろ。
この応援が打って代わったように、露骨なまでに嘆息&蔑みを含んだ視線と
表情のオンパレードに変わって俺を迎えるんだぜ。
そして女どもは女どもで「ほぉ~ら、やっぱり駄目駄目じゃん~ぷぷっ♪」と
いう声と共に、イケメンに逆らうなよのクスクス失笑攻撃&呆れ怒号攻撃の
オンパレードをポイポイ投げてきやがる。
特に俺の様な陰キャラには、そのオンパレードが数倍に膨れ上がるから
マジで太刀が悪い。
「こいつらのブーイングってホント容赦ないから、今の俺でもメンタルが
相当やられちゃうんだよな......」
なので、なるべく......いいや、絶対にそんなもん食らいたくないっ!
「......ハァ」
適当な感じで戦った後「負けたぜ、ちくしょい!」をやる予定だったのに。
俺がこの流れにげんなりし、深い嘆息を吐いていると、
「おいおい、坊主。いつまでそこで突っ立っているつもりなんだ?この
ポーズって意外にキツイんだからよ、さっさと攻撃してくれや~~~!」
佐々木がイラッとくる表情をしながら攻撃してこいよと、広げた両手で
手招きをちょんちょんしてくる。
「うるせぇぇえいっ!んなもん、お前が勝手にやったポーズだろうがいっ!
キツイんだったら、今すぐ止めろやぁぁぁあっ!こちとら、てめえのせいで
出来上がったこの流れをどうすっか、その思考中なん――――――」
佐々木の煽るような挑発姿に、俺は思わずそう叫声を荒らげてしまいそうに
なったその時、
「お兄ちゃ~ん、頑張れ~~♪ファイトだよぉお~~~♪」
観客席から成美の可愛い応援エールが、俺の両耳に入ってきた。
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