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外伝その1・成美編
045・まるで別人じゃん!?
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「―――は、はぃぃいぃぃい!!?」
なな、な、な、何この展開っ!?
こ、これって、ハグ......じゃないわよね?
だ、だって、お、思いっきり抱き締められちゃってるもん!?
ど、どういう事!?
確かに、お兄ちゃんの病みに病みまくった心を柔軟に解きほぐしたと
いう自負はあるよ。
け、けどさ!
ここまでの妹大好きオーラを放つまでには、ほぐしていないんですけど!?
......お兄ちゃんに何があったのかは知らない。
けど、こ、この熱い包容を見るに、わたしの魅力に落城したって事で
いいんだよ......ね!?
わ、わたしにメロメロって事でいいんだよね!?
よ、よし!ならさ、この流れに乗って、チュ、チュ、チューしちゃっても、
べ、別におかしくない...よねぇっ!?
......ゴク。
今ならさりげない感じで、お兄ちゃんとキスできる!
わたしはそう判断すると、
「お、お兄ちゃん......んん」
自分の口をお兄ちゃんの口元へ、ゆっくりと近づけていく。
「あとちょっと、あと、もうちょっとでお兄ちゃんの唇と......」
お兄ちゃんとチューが出来る距離の寸前まで近づいたその時、
「懐かしい、懐かしい妹の匂いじゃあ...成美の香りじゃぁぁあいっ!」
「―――――――なうっ!!?」
お兄ちゃんがわたしの身体に顔をガバッと埋め、そして匂いを凄い
勢いでクンクンと嗅ぎ始めた。
はう!?はうう!?はううぅうぅぅうっ!?!?
ち、ちょ、ちょ!?な、なに!?え?ええぇえっ!?!?
「ち、ちち、ちょっと、おお、お、お兄ちゃん!?」
だ、駄目ぇぇぇえ~~っ!
わわ、わ、わたし、まだお風呂に入ってないから~~!?
だから、そ、そんなクンクン匂いを嗅がないでぇぇぇぇえ~~~っ!?
ー――うひゃっ!!?
そ、そこは本当に駄目、か、嗅いじゃ駄目ぇぇえぇぇええ~~っ!!?
えええぃぃいっ!いい加減――――
「―――匂いを嗅ぐなぁぁぁあ、この変態兄貴ぃぃぃぃいいっ!!」
「ー――――ボゲッ!!?」
お兄ちゃんへのチューの達成よりも羞恥心の方が勝ったわたしは、顔を
真っ赤にしながら、やめろと言わんばかりの怒りの込もったゲンコツを
お兄ちゃんの頭上へと思いっきり叩き落とした。
「もう!ど、どうしたのよ、お兄ちゃん!?さっきまであんなに落ち込んで
いたっていうのに、なんかとっても元気が....引くくらい良いんだけど...??」
わたしはご立腹の表情で、お兄ちゃんに何上こんな事をしたと注意するが、
しかしその瞬間、
わたしの脳裏にある直感が迸る!
「......はっ!?も、もも、もしかしてさ、お兄ちゃん!?あのクソ浮気女の
事をやっと吹っ切ることが出来たのっ!?」
わたしのこの問いに、お兄ちゃんが苦笑した表情でコクリと頭を小さく下げる。
おおおぉぉぉっ!!
お、お兄ちゃんの表情が憑き物の取れた様な表情にっ!!?
どうやらわたしの直感が当たったようだ。
でもどうして?
だって家を出るまで、まだあのクソ浮気女に未練たっぷりだったよね?
それなのに、帰ってきた今のお兄ちゃんからはあいつへの未練っぽいのを
全く感じない。
さっきの過剰過激なハグといい、
ホント、家を出た後のお兄ちゃんに何があったのさっ!?
わたしがお兄ちゃんのあまりにも信じられない激変ぶりに、ハテナ顔で首を
傾げていると、
「それよりも、ほれ、ご希望のプリン買ってたぞ~♪」
お兄ちゃんが手に持っていたレジ袋の中からプリンを取り出し、わたしに
向かってポイッと投げて手渡した。
「おほう!これ買えたんだ!超入手困難のプリンなのに、やったぁっ♪」
プリン♪プリン♪プリン♪
お兄ちゃんの買ってきたプリンに、わたしは先程までの悩みなど忘れるかの
ように、瞳をキラキラと輝かせながら天高くプリンを抱え、小躍りして
喜びを表す。
すると、そんなわたし達の騒ぎに気づいたお母さんが台所から顔をひょこっと
覗き出して、
「あら、騒がしいと思ったら朔夜が帰ってきてたのね?丁度良かったわ。
いま晩御飯の準備が終わったから、手を洗ってさっさとお食べなさいな!」
と言ってきたので、わたしはお兄ちゃんの買ってきたプリンを食後の
デザートにと冷蔵庫の中に大事に仕舞うと、お母さんの用意していた
晩ご飯を食べにお兄ちゃんと一緒に移動する。
なな、な、な、何この展開っ!?
こ、これって、ハグ......じゃないわよね?
だ、だって、お、思いっきり抱き締められちゃってるもん!?
ど、どういう事!?
確かに、お兄ちゃんの病みに病みまくった心を柔軟に解きほぐしたと
いう自負はあるよ。
け、けどさ!
ここまでの妹大好きオーラを放つまでには、ほぐしていないんですけど!?
......お兄ちゃんに何があったのかは知らない。
けど、こ、この熱い包容を見るに、わたしの魅力に落城したって事で
いいんだよ......ね!?
わ、わたしにメロメロって事でいいんだよね!?
よ、よし!ならさ、この流れに乗って、チュ、チュ、チューしちゃっても、
べ、別におかしくない...よねぇっ!?
......ゴク。
今ならさりげない感じで、お兄ちゃんとキスできる!
わたしはそう判断すると、
「お、お兄ちゃん......んん」
自分の口をお兄ちゃんの口元へ、ゆっくりと近づけていく。
「あとちょっと、あと、もうちょっとでお兄ちゃんの唇と......」
お兄ちゃんとチューが出来る距離の寸前まで近づいたその時、
「懐かしい、懐かしい妹の匂いじゃあ...成美の香りじゃぁぁあいっ!」
「―――――――なうっ!!?」
お兄ちゃんがわたしの身体に顔をガバッと埋め、そして匂いを凄い
勢いでクンクンと嗅ぎ始めた。
はう!?はうう!?はううぅうぅぅうっ!?!?
ち、ちょ、ちょ!?な、なに!?え?ええぇえっ!?!?
「ち、ちち、ちょっと、おお、お、お兄ちゃん!?」
だ、駄目ぇぇぇえ~~っ!
わわ、わ、わたし、まだお風呂に入ってないから~~!?
だから、そ、そんなクンクン匂いを嗅がないでぇぇぇぇえ~~~っ!?
ー――うひゃっ!!?
そ、そこは本当に駄目、か、嗅いじゃ駄目ぇぇえぇぇええ~~っ!!?
えええぃぃいっ!いい加減――――
「―――匂いを嗅ぐなぁぁぁあ、この変態兄貴ぃぃぃぃいいっ!!」
「ー――――ボゲッ!!?」
お兄ちゃんへのチューの達成よりも羞恥心の方が勝ったわたしは、顔を
真っ赤にしながら、やめろと言わんばかりの怒りの込もったゲンコツを
お兄ちゃんの頭上へと思いっきり叩き落とした。
「もう!ど、どうしたのよ、お兄ちゃん!?さっきまであんなに落ち込んで
いたっていうのに、なんかとっても元気が....引くくらい良いんだけど...??」
わたしはご立腹の表情で、お兄ちゃんに何上こんな事をしたと注意するが、
しかしその瞬間、
わたしの脳裏にある直感が迸る!
「......はっ!?も、もも、もしかしてさ、お兄ちゃん!?あのクソ浮気女の
事をやっと吹っ切ることが出来たのっ!?」
わたしのこの問いに、お兄ちゃんが苦笑した表情でコクリと頭を小さく下げる。
おおおぉぉぉっ!!
お、お兄ちゃんの表情が憑き物の取れた様な表情にっ!!?
どうやらわたしの直感が当たったようだ。
でもどうして?
だって家を出るまで、まだあのクソ浮気女に未練たっぷりだったよね?
それなのに、帰ってきた今のお兄ちゃんからはあいつへの未練っぽいのを
全く感じない。
さっきの過剰過激なハグといい、
ホント、家を出た後のお兄ちゃんに何があったのさっ!?
わたしがお兄ちゃんのあまりにも信じられない激変ぶりに、ハテナ顔で首を
傾げていると、
「それよりも、ほれ、ご希望のプリン買ってたぞ~♪」
お兄ちゃんが手に持っていたレジ袋の中からプリンを取り出し、わたしに
向かってポイッと投げて手渡した。
「おほう!これ買えたんだ!超入手困難のプリンなのに、やったぁっ♪」
プリン♪プリン♪プリン♪
お兄ちゃんの買ってきたプリンに、わたしは先程までの悩みなど忘れるかの
ように、瞳をキラキラと輝かせながら天高くプリンを抱え、小躍りして
喜びを表す。
すると、そんなわたし達の騒ぎに気づいたお母さんが台所から顔をひょこっと
覗き出して、
「あら、騒がしいと思ったら朔夜が帰ってきてたのね?丁度良かったわ。
いま晩御飯の準備が終わったから、手を洗ってさっさとお食べなさいな!」
と言ってきたので、わたしはお兄ちゃんの買ってきたプリンを食後の
デザートにと冷蔵庫の中に大事に仕舞うと、お母さんの用意していた
晩ご飯を食べにお兄ちゃんと一緒に移動する。
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