上 下
72 / 119
五章 おっさんとテンプレ

第七十二話・レアアイテム

しおりを挟む
「ハァ...なぁお前、因果応報って言葉を知っているか?」

「んなもん、知るかぁぁぁあ!くたばれ、クソジジイがぁぁぁぁああっ!!」

俺の忠告に聞く耳持たぬモヒカン頭の青年は、否定と同時に大きく宙にジャンプ
すると、俺を斬る為、両手に握った剣を大きく上に振りかぶる。

「やれやれ......そんな体勢で攻撃してくるなんて、それって反撃してくれと
言ってるみたいなものだ......ぞっとっ!」

「な!?は、速―――グルバァアアヴャッ!!」

俺は怒髪を発動させ、剣を大きく振りかぶる事によって出来たモヒカン頭の
青年の丸見えの土手っ腹へ目掛け、カウンターパンチを撃ち出して叩き込む。

「これでおしまいだ!オリャァァアッ!!」

「ノベロガァァァアア――――――――ッ!!!」

そして間を入れず、カウンターパンチを食らった事で前屈みになっている
モヒカン頭の青年を、下から上へと思いっきり蹴り上げてぶっ飛ばすと、
その顔が苦痛にまみれた物凄い形相へと変わっていき、声にならない
叫声を荒らげながら、既に気絶して地面に転がっている他の仲間達の上に
大きな音をドスンッと立てて崩れ落ちる。

......パン、パン。

「ふう...これでよしっと!」

俺は気絶して地面に倒れ込んでいる青年三人組を、持っていたロープで
グルグル巻きにして縛りあげる。

「で、どうする、レンヤ?コイツらを引き渡す為、もう一度ギルドに戻る?」

「う~ん、そうだな...」

正直、面倒くさいからこのまま放置したい所だけど、そうしたら後から
コイツらに報復されそうだしなぁ。

そうなってくると、もっと面倒くさいだろうし......

「.....ハァ、しょうがない。こいつらを引き渡しにギルドへ戻るか」

俺はもう何度目になるか分からない嘆息を吐き、頭をポリポリと掻き
ながらそう決断すると、ロープで縛りあげている青年三人組ズルズルと
引きずりながら、来た道を引き返していく。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「......ホント、あいつらの余計なちょっかいのせいで、要らぬ体力と時間を
奪われちまったぜ、ったくよ!」

「そんなにぼやかない、ぼやかない。ギルドに戻ったおかげであの三人組に
かけられてた懸賞金が貰う事ができたんだし、ここは結果オーライって
考えておこうよ♪」

「まぁ確かに、想定外の収入だったけどさ...」

どうやらあの三馬鹿トリオは強盗の常習犯だったらしくて、

ルコールの言うように、ギルドから懸賞金がかけられていたのだ。

「それにあいつらからさ、結構レア物のアイテムをドロップしたんでしょ?」

「ああ、そうだった。お前の言う通り、あいつらから【こいつ】をゲット
したんだっけ?」

ルコールの述べるレアアイテムを、俺はアイテムボックスから取り出して
手に取ると、目の前に翳し、観察する様にジィィーッと見つめる。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

調子に乗ってざまあされたゲス勇者、娘たちに逆襲されるの巻

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:28

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:756

【2章完結】女神にまで「無能」と言われた俺が、異世界で起こす復讐劇

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:1,109

例えばサバゲーガチ勢が異世界召喚に巻き込まれたとして

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:2,785

処理中です...