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三
赤城と華厳 ── 語られる真実
しおりを挟む音楽(失われた欠片 クロノクロスより)。
華厳が舞台中央中段に登場。
神体が抜けてただの人間となった赤城(※要着替え)が下手中段の床に寝る。
華厳が近づいて看病する。
赤城 「ここは?俺は…。頭が…。」
頭や体が痛む赤城。まだぼんやりしている。
華厳 「気がついたか。」
赤城 「うう、貴方は…。」
華厳 「二荒の、湖の神だ。」
赤城 「二荒の湖…。俺は…一体…。」
華厳 「お前はわが父、男体山の神との戦いに敗れ、二荒の湖に沈められたのだ。」
赤城 「男体山の神…。二荒の湖…。」
華厳 「夢うつつとはいい気なものだ。お前のおかげでわが父は…。」
赤城 「…男体山の神は?」
華厳 「お前の毒にやられて起き上がることも、食事をとることもできない。」
赤城 「俺は…。(沈黙)」
華厳 「何を黙っている!」
赤城 「…。」
華厳 「何をたくらんでいるのか知らぬが、お前はただの人間だ。神である我らには敵わぬぞ。」
赤城 「神の力…。すまない…。」
華厳 「ふざけるな!父を傷つけた前を、私がどんな気持ちで助けたか…。お前は言ったそうだな、男体山の神を助けられるのは自分だけだと。ならば父を助けろ!」
赤城 「…貴方が助けてくれたのか…。」
思案する赤城。華厳がものすごい形相で赤城を睨んでいる。赤城は大きくため息をつく。
赤城 「…分かった。そう睨むな。男体山の神を助けよう。…うっ。」
立ち上がろうとするが、立てない赤城。華厳が支える。
華厳 「つかまれ。…父のためだ。」
赤城、華厳下手に退場。上手中段で男体が少し横になれるような椅子に伏せっている。女峰が看病をしている。
女峰 「あなた、村の人たちが貴方の恵みを受けて作った粥ですよ。さあ召し上がって。」
男体は食べようとしない。
女峰 「あなた。水ですよ。」
男体は呑み込むが、しばらくすると吐き出してしまう。
女峰 「水も飲まなかったら死んでしまいます…。さあ。」
男体は水を飲む、がやはり吐き出してしまう。
女峰 「あなた…。」
献身的な看病を続ける女峰。舞台中央開帳場より華厳に連れられて赤城が現れる。
華厳 「お母さん。赤城を連れてきたわ。」
女峰は無言で赤城に歩み寄り、平手打ちを見舞う。
女峰 「赤城よ、私は二荒山の女神、女峰。今のであなたのこれまでの行いを許します。だから、男体を助けて…。」
崩れ落ちるようにひれ伏す女峰。
華厳 「やめて!お母さん。さあ、赤城!」
自分の行いに、罪の意識を感じる赤城。男体を診る。
赤城 「よく生きていたものだ…生きているなら、解毒薬を飲めば助かる。」
女峰 「ああ…。」
安堵する華厳と女峰。赤城をにらみつけて治療を促す華厳。
華厳 「なら、早く解毒薬を。」
赤城 「毒は神経性、全身麻痺から心停止に至る。解毒薬を作る。次の物を清めの酒に溶かして飲ませろ。言うぞ、ドクダミ、キンカン、シソ、オミナエシ、ノビル、百足だ。急げ!」
華厳急いで出ていく。
赤城は移動し舞台中央の階段に座ったところで。時が止まる音(SE:効果音 ガラスが割れるような効果音からの神の庭(クロノ・クロスより)10秒程度)と時が止まっている時の照明。
終わると華厳が病室に駆け込んでくる。
華厳 「薬が出来たぞ!」
赤城 「(驚)早い!どういうことだ、取り置きでもあったのか?」
華厳 「うるさい!お前の言ったもので間違いない!」
赤城 「ならすべて飲ませろ。一滴残らずだ。」
華厳 「父が助からなかった時は覚悟しておくんだな。」
女峰 「さあ、あなた。これを飲むと元気になれますよ。」
男体は呑み込むが、しばらくすると吐き出してしまう。
女峰 「ああ、何てこと。」
華厳 「赤城!」
赤城 「駄目だ。飲ませなければ死ぬ!」
再度、男体に薬を飲ませる女峰。しかし、男体は吐こうとする。
女峰 「あなた。頑張って!」
華厳 「お父さん!」
苦しむ男体。
赤城 「男体山の神よ!お前が倒れたら誰が二荒を守る!(華厳を抱き寄せる)」
華厳 「やめろ!」
目を見開いて赤城を凝視する男体山の神。フグのように膨らんだかと思うと薬を飲み込み白目をむいて気を失う。
女峰 「あなた!」
華厳 「お父さん!」
駆け寄る、赤城。男体を診る。
赤城 「もう大丈夫だ。」
手を取り合う女峰と華厳。男体に寄りそう。
暗転。音楽(クロノクロスよりアルニ村)。
男体・女峰・華厳退場。
赤城は舞台中央下手寄りの階段に移動。
小鳥の声が聞こえてくる。
二荒山神社の湖畔の縁側から二荒の湖を眺めている。そこには、妖魔のような邪悪さはなく、森とともに生きる一人の凛とした気高い神の姿があった。下手中段より歩み寄る華厳の気配に気付いた赤城が華厳に声をかける。
赤城 「どうだ、男体山の神は?」
華厳 「ああ、快方に向かっている。」
赤城 「そうか、よかった。」
華厳 「…なにを見ていた。」
赤城 「森と湖…二荒の神々が美しい訳だ。」
華厳 「赤城山は?」
赤城 「…美しかった…。(目を閉じる)」
華厳 「美しかった?」
赤城 「赤城山には二荒の湖と同じように湖があるんだ…。湖の端に小さな島があって、その島には小鳥達が遊びにやって来る。俺は白樺の林にたたずみながら小鳥たちと話すのが好きだった。そのうち人間たちが俺のために、島に祠を建て祭ってくれた。幸せだった。…ところが、昨年の神無月、何百という落雷で山が燃えた。それは俺が今までに経験したこともないとてつもない数の落雷だ。赤城山すべてが火の海だ。みんな炎に焼かれ死んでいく。俺は赤城山の神。ところがどうだ、俺は神であるのに雨一滴すら降らすこともできない。ただ、ただ、ひたすらに消えゆく命の叫びを聞いた。痛い。苦しい。死にたくない。助けて。お母さん、お父さん。助けて。助けて。みんな、みんな死んでいく!俺は神なのに一つの命も救えない。俺は本当に神なのか?その時、赤い妖魔が俺の前に現れた。妖魔は言う。赤城山の命を助けてやろう、神の命を差し出せば、赤城山の命をすべて助けてやろうと。俺は神の命を差し出した。そして…神でありながら妖魔となった。俺は…間違っていたのだろうか?…後は貴方の知るとおりさ。」
赤城の語りに合わせて赤城山の映像を流す。気付くと華厳が涙を流している。
赤城 「すまない、悲しませるつもりは…。」
華厳 「命を見届け、記憶するのが土地神の役目。」
赤城 「分かってる…だが何とかしたかったんだ。」
残念そうに微笑み、はにかむ赤城。その笑顔に華厳は見とれる。
華厳 「お前は…優しいな。お前は人間みたいだ。」
赤城 「人間…人間か…。さて、薬草を取ってこよう。」
華厳 「まて、私が行く。お前もまだ癒えていないだろう。」
赤城 「もう歩けるさ。」
華厳 「なぜ背負い込む? 」
赤城 「…できないことは、できる神に頼む…そういう道もあるか。」
華厳 「世話の焼ける神様。」
赤城 「もう神様ではないがな。」
微笑みあう。
赤城 「華厳…先生かな。薬草…お願いできますか?」
華厳 「分かりました。」
上手花道の子供たちに照明切り替え。子供達は体育座りしている。
勇気 「あ、明るくなった。」
愛 「どうなってんのこの感じって…。」
龍之介 「やっぱり赤城は良い神様だったんだな。」
勇気 「うん。(嬉しそうに)」
美森 「愛ちゃんが言ってるのは華厳と赤城の関係でしょ。」
愛 「美森ちゃんも気付いた。」
美森 「うん。二人の空気が変わった気がする。」
龍之介 「空気が変わったって?勇気、なんか匂ったか。」
勇気 「(くんくん匂いを嗅ぐ)うーん。(首を傾げる)」
愛 「あのね、匂いじゃなくて雰囲気。華厳と赤城が恋に落ちたってこと。」
龍之介 「え、どうして。」
愛 「鈍い男は男はもてないわよ。」
美森 「強い男の弱さを知った華厳。弱さを見せた赤城。恋の始まりかも!」
龍之介 「え~、どうしてそうなるんだよ?勇気分かる?」
勇気 「分かりませ~ん。」
愛 「ガキね~。」
勇気のポケットのなかで拾った石があやしく点滅する。
美森 「あ!また!見てみんな!」
花道と舞台の照明切り替え。
男体と女峰を前に正座する華厳と土下座する赤城。
男体 「ならん!駄目だ!駄目だ!駄目だ!いったいこの一カ月に何があった。」
女峰 「あなた。抑えて。」
男体 「何がどうなっている?」
華厳 「だから、私、赤城山に、嫁に行きます。」
男体 「はあ?おやおやおや、私の頭も毒にやられてしまったのか?華厳よ、もう一度言ってみなさい。」
華厳 「赤城さんと結婚します。」
男体 「気でも狂ったか!そいつはわしを殺そうとした張本人だぞ! 」
華厳 「分かってます。でも私、赤城と一緒に赤城山を二荒に負けない国にしたい。」
男体 「そいつは外神だ!しかも神どころかただの人ではないか!駄目だ。どっちらにしても駄目だ。駄目だ、絶対に許さん!」
華厳 「口を開けば、駄目だ駄目だって。じゃあどうすれば良いのよ?」
赤城 「華厳!抑えて。やはりまだ時期が。」
華厳 「赤城は黙ってて。」
男体 「む、そうか貴様か!貴様が華厳をたぶらかしおったのだな!」
華厳 「やめてよお父さん。私が決めたの、赤城には私が必要なの。」
男体 「なんという!この世に神はいないのか?」
女峰 「あなたが神ですよ。」
赤城 「申し訳ありません。たび重なる無礼をお許しください。」
男体 「許すか~!」
華厳 「お父さん!」
男体 「ああ駄目だ、目まいが、母さんお薬ちょうだい。」
女峰 「まったくもう。少し落ち着いてお話を聞いたらどうなのですか?」
赤城 「いえ、この度は時期をわきまえぬ申し出でした。出直してまいります。」
華厳 「ちょっと、赤城!なに言ってるの。」
赤城 「華厳、ここは一旦、なっ。」
懇願する赤城。華厳の手を引き引き下がろうとする。しぶしぶ引き下がる華厳。二人は男体の部屋を退散する。
男体 「二度と来るな~!母さん塩だ、塩を持ってこい!」
女峰 「はいはい。」
男体の部屋を後にした赤城と華厳。男体の部屋の照明は落とす。
華厳 「もう、なんで引き下がるの!」
赤城 「いや、やはり人間が神を身受けするには無理がある。ここは一度国へ帰って出直してくる。」
華厳 「国へ帰る?」
赤城 「ああ、今一度神となって出直してくる。」
華厳 「ならば、私も行く。」
赤城 「駄目だ。物事には順序がある。男体山の神は許さないだろう。」
華厳 「お前は今、神通力をなくしているのだぞ。」
赤城 「分かっている。」
華厳 「そんなお前を一人、妖魔が巣食うという赤城山に行かせられるものか。」
赤城 「大丈夫だ。元は赤城山の神。妖魔も手出しはしないだろう。」
心配そうに赤城を見つめる華厳。
赤城 「心配するな。」
華厳 「本当に大丈夫なのか?」
赤城 「ああ。」
見つめ合う。赤城と華厳。
華厳 「なら、この石を持って行け。」
赤城 「これは、首飾りの…。」
華厳 「ああ、この石に念を込めれば一度だけお前以外の時間をしばらくの間止めることができるだろう。」
赤城 「なんだって、時間を止める?」
華厳 「ああ、ただし、一度しか使えないから、どうしようもないときだけ使うんだぞ。」
赤城 「…すまない。」
華厳 「待ってる。二人で赤城の国を二荒に負けない美しい国にする。約束だぞ。」
赤城 「ああ、約束だ。」
下手花道の子供たちに照明切り替え。
美森 「勇気君、見た!」
勇気 「見た!」
美森 「勇気君がさっき拾った石って華厳ちゃんが持ってた石と同じ形だったわ。」
愛 「ほんとに、勇気?見せて。」
勇気 「うん、これ。」
ポケットから謎の石ころを取り出す勇気。
愛 「うん、似てる。華厳のネックレスに。」
龍之介 「ほんとだ!勇気!なんでお前が持ってるんだよ。」
勇気 「さっき拾ったんだ。」
美森 「もしかして、私たちが戦場ヶ原の伝説を見ているのはこの石のせいじゃないのかしら?」
愛 「この石のせい?じゃあこの石にお願いすれば、元の世界に帰れるんじゃない?」
勇気 「よし、じゃあ石さん石さん僕達を元の世…。」
龍之介 「待て!(大声で)」
勇気 「ひゃあ!(腰を抜かす)」
愛 「びっくりした~。どうしたのよ。」
龍之介 「俺、この後、赤城がどうなったのか見てみたい。」
勇気 「え~僕こわいよ~。」
愛 「そうね、私も最後まで見てみたい。美森ちゃんは?」
美森 「少し怖いけど、…私も最後まで見てみたいわ。」
龍之介 「勇気そういうことだから、次、赤城がどうなったか見せてくれ。」
勇気 「え~そんなこと僕に言われても、どうすれば…。あ!石が光った。」
花道から舞台に照明切り替え。
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