捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也

文字の大きさ
3 / 114
序章

第3話 カイル兄様は心を読めるスキル持ちでした

しおりを挟む
 みんなが、出ていったのでカイル兄様が静かに話し始めた。

「アイリス、私は人の心が読めるスキルを持っているんだ。
 だから話してほしいんだけど、転生者ってどういうことなのかな?」

「!!」

 私は、それを聞いて驚いた。
 カイル兄様は、私がもらえなかった心を読むスキルを持っているのか。
 だから、驚いた顔してから頭を撫でてくれたのか。

「そうだよ、じゃあ納得したみたいだし話してくれるかな?」

「あわあわわ あわわ バブバブバフ」

 話そうとしたけど言葉にならなかった。
 そりゃそうだ。転生者で前世の記憶とかがあっても相手の言っていることはわかっても0歳児だから普通に話せるわけがない。

 アリスさんとカイトさんに話して味方にとか思っちゃっていたけど、カイル兄様みたいに心を読むスキルを持ってない限り、私が何を言いたいのかわかるわけがない。

「ああ、赤ちゃんだから当たり前なことだけど、まだ話せないんだね、心の中で思ってくれればいいよ」

(はい、私はこことは違う世界での記憶があり、神様の力でこの世界に転生させてもらいました、
 さっきまで忘れていたのですが、父に叩かれ頭を打ったことで思い出しました)

 私は、カイル兄様に言われたとおりやってみた。

「そうか、アイリスは神様にあって転生させてもらったんだね」

 理解が早くて、助かりますカイル兄様。
「前世では、幸せで天寿を全うできたのかな?
 外に出てもらったみんなにも話してもいいかな?
 みんなアイリスの味方してくれると思うよ。」

(結婚決まっていたのですが、二十二歳で理由があって、死にました。
 外にいるみんなに話すのは問題ないです)

「そうか、私と同じ年齢まで生きた記憶があるんだね」

 話を聞いて悲しそうな顔をしたあとそう言うとカイル兄様は部屋のドアへ向かいドアを開けるとみんなに入るように言った。

 そして、みんなが部屋の中に入るとこれから話すことは他言無用で念のために許可なく人に話さないということ書いた魔法契約書にサインするように言った。

 みんなは、サインして魔法契約書のサインを確認したカイル兄様は話を始めた。

「私が人の心を読むスキルを持っていることは、みんな知っているな」

『はい』

 カイル兄様の問いにみんな返事した。

「それで、アイリスのことなのだが、父に叩かれ頭を打ったことで忘れていたことを思い出したそうだ。自身が転生者だということを」

『!!』

 カイル兄様の話を聞いてみんな驚いた顔した。
 まあそうだよね。私だって誰かから転生者なんだって言われたら驚いて同じような顔をすると思う。

「アイリスは、赤ちゃんだから言葉は話せないが、こちらの言っていることは理解できるし、心の中では流暢に話せる」

 便利だよね。喋れない赤ちゃんとしっかり、意志疎通がとれるなんてさ。

 「アイリス、魔力の量や持っているスキル詳しく話してもらえるかな?
 アイリスが知られたくないことは、みんなには話さないから安心してくれ」

(魔力が∞で、この世界に存在する全ての魔法が使えます。これは話さない方がいいと思っているのですが、更に神様しか使えない創造魔法も使えるみたいです)

 話さない方がよかったかもだけど、後で騒ぎになっても面倒なので話すことにした。


(身体強化スキル、鑑定スキル、隠蔽スキル、索敵スキル、無限収納スキル、付与スキル、従属スキル〔神獣・聖獣・精霊も可〕、言語翻訳スキル、建築スキルなどです)

 まだまだあるがきりがないので伝えるのはこれくらいにした。

 カイル兄様は、今までになく大変驚いた顔をされた。
 そして、みんなに私が伝えたことを話し始めた。

 カイル兄様の話を聞いたみんなはカイル兄様と同じ顔をした。

「銀髪で紫と深紅のオッドアイだから魔力が多かったり、稀少なスキル持っているかもとは思っていたけど予想以上だな」

 私の容姿についてボソッと呟いたが私は今まで鏡で自分の顔を見たことないからどんな感じかわからないけどカイル兄様が呟いた容姿をしているなら私は神様と同じ髪と眼の色をしているんだなと思った。

「そうだよ、王族と公爵家では、アイリスみたいに伝承の神様と同じ髪色で眼の色のオッドアイだったり、どちらか一方だったり色は違うけどオッドアイを持った子供が生まれてくることがある」

 公爵家は、王族の血縁者だから王族は、特殊な血筋ってことな?

「そういう子は、膨大な魔力持ちだったり稀少なスキル持ちだったりするんだけど、そのような容姿で生まれた子供はのちに名君だったり歴史に名を残したりしているんだよ」

 おお、カイル兄様もオッドアイだし歴史に名を残しちゃうのかな。ステキって思った。

「いやいや、確かに私もオッドアイで稀少なスキル持ちだけどアイリスと比べたら霞んでしまうよ」

 そんなことはないでしょう。カイル兄様も十分凄い。

 「まあ、私だけじゃなく、名君と言われている王や歴史に名を残してきた者たちすらアイリスと比べたら霞んじゃうね」

 マジ !!私、そんなにチートなの……

 そしてみんなで話し合った結果。

 扱いは今と変わらず酷いだろうが、カイル兄様以外の家族や他の人に知られて利用されないために魔力量を低く、スキルもありきたりな身体強化スキルだけ残して隠蔽スキルで隠蔽した。
しおりを挟む
感想 152

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔法物語 - 倒したモンスターの魔法を習得する加護がチートすぎる件について -

花京院 光
ファンタジー
全ての生命が生まれながらにして持つ魔力。 魔力によって作られる魔法は、日常生活を潤し、モンスターの魔の手から地域を守る。 十五歳の誕生日を迎え、魔術師になる夢を叶えるために、俺は魔法都市を目指して旅に出た。 俺は旅の途中で、「討伐したモンスターの魔法を習得する」という反則的な加護を手に入れた……。 モンスターが巣食う剣と魔法の世界で、チート級の能力に慢心しない主人公が、努力を重ねて魔術師を目指す物語です。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

処理中です...