捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也

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本編

第32話 区画整備の予定

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 収穫祭が終わったあとにカイル兄様と私、ハルク町長、各代表者、各種族の代表者が集まって、区画整備の予定について話し合った。

「住民も増え始めてきているし、行商も来るようになってきているので、春になったら区画整備をした いと思っている」

「半年も時間があれば、住民たちが混乱することもないでしょうから大丈夫でしょう」

「まあ全て、アイリスが魔法でやってしまうらしいから通常なら最短でも数年かかる大規模なものなのだが、数日で終わってしまうだろうがな……」

「そうですね。一つや二つの村を整備するのではなく、七つの村を一気に整備して、ちゃんとした町にするのですから通常なら何年かかるか見当もつきませんね」

「それなりの広さがありましね……」

「魔法に秀でている我ら、エルフ族もアイリス様には、どう足掻いても敵いません」

「魔族も同じだな。と言うか戦闘は見たことないが、前魔王である我より強いだろうな。
 人族を攻め滅ぼすとか言っている過激派連中は、侵攻してきたらアイリス一人に手も足も出ず死が待っているだけだしな。愚かなことだ」

 ええ!!区画整備の話し合いをしているんだよね?
 私の規格外っぷりを話し合っているんじゃないよね……

 エルフ族の女王も魔族のトップであった前魔王も話しに乗っかるのやめてよね。

「他種族の者たちが来たときには、七つある村の土地を種族ごとに分けての区画整備も考えたが、最初は、種族による文化の違いなどから戸惑いやトラブルもあった様だが、今はうまくやっていると聞くが、当初の計画通りで構わぬだろうか?」

『かまいません』

「他種族との交流でそれぞれ得るものがありますから、種族ごとに分けてしまうと一つの町なのに交流がなくなってしまう可能性もありますからな」

「そうですな。特に職人肌である我々ドワーフ族は、自分たちの技術が一番という考えがありますからな。交流しなくなるでしょうな。」

「エルフ族も交流しなくなるでしょうね。
 元々、自尊心が強く、閉鎖的な種族ですからね」

「魔族も似たようなものだな」

「「「まあ、アイリス(様)に会ったら自分たちの種族が最も優れているなどという考えはなくなるけどな(ね)」

 また、私の話しに戻そうとするのやめていただきたい。

「もう、みんな私の話をするのやめてよ。私は、みんなが快適に暮らせるようにしているだけで、規格外なんかじゃないんだからさ」

『それはない』

 全員から否定された。
 他よりスキルや使える魔法が多く、魔力が高いだけだもん。
 規格外なんかじゃないもん。

「では、当初の計画通りの区画整備を春に行う」

 これで区画整備の会議は終わった。

「アイリスばかりに負担をかけてしまい済まないな」

「いいえ。住民のためですし、私は特に疲れないので、大丈夫ですよ。カイル兄様」



 話は変わるが、なぜ魔族やエルフ族やドワーフ族がファーミユの住民になったかというと、前魔王は人族と友好関係を築きたかった。

 しかし、過激派がそれを許さなかったので、前魔王は、私の存在を認識していたので、過激派が人族の地を侵攻したとしても問題ないと判断した。

 そして魔王の立場を捨て、賛同する多くの魔族を連れてファミーユに来た。

 エルフ族は、エルフの里が住める土地では、なくなってしまったから、ドワーフ族や獣人族は、ファミーユや私の話を聞きつけてやってきた。
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