捨てられた転生幼女は無自重無双する

紅 蓮也

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本編

第59話 看板幼女誕生

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 今日は、住居区画にある食堂マンジェのオープンの日だ。

 因みにレストランの方は、来週オープン予定。

 オープン初日という事で、オーナーである私も店に出ることにした。

 午前十時にオープンしたが、数時間くらいは昼食を食べに来る住民がちらほら来ていた。

「お待たせしました。ハンバーグ定食です」

「本当にアイリス様も働いているんですね」

「はい。今日だけになってしまうかもですが、オープン初日なので店に出ています」

 私は、お客さんと軽く会話をしたりしながら、注文を取ったり、出来上がった料理をカウンターやテーブルに運んだりしていた。

「ちょこちょこと歩く姿に癒されるな……」

「ガルシアさん、何か言いましたか?」

「!!……いいや何でもないよ……なんにも言ってない」

「そうですか。ご用際は、気軽に声かけてくださいね」

「おお」

 聞き取れなかったので聞いてみたのだが、ガルシアさんは慌てた様子で、何でもないと返してきた。

 まあ、いっか。

「注文いいかい」

「はい。今伺いますので、少々お待ちください」

 注文を聞きにテーブルに向かった。

「お待たせした。ご注文は何にいたしましょうか」

「えっと……ビールを二つと牛皿、白菜の浅漬け……あとおまかせ串焼き十本を頼む」

「はい。わかりました」

 注文を聞いて、厨房にオーダーを伝えて、ビールサーバーでジョッキにビールを注ぎ、直ぐに出せる浅漬け、牛皿と一緒に台車でテーブルまで運んだ。

「お待たせしました。ビール二つと牛皿と浅漬けになります」

「おお、ありがとうございます。アイリス様」

「串焼きは只今、焼いてますのでもうしばらくお待ちください」

「牛皿と浅漬けをつまみながら、ビール飲んで待ってますよ」

 テーブルから離れ台車を押していると……

「うまぁ~!!なんだこれ!!」

「エールと全く違うすっね。冷えているのがまたいいすぅ」

 そんな声が先ほどの方からそんな声が聞こえてきた。

 そうだよね。エールビールは、基本的に常温だもんね。

 ラガービールは、冷やして飲むから喉越しが堪らないんだよね。

 そんな暢気なことを考えながら、気楽な気持ちで働けていたのが懐かしくなるくらいに昼過ぎから急に混みだし、行列までできるくらいだった。

「オープン初日……お疲れ様でした……」

「アイリス様。お疲れ様でした。クチコミで広がり、アイリス様のお陰で、初日は大成功でした」

「そうだね。数時間は、店内そんなにお客さん居なかったのに急に混み出したよね。
 夕方過ぎからは、マジでやばかった。
 捌いても捌いても、終わりが全く見えなかったよ」

「料理や新しく作られたビールの美味しさもあったでしょうが、アイリス様効果が凄かったですね」

「私の効果って何?」

「ホールにアイリス様が出てくれたので、アイリス様見たさに来たお客さんが多かったです。
 よかったら、これからもたまに来ていただけるとありがたいです」

「うん。よくわからないけど……また店に出ればいいんだね。
 基本、マリアンナさんに店のことは任せるつもりだから、店に出るのは初日だけのつもりだったけど、頼まれたら、たまにだけど手伝うよ」

「ありがとうございます」

 こうしてマリアンナさんや従業員さんたちは、私のお陰だとよく分からないことを言っていたが、オープン初日は予想以上の客入りで大成功だった。

 同じように一週間後にオープンするレストランも初日に手伝いに行くことになっているアイリスだが、今日以上の忙しさになることをまだ知らない。
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