65 / 79
第陸拾伍話 ヴァスカトール公爵家からの依頼
しおりを挟む
王城からクランハウスに戻るとお父様とお母様がクランハウスにいた。
「お父様、お母様、どうされたのですか。」
「アオイちゃんがどんなとこで暮らしているのか見てみたいというのもあるけどね。ギルドに護衛依頼の申請をしてきたから指名依頼の打ち合わせをしに来たのよ。それにしても立派な屋敷ね。」
「そうだな。これは、伯爵家の屋敷と言われても通用するな。」
「!!」
レオン兄さんが前に公爵家から依頼があったりするかもと言っていたからそれは驚かなかったけど、この屋敷が伯爵家の屋敷としても通用するくらい立派な屋敷なんだね。伯爵といえば上級貴族だ。それを公爵家の当主であるお父様から言われ、驚いてしまった。
レオン兄さんもわかっていただろうけど、あえて何も言わずに黙っていたのかな。
「それで、依頼って何ですか?」
「私たちも、そろそろ領地に帰ろうと思ってな。当主として、ノリスとカールに領地の仕事を任せっきりにも出来ないからな。ヴァスカトール領までの護衛の依頼を頼みに来たんだ。」
「ゲートは、使われないのですか。」
「ああ、貴族の役目として王都から領地までの街にお金を落とさないわけにはいかないからな。ゲートを使えば多額のお金を使い、安全ですぐにヴァスカトール領に帰れるが、ゲートだけで移動すると王国内の町や村が廃れてしまうからな。」
「確かにそうですね。」
「それに冒険者としてのアオイちゃんも見てみたいし、アオイちゃんを連れていけば領地にいるノリスやカールたちも喜ぶからね。」
私が行くのは確定なんですね。Eランクでは、王都の近くの森での依頼までしか出来ないから特例でAランクに昇格できたし、初めて王都内から出ての依頼なので、楽しみではあるけどね。
「ヒューイットさん、護衛のメンバーは、どうするんですか?」
「俺、レオン、ミオ、アオイ、アナ、アイラの六人だな。アナとアイラはEランクだがギルドと公爵様からも許可を貰えたので、いい経験になるだろうから連れていくことにした。」
Aランクだけど私もEランクの経験しかないからな。Sランク三人にAランク(Eランクの経験しかない)一人、Eランク二人での依頼受注か。
依頼主のお父様が許可をし、ギルドが許可出したのだから大丈夫なのだろう。
同じくらいのランク同士のパーティーでは、あり得ないだろうからこれもS、Aランクの高ランク冒険者の多いクランに加入したメリットなのかな。
まあ、ギルドと依頼主さんが許可しないとダメだろうけどさ。
「「アオイ(ちゃん)、頑張ろうね。」」
おお、アイラもアナもヤル気満々だね。普通はEランクでは受けれないからね
。
でも肩に力入りすぎじゃないかな……緊張しているのかもだけど……
「アナ、アイラ、頑張るのはいいが、そんなに力んでいては、ケガしたり、最悪、命を落とすことになるし、ミスにつながるから肩の力を抜け。
今からそれでは、依頼のときに疲労で何も出来なくなってしまうぞ。」
そうだよね。緊張感は大切だけど、緊張のしすぎは、失敗につながっちゃうもんね。
それに護衛依頼は、自分だけでなく依頼主さんも危険な目にあわせ、最悪の事態にもなりかねないからね。
「お父様、お母様。護衛頑張ります。無事にヴァスカトール領にお送りします。」
「ああ。だが無理はダメだぞ。冒険者だからといっても命は大切にしなければならない。万が一の場合は、レオンを盾にしなさい。レオンなら対処できるだろうからな。」
「それがいいわね。アオイちゃんそうしなさい。」
お父様、お母様……自身の実の息子を盾にしろとは……それはあんまりなのでは……レオン兄さんはSSランクだから強いだろうから対処できるだろうけど、
レオン兄さんがなんかかわいそう……
「まかせろ。何があろうとアオイは、俺が護る。」
いいや。レオン兄さん。護衛対象は、わたしではなく、お父様とお母様ですよ。
「お父様、お母様、どうされたのですか。」
「アオイちゃんがどんなとこで暮らしているのか見てみたいというのもあるけどね。ギルドに護衛依頼の申請をしてきたから指名依頼の打ち合わせをしに来たのよ。それにしても立派な屋敷ね。」
「そうだな。これは、伯爵家の屋敷と言われても通用するな。」
「!!」
レオン兄さんが前に公爵家から依頼があったりするかもと言っていたからそれは驚かなかったけど、この屋敷が伯爵家の屋敷としても通用するくらい立派な屋敷なんだね。伯爵といえば上級貴族だ。それを公爵家の当主であるお父様から言われ、驚いてしまった。
レオン兄さんもわかっていただろうけど、あえて何も言わずに黙っていたのかな。
「それで、依頼って何ですか?」
「私たちも、そろそろ領地に帰ろうと思ってな。当主として、ノリスとカールに領地の仕事を任せっきりにも出来ないからな。ヴァスカトール領までの護衛の依頼を頼みに来たんだ。」
「ゲートは、使われないのですか。」
「ああ、貴族の役目として王都から領地までの街にお金を落とさないわけにはいかないからな。ゲートを使えば多額のお金を使い、安全ですぐにヴァスカトール領に帰れるが、ゲートだけで移動すると王国内の町や村が廃れてしまうからな。」
「確かにそうですね。」
「それに冒険者としてのアオイちゃんも見てみたいし、アオイちゃんを連れていけば領地にいるノリスやカールたちも喜ぶからね。」
私が行くのは確定なんですね。Eランクでは、王都の近くの森での依頼までしか出来ないから特例でAランクに昇格できたし、初めて王都内から出ての依頼なので、楽しみではあるけどね。
「ヒューイットさん、護衛のメンバーは、どうするんですか?」
「俺、レオン、ミオ、アオイ、アナ、アイラの六人だな。アナとアイラはEランクだがギルドと公爵様からも許可を貰えたので、いい経験になるだろうから連れていくことにした。」
Aランクだけど私もEランクの経験しかないからな。Sランク三人にAランク(Eランクの経験しかない)一人、Eランク二人での依頼受注か。
依頼主のお父様が許可をし、ギルドが許可出したのだから大丈夫なのだろう。
同じくらいのランク同士のパーティーでは、あり得ないだろうからこれもS、Aランクの高ランク冒険者の多いクランに加入したメリットなのかな。
まあ、ギルドと依頼主さんが許可しないとダメだろうけどさ。
「「アオイ(ちゃん)、頑張ろうね。」」
おお、アイラもアナもヤル気満々だね。普通はEランクでは受けれないからね
。
でも肩に力入りすぎじゃないかな……緊張しているのかもだけど……
「アナ、アイラ、頑張るのはいいが、そんなに力んでいては、ケガしたり、最悪、命を落とすことになるし、ミスにつながるから肩の力を抜け。
今からそれでは、依頼のときに疲労で何も出来なくなってしまうぞ。」
そうだよね。緊張感は大切だけど、緊張のしすぎは、失敗につながっちゃうもんね。
それに護衛依頼は、自分だけでなく依頼主さんも危険な目にあわせ、最悪の事態にもなりかねないからね。
「お父様、お母様。護衛頑張ります。無事にヴァスカトール領にお送りします。」
「ああ。だが無理はダメだぞ。冒険者だからといっても命は大切にしなければならない。万が一の場合は、レオンを盾にしなさい。レオンなら対処できるだろうからな。」
「それがいいわね。アオイちゃんそうしなさい。」
お父様、お母様……自身の実の息子を盾にしろとは……それはあんまりなのでは……レオン兄さんはSSランクだから強いだろうから対処できるだろうけど、
レオン兄さんがなんかかわいそう……
「まかせろ。何があろうとアオイは、俺が護る。」
いいや。レオン兄さん。護衛対象は、わたしではなく、お父様とお母様ですよ。
18
あなたにおすすめの小説
コンバット
サクラ近衛将監
ファンタジー
藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜
ソニエッタ
ファンタジー
森のはずれで花屋を営むオルガ。
草花を咲かせる不思議な力《エルバの手》を使い、今日ものんびり畑をたがやす。
そんな彼女のもとに、ある日突然やってきた帝国騎士団。
「皇子が呪いにかけられた。魔法が効かない」
は? それ、なんでウチに言いに来る?
天然で楽天的、敬語が使えない花屋の娘が、“咲かせる力”で事件を解決していく
―異世界・草花ファンタジー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる