もし学園のアイドルが俺のメイドになったら

みずがめ

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本編

3話目

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 なんだかんだで四月がやってきた。もうすぐ新学期である。
 藤咲の教科書や制服、その他もろもろの私物も何とか整理できた。おかげで彼女に与えた部屋は普通の女の子の部屋となった。
 けれども感謝はされない。口では「ありがとうございます」とは言うものの、何と言うか心がこもってないよね。

 話は変わって藤咲は処女である。そりゃあお父さんのものしか見たことないんだから当然っちゃ当然か。
 学園のアイドル藤咲彩音は、男の理想を体現するかのような清純派美少女だったというわけだ。
 それがもう俺のもんだ。誰もが羨むシチュエーションってやつだろう。
 お察しの通りだろうが、俺も初めて。つまり童貞だ。初めて同士、藤咲とは気が合いそうだな。うんうん。

 しかし、経験がないのは痛い部分もある。
 藤咲をリードできない。そもそもお互い初めてじゃあちゃんとできないかもしれない。何をって? 野暮だなぁ。セックスに決まってるじゃないですかぁ。

 でも俺はやりたくてやりたくて仕方がない。とりあえず今は手で抜いてもらっているが、早く本物を味わいたいのだ。
 けど俺だって初めてで失敗したくない。だから色々準備を整えた。
 できれば新学期が始まる前に初体験を済ませておきたい。みんなのアイドルと身体を重ねたならどんなに優越感に浸れるだろうか。考えるだけで顔がにやけるぞ。
 そうやってドキドキワクワクしていると、ついに準備が整った。


  ※ ※ ※


「今日は手で抜いてくれなくてもいいよ」

 それを聞いた藤咲はほっとした表情をする。久しぶりに見る緊張の解けた顔だった。
 藤咲が来てからというもの、毎日手で抜いてもらっていたのだ。他のこともしてほしかったけど初体験を済ませるまではと我慢しているのだ。

 藤咲を眺める。やっぱりいつも学園で見ていた朗らかな顔が見たいな。今それは難しいんだろうけどさ。
 まあそんなことはさておき、俺は夜が来るのを待った。なぜだか、わかるな?

「そろそろだな」

 小さく呟いた言葉は、テレビの音でかき消された。
 現在、夕飯を済ませてのんびりとテレビを観ている。藤咲はというと、食器を洗っている。
 ここから藤咲の後ろ姿が見える。黒髪ロングのメイドさんである。よく似合ってるなぁといつも思う。
 そんなメイドさんと、ついに、俺は結ばれるのだ。前かがみになりますぅ。

「風呂に入ってくるよ」
「はい。いってらっしゃいませ」

 同級生だというのに丁寧な言葉づかい。主従関係というものをよくわかっているのだろう。おかげで尊大な態度をしやすい。
 藤咲は淡々と仕事をこなすようになった。家事もそうだが、性処理の手コキでさえ淡々とこなすようになってしまった。
 慣れるのはけっこうだが、こんな反応はつまらない。やっぱり早くレベルアップしないとな。

 ざばーと入って、ざばーと出た。別にここカットでいいよね?
 さて、いよいよだ。俺は高鳴る鼓動を抑えながら藤咲のいる台所へと向かった。

「藤咲さん、お風呂に入っておいで」
「はい」
「お風呂からあがったら、俺の部屋に来るんだよ」
「……はい」

 言ってから俺は自室へと向かった。彼女もこれから何があるのかわかった様子だった。覚悟を決めた、きっとそんな表情をしていた。
 ドキドキしながら準備をする。初めては一生の思い出になるという。雰囲気作りから大事にいきたい。

 数十分の時が経った。そして、待ち望んでいた時がきた。
 控えめなノックの音。俺は入室を許可する。藤咲が俺の部屋に入る。

「お待たせしました」

 普段通りにしようとしているのだろうか。言葉は普通だが、声が震えている。
 でも大丈夫。こんなこともあろうかと(?)アロマをたいている。これで緊張がほぐれてリラックスできるはずだ。俺って気が利いてるな。
 アロマのいい香りに、照明は薄暗くしている。緊張がほぐれるようにしているのだ。そして、近づいた彼女の輪郭がはっきりとする。
 藤咲は白いワイシャツを着ていた。俺のお下がりである。彼女の寝巻は常にこれなのだ。
 だって憧れじゃない? かわいい彼女に自分のちょっと大きめのワイシャツってさ。ワイシャツから伸びる生脚が美しいしな。うん、よく似合っている。

「こっちにおいで」
「はい」

 俺が呼ぶと藤咲がゆっくりと近寄ってくる。その足取りは本当にゆっくりで、俺をじらしているかのようだった。
 ふふっ、じらしてくれちゃってまあ。それじゃあ俺も我慢できないぜ!

 俺は立ち上がった。近づいていた藤咲の足が止まる。構わず俺の方から彼女に近づいた。
 すぐに抱きしめられる距離。薄暗い部屋の中でも、これだけ近ければ互いの顔がよく見える。薄ぼんやりでも藤咲は美しい。震えるまつ毛と唇が俺の本能を刺激する。

「藤咲さん。いや、彩音。お前に選ばせてやる」

 気安く名前を呼んでやる。しかもお前呼ばわり。スクールカーストで確実に俺の上の立場であろう彼女にこんな態度がとれるのは、やはりご主人様とメイドだからだ。じゃなきゃ自分からこんな態度はとれない。
 ちょっとだけ満足感を覚え、俺はズボンを脱いだ。すでに息子は臨戦態勢である。

「俺の唇にキスするか、それともチンポにキスするか。選べ」

 選べと言っておきながら答えは一つだろう。処女ならなおさらだ。

「さあ、自分からキスするんだ」

 彩音は俯いて黙りこくってしまう。悩んでいるのか? いや、戸惑っているだけだろうな。
 こんな風にするのも俺だってファーストキスをちゃんとしたいからだ。……そうだよ初めてだよこん畜生!
 さすがにここでチンポを選ぶような強者じゃないだろ。俺は唇を突き出す準備をする。

「……」

 だが動かない。彩音は一向に動く気配がない。
 そっか、彼女も初めてなのだ。俺にファーストキスを捧げるということ自体にためらっているのだろう。
 でもこんなところでおあずけなんてできない。今すぐにでもブチューってしたいんだよ。さらに言えば早くその先に進みたいんだよ。
 しかし、キスはぜひとも彩音からしてもらいたい。しょうがないな。俺は口を開いた。

「あと三秒で選ばないとチンポ口に突っ込むぞ」
「!」

 言っててそれもいいなとか思ったがキスが先だ。俺だってファーストキスを大事にしているらしい。俺もロマンチストだったってことかな。照れるぜ。

「さーん、にーい、い──」

 数を数えている途中で詰まった。なぜなら彩音の唇が俺のと合わさったからである。
 慌てていたのか思いっきり歯がぶつかった。正直痛みで涙目だ。しかしそんな顔は見せない。男のプライドである。
 目の前には藤咲彩音の顔がドアップで映っている。彼女も痛かったのか目を閉じていながらも、目の端に涙が溜まっている。

 でも、そうだな、ああ、なんて幸せ……。
 俺は感激していた。まさか学園のアイドルと呼ばれる藤咲彩音とこうやってキスできる日がくるなんて夢のようだ。でも、夢じゃないのよね。
 もっと感じたくて、彩音を抱きしめて、深く唇を合わせる。
 ワイシャツ一枚の美少女と下半身丸出しの男子が抱き合う図。そう言うとなんかすごいな。まあ、抱きしめてるのは俺だけなんだけどな。

「ぷはっ。彩音、俺の背中に手を回せ」
「ふぁ……はい」

 唇を離して命令すると、おずおずと背中に手を回される。外から見ればラブラブカップルの完成だ。

「んちゅっ……」

 再び唇を重ねる。セカンドキスである。
 ファーストキスはレモン味とか言った歴史的人物は誰なんだ? 確かに甘酸っぱい味がする。

「んちゅっ……くちゅ……」

 直接脳に彩音の音が響く。内分泌系がどっぱどっぱ出ちゃってる気がする。
 興奮して息子がビクンビクンと震える。彩音のお腹に当たっているんだから、彼女にもこの高ぶりは伝わってるはずだ。
 薄目で彩音を確認する。目をぎゅーっと強く閉じている。そんな反応がかわいい。
 彼女もファーストキスだったのだ。もう俺以外の唇を触れさせることなんてしない。俺の息子は別だけどな。特別に許してやろう。
 もう心臓はバクンバクンに激しい。快感を欲している。刺激を求めて震えてしまう。

「ぷはっ」

 再び口を離す。今度は俺と彩音の間に糸ができた。ディープなキスじゃなかったけど、興奮しすぎた俺の唾液がほとんどだろうけど、この光景はなんか興奮する。興奮してばっかだな俺。

「きゃあっ!?」

 興奮ついでに彩音をベットに押し倒した。ギシリとベッドが揺れる。
 ついに……、本番だ。
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