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一日目
屋敷に集いし人々①
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その後、最上さんから「19時より大広間にて夕食会がございます。」と言われていたため、俺たちは部屋を出て一階の大広間に向かった。
「なんつーかさ。」
「ん?」
「来た時は気づかなかったけど、この屋敷の絵とか彫刻って……なんかやらしいよな。」
「ふーん……はぁ!?」
屋敷の中をキョロキョロ見回しながら、そんなことを言った俺に対して、学斗は顔を真っ赤にさせた。
「おおお、お前!何を言いだすかと思えば!」
「だって、見ろよ。置いてある彫刻って、なんかエロいやつばっかじゃん。」
俺は飾られている石像を指で示した。
その石像は裸の男性を背後からもう一人の男性が抱きしめているものだ。
抱きしめられている男性は恍惚とした表情で天を仰いでいる。一方、抱きしめている側の男性は服を着ている上に、まるで爬虫類のような目をしていて、正直不気味だ。
「なんか、この絵とかもそうだろ?大体部屋にある絵画は裸体の絵しかないだろ?」
俺は壁にかかっている絵画を指さした。
それは、男性の上半身しか描かれていないが、おそらく下半身では性的な交わりが行われているだろう、と想像できる絵画だった。
「び、美術品なんて、そそそ、そんなもんだろ!」
「めっちゃ動揺するじゃん。」
「うっせ!ほら、早く行くぞ!」
途端に早歩きになった学斗のあとを、俺はにやにやしながら追いかけた。
広間にはすでに多くの人が集まっていた。
初瀬山勇次郎の遺品整理のために全国各地から呼ばれた人達だろう。
「あ、ようやく来た!アキラ!学斗!」
拓兄の声に振り向く。
「拓兄!」
拓兄の側には柳生教授がいた。その近くには当たり前のように清水先輩も。
広間には一つの長いテーブルがあり、その上には豪勢な料理が所狭しと並べられていた。
「こっちにおいで。二人の分の席も取っておいたから。」
「ありがとう、拓兄!」
すでに何人かは席に着いていたため、俺と学斗は拓兄の手招きに従って、その席に着いた。
うわー。
大きさの違うフォークとナイフ、それにスプーンが並んでいる。
テーブルマナーなんて全然分からない。
「えー、どうしよ。こんなことなら、テーブルマナー、ちゃんと勉強してくれば良かった。」
俺の隣で清水先輩が同じ悩みを言っていた。
「俺も、ちょっと戸惑ってます。」
「アキラ君も?良かったぁ。じゃあ、私たち、仲間だね。」
楽しそうに笑う清水先輩に、「そうですね。」と俺も笑顔で返した。
そんな雑談をしていたら、いつの間にか席は二人分を残して埋まっていた。
「おいおい。何だ?またあんたのところの学生さんか?」
横から話しかけられた俺たちはそちらへ視線を向けた。
そこにはでっぷりとした腹と、その身体に不釣り合いな小さい丸メガネが特徴的な中年男性が俺たちに不躾な視線を送っていた。
「あぁ、長根さん、こんばんは。彼らは渡辺君の従兄弟なんですよ。忘れ物を届けに来てくれてね。外が雨で、急遽ここに泊まることになったんです。」
柳生教授が穏やかに紹介するものの、「へぇ、そうかい。」と中年男性は顔を顰めた。特に俺たちを歓迎するわけでもなさそうだ。
「やぁねぇ。もしかして、人員を増やして教授が抜け駆けするとでも思っているのかしら?長根さん。」
「んだと!?」
「はぁ……。本当に品がないですこと。」
俺の斜め前に座る女性が、冷ややかに中年男性を鼻で嗤った。
美人ではあるが、かなり気が強そうな人だ。真っ赤なドレスは胸元が大きく開いており、目のやり場に困る。
「もっと初瀬山氏のご子孫の思いを汲むべきでは?彼女は文化の発展と保存のために、無償で美術品をお譲りしてくださるというのに……。譲り受けた美術品や骨董品で何か良からぬ商売でも始めやしないかと、私、とても心配ですわ。」
「テメェ……!あることないこと、ベラベラ言いやがって……!」
「あらあら、私は単に感じたことを申し上げたまでですよ。」
このままでは、久遠という中年男性と気の強い女性の喧嘩が始まってしまいそうなところで、「そこまでにしましょう。」と別の男性が割って入った。
「学生さんたちもいらっしゃいますし、ここは穏便に、ね?」
ヨーロッパ系の血が混じっているのか。全体的に色素が薄い。
年齢は三十代くらいだろう。
細身の体躯で背も高く、オールバックの茶髪は嫌味なく彼に似合っている。
顔もそこら辺のモデルよりよっぽどかっこいい。
「こうして夕食を共にし、一晩同じ屋根の下で過ごすわけですから、私としては皆さんと親睦を深められたらと思っています。」
にこりと笑う彼の言葉に、言い争いをしていた二人共バツが悪そうに黙り込んだ。
「それでどうでしょう?料理の準備が整うまでの間、自己紹介といたしませんか?」
「えぇ。そうですね。」
柳生教授が同意し、他の皆も賛成したため、俺たちは順番に自己紹介をすることになった。
「なんつーかさ。」
「ん?」
「来た時は気づかなかったけど、この屋敷の絵とか彫刻って……なんかやらしいよな。」
「ふーん……はぁ!?」
屋敷の中をキョロキョロ見回しながら、そんなことを言った俺に対して、学斗は顔を真っ赤にさせた。
「おおお、お前!何を言いだすかと思えば!」
「だって、見ろよ。置いてある彫刻って、なんかエロいやつばっかじゃん。」
俺は飾られている石像を指で示した。
その石像は裸の男性を背後からもう一人の男性が抱きしめているものだ。
抱きしめられている男性は恍惚とした表情で天を仰いでいる。一方、抱きしめている側の男性は服を着ている上に、まるで爬虫類のような目をしていて、正直不気味だ。
「なんか、この絵とかもそうだろ?大体部屋にある絵画は裸体の絵しかないだろ?」
俺は壁にかかっている絵画を指さした。
それは、男性の上半身しか描かれていないが、おそらく下半身では性的な交わりが行われているだろう、と想像できる絵画だった。
「び、美術品なんて、そそそ、そんなもんだろ!」
「めっちゃ動揺するじゃん。」
「うっせ!ほら、早く行くぞ!」
途端に早歩きになった学斗のあとを、俺はにやにやしながら追いかけた。
広間にはすでに多くの人が集まっていた。
初瀬山勇次郎の遺品整理のために全国各地から呼ばれた人達だろう。
「あ、ようやく来た!アキラ!学斗!」
拓兄の声に振り向く。
「拓兄!」
拓兄の側には柳生教授がいた。その近くには当たり前のように清水先輩も。
広間には一つの長いテーブルがあり、その上には豪勢な料理が所狭しと並べられていた。
「こっちにおいで。二人の分の席も取っておいたから。」
「ありがとう、拓兄!」
すでに何人かは席に着いていたため、俺と学斗は拓兄の手招きに従って、その席に着いた。
うわー。
大きさの違うフォークとナイフ、それにスプーンが並んでいる。
テーブルマナーなんて全然分からない。
「えー、どうしよ。こんなことなら、テーブルマナー、ちゃんと勉強してくれば良かった。」
俺の隣で清水先輩が同じ悩みを言っていた。
「俺も、ちょっと戸惑ってます。」
「アキラ君も?良かったぁ。じゃあ、私たち、仲間だね。」
楽しそうに笑う清水先輩に、「そうですね。」と俺も笑顔で返した。
そんな雑談をしていたら、いつの間にか席は二人分を残して埋まっていた。
「おいおい。何だ?またあんたのところの学生さんか?」
横から話しかけられた俺たちはそちらへ視線を向けた。
そこにはでっぷりとした腹と、その身体に不釣り合いな小さい丸メガネが特徴的な中年男性が俺たちに不躾な視線を送っていた。
「あぁ、長根さん、こんばんは。彼らは渡辺君の従兄弟なんですよ。忘れ物を届けに来てくれてね。外が雨で、急遽ここに泊まることになったんです。」
柳生教授が穏やかに紹介するものの、「へぇ、そうかい。」と中年男性は顔を顰めた。特に俺たちを歓迎するわけでもなさそうだ。
「やぁねぇ。もしかして、人員を増やして教授が抜け駆けするとでも思っているのかしら?長根さん。」
「んだと!?」
「はぁ……。本当に品がないですこと。」
俺の斜め前に座る女性が、冷ややかに中年男性を鼻で嗤った。
美人ではあるが、かなり気が強そうな人だ。真っ赤なドレスは胸元が大きく開いており、目のやり場に困る。
「もっと初瀬山氏のご子孫の思いを汲むべきでは?彼女は文化の発展と保存のために、無償で美術品をお譲りしてくださるというのに……。譲り受けた美術品や骨董品で何か良からぬ商売でも始めやしないかと、私、とても心配ですわ。」
「テメェ……!あることないこと、ベラベラ言いやがって……!」
「あらあら、私は単に感じたことを申し上げたまでですよ。」
このままでは、久遠という中年男性と気の強い女性の喧嘩が始まってしまいそうなところで、「そこまでにしましょう。」と別の男性が割って入った。
「学生さんたちもいらっしゃいますし、ここは穏便に、ね?」
ヨーロッパ系の血が混じっているのか。全体的に色素が薄い。
年齢は三十代くらいだろう。
細身の体躯で背も高く、オールバックの茶髪は嫌味なく彼に似合っている。
顔もそこら辺のモデルよりよっぽどかっこいい。
「こうして夕食を共にし、一晩同じ屋根の下で過ごすわけですから、私としては皆さんと親睦を深められたらと思っています。」
にこりと笑う彼の言葉に、言い争いをしていた二人共バツが悪そうに黙り込んだ。
「それでどうでしょう?料理の準備が整うまでの間、自己紹介といたしませんか?」
「えぇ。そうですね。」
柳生教授が同意し、他の皆も賛成したため、俺たちは順番に自己紹介をすることになった。
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