【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

文字の大きさ
48 / 154
三日目(前)

事件①

しおりを挟む
【side:新田哲生】

 迫る御堂を渾身の一撃で何とかかわし、部屋から追い出した頃にはもう時刻は11時を越えていた。
 ふざけんなよ、あいつ。俺の安眠時間を返せ。

 ていうか、え?何?
 あいつ、俺のこと好きなの?
 あんなに女の子たちからチヤホヤされているのに、男である俺のことが好きなの?
 それは――。

「……嬉しい。」

 思わず出た本音に、咄嗟に口を塞いだ。

 俺は、一体何を……っ!?

 フラフラとベッドに倒れ込む。
 そっと目を瞑ると、脳裏に御堂の顔が浮かんだ。

 あぁ、駄目だこりゃ。

 あいつが勝手に警察辞めたのをずっと引きずっていたのは、つまり、少なからず俺にもそういう気持ちが芽生えていたってことだろ。
 スマホを操作し、今晩守る相手を選択する。

「感謝しろよ、御堂……。」

 こうして、二日目の終え、三日目の朝を迎えてすぐ――事件は起きた。


***


 三日目の朝、俺は引き続き長根の動向を探るため、早めに起きて部屋のドアの隙間から廊下を覗いていた。

 初めに出てきたのは八城アキラだった。
 アキラはドアを開閉する音を立てないよう、静かに部屋を出る。
 そして、長根のドアをノックした。
 長根はすぐ部屋から出てきた。

 何だ?もしかして、昨日の商談相手は八城アキラだったのか?
 それにしても嫌な予感がする。
 長根が八城アキラを見る目がどうも――。

 そうこうしているうちに、長根も廊下に出た。

「フン……本当に来るとはな……。」
「あの……俺が言うことを聞けば、約束、守ってくれるんですよね?」
「あぁ、もちろんだ。」

 すると、あいつは八城アキラの肩を抱いたかと思うと、その手をするすると下へ滑らせ、アキラの腰を撫で回し始めた。

「昨日、そう話しただろう?」
「はい……っ。」

 アキラは俯いたまま、長根の行為に耐えている。

「それじゃあ、行こうか。」

 調子に乗った長根はアキラの尻を揉みながら、階下へ向かった。
 俺はすぐさま部屋を飛び出し、御堂の部屋をノックする。

「どうしまし――。」
「八城アキラが長根に連れて行かれた。」

 それだけ言えば、さすがのこいつでも意味が分かったらしく、すぐに険しい顔付きになった。

「すぐに追いましょう。」

 そこへ眠たそうな八城学斗が部屋から出てきた。彼はキョロキョロと廊下を見渡し、そして俺たち二人に気づく。

「お、おはようございます……。あの、アキラ知りませんか?朝起きたらいなくて……。」
「学斗君は柳生教授と渡辺君を起こして下さい。アキラ君は長根さんと一緒です。」
「え?御堂さん、どういう……?」
「説明は後です、今は一刻も早くアキラ君の元へ行きましょう。」

 俺と御堂はできるだけ音を立てずに一階へと降りる。
 玄関ホールにはいない。
 広間も覗いたが、二人の姿はなかった。

「私は視聴覚室に行きます。新田さんは。」
「俺は昨日見つけた部屋に行ってみるよ。」

 二手に分かれ、俺は目的の部屋へと走る。
 音をできるだけ立てないよう、ゆっくりとドアノブを回し、少しドアを開ける。
 すると、中から長根の声が聞こえた。
 どうやら俺の方が当たりだったらしい。

「まさかあいつの息子がお前だったとは……。借金をこさえたのはお前の父親だが、返せないとなれば連帯責任も仕方がなかろう?ん?」

 俺はこっそりと中に入り、本棚の陰から部屋の中を覗き見た。
 八城アキラは長根に後ろから抱きすくめられ、逃げられないよう腕をガムテープでぐるぐる巻にされていた。

「この屋敷にいる間、お前はわしの奴隷だ。こうやって、わしに呼ばれたら必ず応えるように。」
「そ、そしたら、学斗には、手、出さないですよね……?」

 アキラの尻を揉みながら、長根はニヤニヤと笑う。

「お前の頑張り次第だなぁ?お前が健気にわしの言いなりになってくれればそれで満足だがなぁ?」

 それを聞くと、アキラは諦めたように目を伏せる。
 そして、長根がアキラのシャツのボタンに手をかけ、上から順に外し始めた。

 もう、いいだろ。
 もう、我慢しなくて、いいだろう?

 俺は物陰から飛び出し、アキラのシャツをはだけさせていた長根の腕を掴んで、思い切り捻った。

「ぐおっ!?新田、貴様ァッ!」
「長根利三。強制わいせつ罪で、現行犯逮捕する。」

 そのまま長根を床に押さえつける。

「ち、違う!こいつからわしにすり寄って来たんだっ!」
「はぁ?何言ってんだ。八城君、そこにあるガムテープ、どうにかしてこっちに手繰り寄せてくれ。」

 俺は八城アキラに指示を出す。
 すると、呆けていたアキラは我に返り、慌てて俺の言った通りにした。
 腕は拘束されたままだが、何とかガムテープを手に取り、俺の方へ投げた。

「ありがとな。」

 俺は長根の腕を拘束しようと受け取ったテープを引き出すが、どうやら最後の一巻きだったらしい。テープが途中で千切れてしまった。
 それを見た長根は、一瞬の隙を突いて、俺を蹴り飛ばした。

「うぉっ!?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...