【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

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三日目(後)

バディ再結成①

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【side:新田哲生】
 刑事として何度も事情聴取をしてきたが、まさかここでもやるとは思わなかった。

「あー、それで?長根さんから何て言われたんですか?」
「だっ、だからっ!【人狼】は、藤山さんなんです!長根さんは【影武者】だったから、藤山さんを説得して自分が【人狼】になると息巻いていて……っ!アキラ君のことは何も知らされていませんでしたっ!本当ですっ!」

 江頭は口の端に泡を浮かべ、つばを飛ばしながら捲し立てた。

 上司である長根は学生に手を出し、今は『追放』されている。ずっと長根の言いなりだった江頭は、今はまさにパニック状態だ。
 
「本当に、他には何も知らないのか?」

 俺が鋭い視線で問うと、彼はビクンッと身を竦ませた。その目は泳ぎまくっているし、冷や汗も滝のように流れ落ちているし、着ているシャツの下はびっしょりだ。
 まぁ、今回の件に限らず、後ろめたいことは山程あるのだろう。隠し事のできない男だ。
 
「アキラ君のことでも、長根のことでも、何か知っていることがあるなら、今のうちに吐いたほうが身のためだぞ?」
「ほ、本当ですっ!本当に、何も知らされてなかったんです!信じてください!」

 江頭は懇願するように叫ぶ。
 これ以上は何も出てこなさそうだ。ちらりと後ろに控える御堂を見ると、小さく頷いていた。
 はいはい、もういいのね。
 
「分かったよ。ただこのゲームが終わって屋敷を出た時、アキラ君が今回のことを訴えたら、引き続き取り調べを受けることになると思う。その時は長根と一緒に、受けてくれ。」
「え、あ……っ。」

 江頭は動揺したように口をぱくぱくさせた。そして俺を見るなり助けを求めるような目を向けてくるが、俺はそれを見て見ぬふりをした。
 悪いな江頭。これが俺の仕事だ。
 俺たちは江頭を一人残し、部屋を出た。
 
「藤山さんが【人狼】ねぇ。藤山さん自身は【霊媒師】だって言ってんのに、果たしてどちらが本当のことを言っているのやら。」

 俺が呟くと、御堂も「そうですね」と言った。
 藤山にも同じように聞き取りをしたが、我関せずだった。
 
「ただ、江頭さんの話で、長根さんが【影武者】だったくだりは信憑性がありそうです。実際、占った結果、彼は『黒』でしたからね。」
「そうだな。それで、アキラ君は大丈夫なのか?」
「今は柳生教授や従兄弟の渡辺君たちが一緒にいますから、大丈夫だと思いますよ。」
「ったく。怪我人も出ているのに、【人狼ゲーム】は続けんのかよ。狂ってるぜ。」

 無意識にポケットをまさぐり、舌打ちをする。
 そういえば、煙草、切れていたんだった。
 俺は煙草を探すのを諦めて、ポケットに手を突っ込んだまま歩き出した。
 当たり前のように俺の横に御堂が並ぶ。
 
「それで?どうするよ?」

 当初は『長根チーム』と『柳生チーム』に分かれて探っていたが、今日の『追放』で『長根チーム』は江頭のみとなった。
 
「そうですねぇ……。」

 御堂の部屋へ入り、ドアを閉める。
 御堂は前回のメモを引っ張り出し、書き足していた。
 
『御堂総一朗…○占い師《確定》
新田哲生…○狩人《確定》
長根利三…●影武者《追放》
江頭文吉…○村人?
八城アキラ…○村人?
八城学斗…○村人?
柳生誠二…○村人?
渡辺拓人…○村人?
清水日香里…○聖職者?
藤山明子…○霊媒師or●人狼?
高橋真司…○村人《追放》』

「藤山のことは、どう思う?」
「江頭の話の半分は信憑性が高かった分、無視できない要素ではありますね。長根がここで混乱させる一言を江頭に言う理由も思い当たりません。ですが、他の可能性も考慮すべきかと。」

 御堂は江頭文吉から清水日香里までの名前をペンでなぞり、「彼らが【人狼】である可能性も捨て切れません。」と続けた。
 
「おいおい。アキラ君もか?長根に襲われていたのに?」
「自作自演の可能性もありますよ。」
「どうやって長根を説得して、あんな演技させるんだよ。」
「そう、ですよねぇ……。」

 御堂は、「はぁ……。」とらしからぬ溜め息をついて、眉間に拳をあてた。
 
「分からない……。誰が、【人狼】なのか……。」
「ん~~~。」

 そもそも俺たちが推理すべきことは、【人狼】は誰かってことなのだろうか。
 
「御堂、お前、何でこの屋敷に来たんだ?」
「……え?」
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