【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

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三日目(後)

『家畜』の時間③

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 違う。私は初瀬山勇次郎。
 初瀬山家の次男にして、家族から見捨てられた――。

「八城アキラ!お前は八城アキラ!俺の、八城学斗の弟だろ!」

 パァンッ!

「……ふぇ?」

 頬が熱い。
 “俺”は目をぱちぱちとしばたたかせる。

 目の前には、学斗がいる。顔を歪めている。

「あれ、学斗?体はもういいのか?って、あ、あれ?俺、何して……?」

 混乱した頭で必死に考える。
 俺、何していたっけ。

 確か、初瀬山勇次郎のコレクションを探しに、柳生教授たちと部屋を探索してて、別の部屋に入ったら新田さんがいて――。

 新田さん?

「ンもぉ゛……っ♡お゛……ほぉ゛……っ♡」

 びゅく♡どぴゅっ♡
 新田さんの放った精液が、俺の頬にまでかかる。

 新田さんは俺のそばで、ちんぽから精液を垂れ流して、白目を剥いて倒れていた。
 ときおり体を痙攣させ、モーモーと不思議な喘ぎ声を出しながら、ちんぽから、びゅっ♡びゅるっ♡と精液を吐き出し続けている。

 俺はそんな新田さんを見下ろしながら、現実逃避したくなった。

「うわぁ……。溜まっていたのかなぁ、新田さん……。」

 学斗は俺が正気に戻ったことを確認すると、深いため息を吐いた。
 それから項垂れて両手で顔を覆ったかと思うと、指の隙間から鋭い眼光を放つ。
 そのあまりの威圧感に俺はたじろいだ。

「え、えと、学斗くんは、なぜここに?」
「部屋で起きて、お前に置いて行かれたから、慌てて探していたんだよ。見つけてみれば、自分を初瀬山勇次郎だと思い込んで、おかしなことになっているし……。何なんだよ、これ。」
「ご、ごめん……。」

 俺は慌てて謝った。
 しかし学斗は不機嫌そうだった。というより、怒っている。

「今朝から、心配かけやがって。」
「うっ……。」
「俺が声かけてなきゃ、お前、多分のまれていたぞ、初瀬山勇次郎に。」

 そうかもしれない。
 前回、彼のビデオテープを見た時は自力で抜け出すことができたが、今回は危なかった。

 学斗が呼びかけてくれなければ、魅せられていたかもしれない。

「と、とりあえず、新田さんをなんとかしてここを出よう!」
「それはそうだけど……。でも、これどうしたらいいんだ?」

 新田さんも、おそらく自分を初瀬山勇次郎のお兄さんだと思い込んでしまっている。

「大丈夫。やり方なら、さっき理解した。」
「え?」

 不思議そうな学斗をおいて、俺はモーモーと喘ぎながらちんぽから精液を垂れ流している新田さんに近付いた。
 そして、彼の耳元でパチン、パチンと指を鳴らす。

「もう“『家畜』の時間”はおしまいです。牛だった時の記憶は記憶の奥底にしまい込んで下さい。」
「おわり……しまい……こむ……。」
「そうそう。人間に戻る前に、身なりを整えましょうね。身なりを整え終わって、三十を数えたら、貴方は元の自分に戻っていますよ。」
「んー……んぅ……。」
「初瀬山勇次郎のお兄さんだった頃の記憶はなくしてしまいましょうね。さ、俺が手を叩いたら起きて。」

 指を鳴らすの止めて、一回だけ大きく手を叩いた。
 すると、新田はぼんやりとしたまま、ゆっくりと起き上がる。
 目は虚ろだが、服を着始めたから、多分これで大丈夫だろう。

「よし!それじゃあ、俺たちもここを出よう、学斗。……学斗?」

 見ると、学斗までぼうっと虚空を仰いでいた。
 まずい。こっちまでかかっちゃったか。

 ぼんやりとしたままの学斗を連れて廊下に出る。部屋の扉を閉めてから、学斗の耳元で、パンッと手を叩いた。

「うわっ!あれ?いつのまに、部屋の外に出て?」
「何でだろうね。とりあえず、お腹がすいたから、夕飯食べに行こうぜ。」
「え、ちょっ!おい!俺まだ怒っているんだからな!」
「ごめんって。代わりに今晩もたっぷり注いでやるからさぁ♡」
「アキラ、お前……セックスすりゃいいと思ってるな……。」
「あはは!」

 学斗と話しながら、脳内に流れ込んできた初瀬山勇次郎の記憶を思い起こす。

 初瀬山勇次郎。
 あんた、結構俺と似ているのかもしれないな。

 両親から愛されず、愛する人は別の女に奪われて――。

 ただ一つ違うのは、お前にはなかったんだ、心の拠り所が。
 お前は、自分のことを大切にしてくれる兄の心を、受け取ることができなかったんだな。

「なんだよ、重っ!」

 俺は学斗の肩に顎をのせ、後ろから覆いかぶさる。
 学斗は重いと文句を言っていたが、本気で嫌というわけでもなさそうだ。

「学斗~。かわいい~。好き~。」
「っ!あぁ、はいはい!」
「耳真っ赤ぁ~。照れてる~。」

 可愛すぎるから、耳にちゅっ♡とキスしたら、なぜか怒られた。
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