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五日目
最上家の男
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最上さんと徹を会わないよう、昼食を部屋でとった俺たちは、午後から三階の探索に参加することになった。
部屋から出てきた俺たちを見た柳生教授はホッと胸を撫で下ろした。
「ちょうど探索を始めようとしていました。これなら、三手に分かれられますね。私と学斗くん、渡辺くんと清水さん、そしてアキラくんと徹くんで、割り当てられた部屋を調べていただけますか?」
「はーい。」
それぞれの部屋に向かおうとしたところで、柳生教授がこそっと俺に耳打ちした。
「徹くん、落ち着いたようですね。かなり取り乱していましたから、安心しました。」
「まぁ、最上さんに会わない限りは、大丈夫かと。」
「今夜の相談は、あとで行いましょう。」
俺は小さく頷き、それぞれ部屋に向かう。
俺と徹が担当する部屋は、三階の一番奥に位置していた。
「ここだな。」
あれ、この扉、どこかで……?
「ボケッとしてないで、入るぞ。」
「え、あ、ちょ……っ!」
その既視感について考えていたら、徹がドアノブをひねって中へ入ってしまった。
ったく、何でお前はそう、勝手に行動するのかなぁ!
「あ。」
思い出した。
――『家畜』部屋だ。
彫刻を触った時の記憶を思い返す。
あれは確か、初瀬山勇次郎がちょうど最上玄一郎を洗脳して、この屋敷へ連れて帰った時の記憶だ。
あちこち屋敷の部屋を紹介しながら、その場その場で玄一郎を犯し、最後に連れてきたのがこの部屋だった。
うわぁ。名前といい、業が深そうだなぁ。
流石の俺でも躊躇してしまうが、先に入ってしまった徹が心配だ。
俺も扉を開いて、部屋の中へ入る。
「と、徹~?」
近くの壁を探って、電気のスイッチを押した。
明かりはついたが、他の部屋と違って照明の光がやや暗めだ。
部屋の中であるはずなのに、廊下が続いている。
そのまま進んでいくと、また扉があった。
徹はこの先か。
「あぁ……まっずいなぁ、これ……。」
廊下の先にあった部屋は広く、真っ白な壁に囲まれていた。
壁には大量の写真が無造作に貼り付けられている。
縄で手首を縛られた裸の男が犯されている写真。
布で目元を隠されているがフェラしている写真。
男二人が並んで縛られ、張り型を入れられている写真。
全部、全部、同じ人物が映し出されている。
最上玄一郎と最上雅史だ。
まっずい。
こんな自分の父親が犯されまくっている写真なんて目にした日には、徹の精神が崩壊してしまうかもしれない。
写真だけではなく、壁には彼らに使ったものなのか、張り型や手錠、ロープ、蝋燭などが飾られているのが悪趣味極まりない。
「っ!徹っ!」
いた。
徹は壁に掛けられた大きな絵を見上げていた。
「徹、一回部屋出るか?ちょっと、いやちょっとどころじゃないな。かなり刺激が強いというか……。」
「……。」
「と、徹く~ん?」
反応がない徹を見て、確信した。
虚ろな目、半開きになった口。
意識がトんでいる。これまで、初瀬山勇次郎のコレクションに触れてきた人たちと同じ状態だ。
のまれてしまったか、この絵に。
絵のタイトルは『最上家の男』。
意識のない玄一郎と雅史が、それぞれ裸で皿に盛り付けられている。
天井から伸びている縄に片足を吊り上げられた玄一郎のアナルには肉棒が深々と挿入されている。乳首からもペニスからも白い飛沫が噴き出しているが、本人は目をつぶったまま脱力している。
対する雅史はタコのような触手に四肢を拘束され、両足を広げている。濡れそぼった雄膣にも触手が入り込み、逆さ吊りにされたまま、勃起している雅史のペニスは白濁液を噴きあげている。
そして、玄一郎の体には野菜が、雅史の体には刺し身が盛り付けられ、上からソースが垂らされる――。
むせ返るような性の匂いに、見ているだけでも頭がくらくらするほどの、卑猥な絵だ。
とりあえず、アプリに登録すると、やはり『特殊カード』が配布された。
スマホをポケットに入れ、『最上家の男』を見上げる。
徹がのみ込まれている以上、おそらくこの絵に触れれば、初瀬山勇次郎の記憶がまた流れ込んでくることだろう。
しかし、徹の催眠を解くためには、記憶を辿らないとやり方が分からない。
前々回は自力で、前回は学斗が引き戻してくれた。
今回はどうだろうか。
戻れればいいけれど、戻れなかった場合は、俺は初瀬山勇次郎の記憶にのみ込まれたままになってしまう可能性もある。
「徹ー、やっぱダメそう?意識、ないー?」
徹からの返答はない。
ちらりと横を見れば、徹の口の端からつぅーっと涎が垂れていた。ときおりピクッ、ピクッと体が痙攣している。
「ゆ、ゆう、じ、ろう、さ……ま……。」
そう言って、えへらぁ、と徹なら絶対に浮かべない、狂気じみた笑みを浮かべた。
くそったれ。
俺の幼馴染、勝手に奪わないでほしいんだけどなぁ、初瀬山勇次郎。
――俺は意を決して、絵に手を伸ばした。
部屋から出てきた俺たちを見た柳生教授はホッと胸を撫で下ろした。
「ちょうど探索を始めようとしていました。これなら、三手に分かれられますね。私と学斗くん、渡辺くんと清水さん、そしてアキラくんと徹くんで、割り当てられた部屋を調べていただけますか?」
「はーい。」
それぞれの部屋に向かおうとしたところで、柳生教授がこそっと俺に耳打ちした。
「徹くん、落ち着いたようですね。かなり取り乱していましたから、安心しました。」
「まぁ、最上さんに会わない限りは、大丈夫かと。」
「今夜の相談は、あとで行いましょう。」
俺は小さく頷き、それぞれ部屋に向かう。
俺と徹が担当する部屋は、三階の一番奥に位置していた。
「ここだな。」
あれ、この扉、どこかで……?
「ボケッとしてないで、入るぞ。」
「え、あ、ちょ……っ!」
その既視感について考えていたら、徹がドアノブをひねって中へ入ってしまった。
ったく、何でお前はそう、勝手に行動するのかなぁ!
「あ。」
思い出した。
――『家畜』部屋だ。
彫刻を触った時の記憶を思い返す。
あれは確か、初瀬山勇次郎がちょうど最上玄一郎を洗脳して、この屋敷へ連れて帰った時の記憶だ。
あちこち屋敷の部屋を紹介しながら、その場その場で玄一郎を犯し、最後に連れてきたのがこの部屋だった。
うわぁ。名前といい、業が深そうだなぁ。
流石の俺でも躊躇してしまうが、先に入ってしまった徹が心配だ。
俺も扉を開いて、部屋の中へ入る。
「と、徹~?」
近くの壁を探って、電気のスイッチを押した。
明かりはついたが、他の部屋と違って照明の光がやや暗めだ。
部屋の中であるはずなのに、廊下が続いている。
そのまま進んでいくと、また扉があった。
徹はこの先か。
「あぁ……まっずいなぁ、これ……。」
廊下の先にあった部屋は広く、真っ白な壁に囲まれていた。
壁には大量の写真が無造作に貼り付けられている。
縄で手首を縛られた裸の男が犯されている写真。
布で目元を隠されているがフェラしている写真。
男二人が並んで縛られ、張り型を入れられている写真。
全部、全部、同じ人物が映し出されている。
最上玄一郎と最上雅史だ。
まっずい。
こんな自分の父親が犯されまくっている写真なんて目にした日には、徹の精神が崩壊してしまうかもしれない。
写真だけではなく、壁には彼らに使ったものなのか、張り型や手錠、ロープ、蝋燭などが飾られているのが悪趣味極まりない。
「っ!徹っ!」
いた。
徹は壁に掛けられた大きな絵を見上げていた。
「徹、一回部屋出るか?ちょっと、いやちょっとどころじゃないな。かなり刺激が強いというか……。」
「……。」
「と、徹く~ん?」
反応がない徹を見て、確信した。
虚ろな目、半開きになった口。
意識がトんでいる。これまで、初瀬山勇次郎のコレクションに触れてきた人たちと同じ状態だ。
のまれてしまったか、この絵に。
絵のタイトルは『最上家の男』。
意識のない玄一郎と雅史が、それぞれ裸で皿に盛り付けられている。
天井から伸びている縄に片足を吊り上げられた玄一郎のアナルには肉棒が深々と挿入されている。乳首からもペニスからも白い飛沫が噴き出しているが、本人は目をつぶったまま脱力している。
対する雅史はタコのような触手に四肢を拘束され、両足を広げている。濡れそぼった雄膣にも触手が入り込み、逆さ吊りにされたまま、勃起している雅史のペニスは白濁液を噴きあげている。
そして、玄一郎の体には野菜が、雅史の体には刺し身が盛り付けられ、上からソースが垂らされる――。
むせ返るような性の匂いに、見ているだけでも頭がくらくらするほどの、卑猥な絵だ。
とりあえず、アプリに登録すると、やはり『特殊カード』が配布された。
スマホをポケットに入れ、『最上家の男』を見上げる。
徹がのみ込まれている以上、おそらくこの絵に触れれば、初瀬山勇次郎の記憶がまた流れ込んでくることだろう。
しかし、徹の催眠を解くためには、記憶を辿らないとやり方が分からない。
前々回は自力で、前回は学斗が引き戻してくれた。
今回はどうだろうか。
戻れればいいけれど、戻れなかった場合は、俺は初瀬山勇次郎の記憶にのみ込まれたままになってしまう可能性もある。
「徹ー、やっぱダメそう?意識、ないー?」
徹からの返答はない。
ちらりと横を見れば、徹の口の端からつぅーっと涎が垂れていた。ときおりピクッ、ピクッと体が痙攣している。
「ゆ、ゆう、じ、ろう、さ……ま……。」
そう言って、えへらぁ、と徹なら絶対に浮かべない、狂気じみた笑みを浮かべた。
くそったれ。
俺の幼馴染、勝手に奪わないでほしいんだけどなぁ、初瀬山勇次郎。
――俺は意を決して、絵に手を伸ばした。
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