【完結】淫獄の人狼ゲームへようこそ

荒巻一青/もふモフ子

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五日目

パンドラの箱②

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 ***


 バシャッと冷たい水をかけられ、意識が覚醒する。
 
「うっ……。」

 身体を動かそうとするが、上手くいかない。
 どうやら後ろ手に手錠をかけられている。足も、椅子に括られていた。
 
「いやぁ!この水ぶっかけて起こすやつ、やってみたかったんだよねぇ!映画みたい!」

 楽しげな声のする方を見ると、そこには八城アキラがいた。
 
「お目覚めはいかがです?御堂さん♡」
「……最悪ですよ、この野郎……。」

 俺は吐き捨てるように言った。
 まだ意識がぼんやりする。滴り落ちる水が不快でたまらない。
 
「はぁー♡めっちゃ不機嫌♡でも俺はめっちゃ気分いいですよ。やっと、ここまできましたからね♡」

 アキラは、まるでこれから遊園地のアトラクションを一緒に楽しむ、友人のようなテンションでそう言った。
 俺はつい呆気に取られてしまうが、すっと周りを見渡す。
 壁に貼り付けられた多くの卑猥な写真。そして、破壊された絵画。絵画を飾っていた飾り枠のガラス片が、床に散らばっている。
 
「ここは……。」
「『家畜』部屋って名前だそうです。悪趣味ですよね?思わずムカついて、そこの絵、破壊しちゃいました♡」
「渡辺くんや清水さんを眠らせたのは、あなたですか?」
「俺ではないですけれど、俺の指示ですね。これから始まるクライマックスを邪魔されたら困るので。」
「そう……。アキラくんだったんですね、【人狼】は。」

 八城アキラは笑顔を引っ込め、真っ赤な瞳を冷たく細める。
 
「えぇ。最後まで気づけなかった御堂さんの負けですね。」
「長根の件も自作自演というわけか。」
「結構、演技上手でしょ?俺。」
「目的は?まさか、初瀬山勇次郎の遺産を?」
「いりませんよ、そんなもの。」

 アキラはそう即答し、床に散らばったガラス片を部屋の隅へ蹴飛ばす。
 本当に、初瀬山勇次郎の資産など、彼にとっては心底どうでも良いことなのだとしたら、なぜ?
 
「あなたも不思議に思ったでしょう?初瀬山勇次郎が、なぜ、ああもたくさんの人々を支配することができたのか。」
「もちろん、その疑問はありました。」
「初瀬山勇次郎は本人が思っていた以上に、天才だったんです。どうすれば人の五感から入り込み、相手が気づかぬうちに徐々に意識を、体を蝕んでいくか。普通の人ならできないんですけれど、彼はできちゃったんです。――出来すぎて、しまったんです。」

 アキラは自嘲気味に笑った。
 
「でも、あの男、自己評価は低いわ、周囲からの愛情を素直に受け取れないわ、自分で自分を無意識のうちに追い込むわ……。人として不器用すぎ。もっとうまくやれよって感じ。」
「まるで、実際に本人を見たことがあるかのように、言いますね。」
「えぇ。見ましたよ。脳みそ、乗っ取られそうになるくらい、ね。」

 彼は自身の頭を指さした。
 
「さぁて、御堂さん。あんたさえ、手中に収められれば、【人狼】の勝利は確定したといっても過言ではない。」

 おそらく彼のお兄さんである学斗くんは既に彼の手の中に堕ちているだろう。
 さらに、柳生教授の発言を思い返してみると、彼も怪しい。
 あとは――。
 
「てか、気にならないの?相棒のこと。」
「……っ。」
「あ、聞くのが怖いんだね。そうだよね。御堂さんを眠らせて、ここまで連れてきたのは新田さんだし。」

 アキラはニヤリと笑うと、手を高く掲げ、パンパンッと叩いた。
 
「それでは、登場していただきます!新田哲夫さんです!どうぞ!」

 ガチャ、と扉が開く。
 そこに、新田さんは立っていた。
 
「新田、さん……?」

 新田さんは女物の黒いベビードールを着せられていた。レースは透けており、布面積が異様に少ないブラジャーも、紐のショーツも、全て見えてしまっている。
 あまりにも卑猥な格好に、俺は自分の頬がどんどん熱くなるのを感じた。
 新田さんは無表情のまま、部屋へと入り、アキラの隣に立った。
 
「新田さん、お綺麗ですよ。その焼けた肌に、黒のベビードールがよく似合う。」
 
 アキラの手がするりと、新田さんの太股を撫でる。
 
「んっ……あ……。」

 新田さんはくすぐったそうに身を捩る。
 
「やめろ、新田さんから離れろ!」

 俺は必死にもがいたが、拘束は外れそうにない。
 
「すみません、御堂さん。新田さんが、離れたくないようで。」

 新田さんは背後にいるアキラの首に自分の腕を絡ませる。
 アキラは新田さんの肩に顎をのせ、ぎゅっと彼を抱き締めた。
 
「見てください、御堂さん。これが【人狼】に【魅了】された人間の末路ですよ?」

 アキラが舌をべっと出す。
 新田さんはとろんとした目をその舌に向けると、アキラの方に首を傾け、れるれると、自分から舌を絡ませ始めた。
 
「れるっ♡ふぅっ♡れろぉ♡ちゅ、ぁ♡んく……っ♡」
「あぁ……っ!やめてください!新田さん!」

 俺が呼び掛けても、彼には聞こえていないようだった。
 舌を交えたまま、二人で見つめ合っている光景はあまりにも官能的で、俺に絶望を与えるには十分だった。
 
「んちゅ♡はぁ♡新田さん、上手です♡」
「んぅっ♡あぅ、んっ♡」

 唇を離すと、二人の間には唾液の糸がつぅっと伸びた。
 それを舐めとり、アキラは笑う。
 
「ね?俺とのキスだけで、新田さんがどうなっちゃったか、御堂さんに見てもらいましょうよ?」

 アキラは新田さんのベビードールの裾をゆっくりと持ち上げる。
 
「な……っ!」

 新田さんの性器が、レースの下着を押し上げていた。下着の布面積が小さすぎるため、亀頭は丸見えで、竿や玉袋も、そして陰毛すら透けて見えている。
 アキラはショーツの紐に指を引っ掛け、下へとずらしていく。
 ぬち♡といやらしい音と共に、新田さんの性器とショーツの間を糸が引く。
 
「あ……っ♡」
「見えます?新田さんの、いやらしいところが。」

 とろりと先走りが、彼の鈴口から漏れて、竿を伝った。
 
「ん、んぅ……っ♡」

 新田さんの瞳は蕩けきっており、顔も赤くなっている。
 それが恥ずかしいのか、彼は体を縮こまらせた。その姿は扇情的ではあったが、俺としては見ていられなかった。
 
「ほら、御堂さんが見ていますよ?こんな恥ずかしい格好でいるの……好きなんでしょう?」
「あっ、ん♡好きぃ♡」
「じゃあ、もっと恥ずかしいところを見てもらいましょうね♡」

 アキラは新田さんのショーツを一気に、足首まで下ろす。
 そして、新田さんの太ももに自分の性器を挟ませ、ぬちぬち♡と腰を動かし始める。
 
「新田さんの太もも、柔らかい♡」
「あっ♡あ、ぁっ♡」

 新田さんの顔に戸惑いの表情はもうない。
 ただひたすらに雌犬のように従順だった。激しく腰を振るアキラの動きに合わせ、揺さぶられる身体と一緒に嬌声を上げる。
 
「んぁっ♡あぁんっ♡あぅ……っ♡」

 新田さんは自分から足を絡めて、もっとと強請った。
 その性器は更に頭をもたげ、先端から蜜を溢している。
 アキラは彼の耳に吸い付きながら、上下に身体を揺らす速度を上げた。
 
「あー、出そう♡出していい?新田さん。」
「出してっ♡アキラくんのっ♡俺にっ、ぶちまけてっ♡」

 新田さんの足がぎゅっとアキラの腰を挟み込む。
 アキラが息を詰めたのと同時に、彼の性器から白い液体が吐き出された。それは新田さんの太股や腹にかかり、その様を俺は黙って見ていることしかできなかった。
 
「はぁっ……はぁ……♡」

 アキラは新田さんの額に口づけ、抱き締める。
 
「気持ちよかったね?」
「ん……っ♡」

 新田さんはこくこくと頷く。
 
「でも、本当は、おまんこに欲しい……っ♡」
「ごめんね、新田さん。それは、もう少しだけ先♡」

 アキラはそのまま、俺の方を見た。
 
「御堂さん、そろそろ答え合わせします?」
「いつから……新田さんを……。」
「昨晩、『特殊カード』を使って、あなたに『憑依』したんです、学斗がね。その間の記憶、ないでしょ?」
「『憑依』……。」

 昨晩は単に疲れて眠ったと思っていたが、まさか自分の意識を他人に奪われていたなんて思いもしなかった。
 
「おかげで昨晩は、あなたに裏切られたと泣き叫ぶ新田さんをたっぷりと楽しませていただきましたよ♡」
「あ、あぁ……っ!」

 それじゃあ、今朝の時点で新田さんは既にアキラに【魅了】されていたということなのか……?
 俺は呆然と新田さんを見つめていた。
 
「嘘……ですよね?新田さん、そんな……。」
 
 脳に、新田さんの声が響き渡る。

『みどうのこと……せかいで、いちばん、あいしてる……っ♡』

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