Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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蒼乃宝箱。

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「…………こ、これは」

「凄まじい…………! なんですかこれ、水晶……? でも音は鉄で、少し暖かい……?」

「ちょっ、吉田くん! 測定器持って来て!? これ凄いよ!?」

 わいわい。ガヤガヤ。

 本当なら笹木さんや他の担当の人が来て進行をしてくれたはずの会合は、何故か私にセルフサービスだったけど、篠崎さんが丁度いい助け舟を出してくれるので進めやすかった。

 そうして、「プレゼンを始める前に、先に五層より上の素材を拝見させて貰ってから、どんな素材をどの様に加工出来るのか、自社が何を得意としてどの素材を任せて欲しいのかをアピールする形が良いのでは?」とオススメしてくれたので、先に素材の放出をする事に。

 つまり当然、この場に出すのは五層のサンダーレオからドロップする素材を初めとした、世界でも現在私しか持ってない超超超レア素材の数々だ。

 ちなみに銅竜素材は出してない。アレは情報の核爆弾なので、特に気に入ったメーカーにだけ降ろしたい。数も限られてるし。

「あ、当たり前ですけど素材をこっそり懐に…………、とかは考えないで下さいね? インベントリに格納すれば数はすぐ出ますから、すぐバレますよ」

 そんな事をされたら二度とそのメーカーは利用しないし、ペイッターの蒼乃フラムアカウントで呟くだけで大打撃を与えられる。

 たしかにレア素材だし、市場価格が未定で有りながらも莫大な値段が付くのが確定してるアイテム群だけども。

 でも盗まなくても、私に気に入られたら優先的に融通して貰えるのだ。そんな馬鹿な事をする人は居ないと願いたい。

「あぁっ、持って来た機材が足りないッ!? なんでマナ放射測定器は持って来てるのに! マナグラファイト試薬と四次結合メジャーを忘れた!? 担当は誰だぁッ!」

「あぁあぁ、モース硬度10ってこれ絶対もっと硬いだろ! だからダンジョン素材を想定してモース硬度は十段階より上を作れって何度も言ってるのにィ! ダイヤ粉砕出力でも砕けない水晶ですよ!? 吉田くん、もうこれ金属系の測定器を流用して!」

「……皮? これは、皮なのか? 定着率と伸縮率ゼロ? は?」

「は、反射値が限界突破…………? ちょ、蒼乃さんはこんなモンスターをどうやって……? やはり魔力干渉法則の……?」

 大惨事である。

 誰も私の話しを聞いちゃいねぇ。

 そも、ここに来た人は大体が技術屋か研究者を齧ってる人か、その手の人材を伴って来てる人だ。

 そんな人達に未知の素材を大量に見せたら、うん。こうなるよねって言う。

 だから、落ち着くまで暫く見守る。

 こう見ると、確かにそれぞれのメーカーが特に得意な素材と言うのがあるみたいだ。

 やはり金属系素材が一番扱いやすくて人気があるのだけど、それはそれとして、もうひと工夫を加える為の素材に選ぶサブマテリアルの人気はバラけてる。

 ガトリングエッジは金属系を特に好み、サブは要らないからとにかく金属をって感じだし、BBカーボニックは金属にプラスして植物系素材とグラファイト系鉱物を見てる。炭素系の加工に自信があるみたいで、植物系も炭素にして使うらしい。

 大黒屋は素材を選ばず、とにかく黒い素材が欲しいみたいで、BBカーボニックさんとグラファイト系素材を取り合ってたかと思えば、黒い発色の宝石を漁り始めたり、黒い木材を漁ったりしてる。

 ブレイバーブリンガーは「勇者っぽいデザインの装備」が強みらしく、装備を華美に出来る宝石系を見てはわっしょいわっしょいしてるし、「軽さ」が売りのカルヴンレイバーはそのまま軽量素材を漁ってる。

 幻想鍛冶集会は動物系の素材が得意みたいで、武器のこしらえに使うモンスター革とか、金属に添加したりそのまま使ったりする骨系素材が置いてあるエリアをガサゴソと掘り進めてる。

 DDスクリプトは電子制御技術を魔力制御に置き換えたシステマチックなアイテム作りが売りのメーカーで、私が使ってるアイズギアもここの製品だ。今はサンダーレオの素材を穴が空くほど凝視してる。

 電子制御から魔力制御に移行して、そこから更に魔力的な電気工学に技術を逆輸入するのかな?

 クラウンソードはブレイバーブリンガーさんとコンセプトが被り気味で、宝石系鉱物を取り合ってる。もう少しで肉体的な語り合いが始まりそうだ。

「落ち着きましたか?」

「……騒いで申し訳ないです」

「まさかこれ程とは思っておらず…………」

「宝箱さんの宝箱が宝箱過ぎたのです」

「誰が宝箱さんですか」

「蒼乃宝箱さん…………」

「怒りますよ?」

 一通り騒いだ後に、装備のプレゼンを初めて貰うために集まって貰った私は、申し訳なさそうにする彼ら彼女らに苦笑いを浮かべつつも、どうにか進行を務める。

 マジで進行役を送ってくれなかった笹木さん怨むからね。普通は担当社を一人は寄越すでしょ。有り得ないでしょ。

 なんだろう、流石に有り得なさ過ぎて、どこかで何かトラブったのかと思い始めた。後で確認してみよう。

「さて、では皆様も私が提供出来る素材の確認は充分以上に出来たみたいですから、早速プレゼンをお願い出来ますか? 私のメインウェポンは大戦斧の予定ですけど、有用そうなら他のアイテムでも採用するかも知れません。サブウェポンとか、便利アイテムとか」

 そも、今日は本番じゃなくて素材の引渡しがおもなのに、時間掛けすぎである。

 さっさと進めよう。



 ………………会合は夜までかかりました。

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