Blue Flame Little Girl 〜現代ダンジョンで地獄を見た幼女は、幸せに成り上がる〜

ももるる。

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気にしてなかった謎。

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 各社、気合いの入ったプレゼンをしてくれた翌日。

 凄まじい熱量を持った大人達に囲まれて長時間を過ごした結果、私はとても学校に行きたくなった。なので今日は学校だ。

「へいマーちゃん! 学校行くよ!」

「あーい!」

「ナイトー! おねがーい!」

「わぅんっ!」

 顔洗って歯磨きして朝ごはんを食べ、制服に着替えてお庭に出てナイトを召喚! いでよ私の騎士様ナイト

 私はもう、学校に行きたくて行きたくて仕方ないのだ。助けて肉球わんわんタクシー!

「ナイト、今日はコレで行こうね。DDスクリプトさんから貰ったの」

「わぅ?」

 前回はグレイパーってアイテムを利用してナイトに騎乗してたけど、今回はちゃんとナイト用のくらが有る。

 昨日の会合でDDスクリプトさんから貰ったのだ。

 なんでも、どこからか私がナイトに騎乗して学校に行ってるとの情報をキャッチしてたDDスクリプトさんが、私にプレゼントとして作ってくれてた。

 マスコミは潰したのに情報はどこから漏れたのかと言えば、まぁ通学途中に私を目撃した様々な人が呟いたペイッター等である。うん、そりゃそうや。

 それで、DDスクリプトさんは電子機器系の応用アイテムが得意なんだけど、アイズギアと同じシステムでナビゲーションとかしてくれる超高性能な鞍を作ってくれた。

 鞍の見た目は、なんて言うのかなコレ? ロボットアニメで見る様なコックピットをスッキリさせた感じ? うん、そんな感じの椅子と、座席の前に配置されたモニターが特徴だ。

 もちろんシートベルトも有るし、ナイトに装備させる為のベルトも、サイズにかなり余裕があって使いやすい。ナイトが大きさを微調整する必要が無いからね。

 製品化はしないだろうけど、敢えて製品名を付けるとしたら『ドッグライド』だそうで、真緒と一緒に乗れる様にタンデム仕様だ。有難い。

「いま付けてあげるからね」

 私はインベントリから蒼炎を介してドッグライドを出して、ナイトの背中に宛てがいながらベルトで取り付ける。

 一人ではちょっと難しいけど、真緒が手伝ってくれた。

「ナイト、かっこいい!」

「うんうん、似合うね~」

「わぅんっ♪︎」

 ドッグライドを装備したナイトを褒めると、喜んだナイトがまたアレ、しゃちほこのポーズをしてくれた。可愛い。でもこれナイト自身はカッコイイつもりなんだろうな。

 そんなこんなで出発だ。

 大きいナイトに寝そべって貰ってから、先に真緒をドッグライドの後部座席に座らせて、シートベルトをしっかりとしめる。

「お母さん、行ってきます!」

「はーい、行ってらっしゃい。気を付けて行くのよー? 真緒も、お姉ちゃんの言うことちゃんと聞いて、良い子にするのよ?」

「あーいっ!」

 そして出発。

 同じDDスクリプト社製と言うだけあって、アイズギアとも連動機能可能なドッグライド。

 だけど、ナビから得た情報を視界に『目視出来る道順ロケーター』を表示するまでもなく、ナイトは学校までの道を完璧に覚えているので、あっと言う間に到着する。

 まるで車に乗ってる様な座り心地で、快適な登校だった。

 これはもう鞍って言うか、パイロットシートだね。

「うん、いいなこれぇ。マーちゃんと二人でどこかにお出かけする時なら、ナビ機能もちゃんと使えるだろうし、良いもの貰ったなぁ。DDスクリプトさんの株とか買っちゃおうかなぁ」

 実はDDスクリプトさん、技術が先行し過ぎて経営が結構厳しいらしいのだ。

 アイズギアとか私にとっては紛うことなき神製品なんだけど、普通の人にとっては魔力操作で動く製品ってひたすら使いづらいらしく、そのせいでDDスクリプトさんは「ネタ製品をガチで作ってる変な会社」って評価が、世間のイメージだと言う。

 いやいや…………、そんな訳ないじゃないですか。

 今は難しいだけで、この先ずっとそうである訳がない。

 ダンジョンアタッカー達のレベルが上がって、魔力って物に馴染んだ人の母数が増えて行けば、その人たちはDDスクリプトさんの製品を手放せなくなるに決まってる。

 そんな独自技術を抱えてる会社が今潰れるのは、世界の損失だ。絶対に保護しなきゃ。

「そんなこんなで到着!」

「ちゃくー!」

「あぉーん!」

 今日も今日とて学校の入口に陣取るマスコミアホをノンストップで跳ねてロードキル(死んでない)、そのまま学校の敷地にエントリー!

 ちなみに跳ね飛ばされたアホたちはなんの比喩も無く吹っ飛んだ。

 カメラマンもアナウンサーも機材も纏めて轢いた。

 校門の外で何やら馬鹿共が騒いてるけど、校内に入って来たら不法侵入で即通報で現行犯逮捕だ。

 現行犯逮捕は一般人にも許された権利なので、容赦無くグレイパーを投げる所存である。そして笹木さんに口利きして人生を終わらせて貰う。

 さて、ガチめにアスファルトを転がって迫真の血塗れになったアホはほっといて! 学校である!

「ナイト、ありがとね」

「わぅぅうんっ♪︎」

「…………あぃえッ!?」

 シートベルトを外してナイトから降りて、真緒のシートベルトも外して降りるの手伝ってからドッグライドを外そうとする私。

 だけど、私が手を伸ばす前にナイトの背中にあるドッグライドが蒼炎に包まれたかと思えば、そのまま消え去ってしまった。

 ………………えっ!? 何が起きたの!?

「も、もしかして、ナイトもインベントリ使えるの?」

「わんっ」

 …………えぇ、マジですか。

 もしかして、ナイトのインベントリにも素材がザックザク? て言うか、もしかして、ナイトもDMに認められたプレイヤー扱い?

 だって、スキルを介してインベントリを使えるのって覚醒者だけでしょ? 今のナイトって、私の蒼炎だったけど、確かにスキルを使ってインベントリを使用したよね?

 と言うか、あれ? DMって死んだらアカウント消えるよね? インベントリの管理はDMで……? スキルとステータスが……?

 ダメだ混乱してきた。

「………………あっ」

 そう言えば、DMアカウントは自動作成だけど、手動作成も出来たりする……?

 ナイトは私と一緒にダンジョンへ落ちて、一緒にアカウントを手に入れたとして、ナイトが死んでアカウントが消えて、だけどステータスは残ってるとしたら…………?

 そのナイトがDMに登録し直したら…………?

 と言うか、そもそも、ナイトが幽霊である事を当たり前に受け入れたけど、もしかしてナイトが幽霊なのって、スキルの効果だったりするの…………?

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