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六畳一間
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ああ、良く寝た。体の疲れもスッキリとれた。ソファから手を伸ばしリモコンを手に取る。眼球を右へ回しテレビを眺める。窓を開け、鳥の囀りに耳を澄ませる。誰にも邪魔されないこの六畳一間に腰を据え目を閉じる。
ダブルベッド。2組の食器。2本の歯ブラシ。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
繋いだ手の感触。反射する長い髪の光。きゃっきゃと笑う音の振動。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
作り置きの夕食、乱雑に脱ぎ捨てられたドレス、ネオンに照らされた後ろ姿。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
伸ばした手、指の隙間を冷房の風がすり抜ける。
ああ、もう届かない。この六畳一間では入り切らなかった。
もういらない。もういらない。もういらない。
頭の中の六畳一間。
ダブルベッド。2組の食器。2本の歯ブラシ。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
繋いだ手の感触。反射する長い髪の光。きゃっきゃと笑う音の振動。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
作り置きの夕食、乱雑に脱ぎ捨てられたドレス、ネオンに照らされた後ろ姿。もういらない。この六畳一間には入り切らない。
伸ばした手、指の隙間を冷房の風がすり抜ける。
ああ、もう届かない。この六畳一間では入り切らなかった。
もういらない。もういらない。もういらない。
頭の中の六畳一間。
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