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第53話 夏祭り
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「おぉ、普段と人口密度が違うなぁ」
多賀がテンションマックスで叫ぶ。
「お、射的があるじゃん、みんなでやろうぜ」
剣崎も祭りの熱気に煽られたのだろう普段とはテンションが違う。
「こういうところに来ると男の子って本当に子供にもどるのよね」
桜が何かを思い出すかのように呟き、
「あの時もそうだったものね」
楓がそっと返す。
「何言ってるのよぉ。あの2人はいつだって子供じゃないの。ね藤島君」
理子はケラケラと笑いながら2人の背中を叩いていた。理子もテンションが上がっているようだ。
「ふふ、そうね」
楓が何気なくそれでいて意味深で寂しげな笑顔を見せた。
射的は藤島が小さなウサギのぬいぐるみを落としたものの、他は誰も取ることが出来なかった。
「理子。その、これあげるよ。さっき理子も狙ってただろ」
藤島は自分が落としたぬいぐるみを理子の手にのせ、照れくさそうに笑顔を見せる。
「ひゅーひゅー、藤島やるなぁ」
多賀がここぞとばかりに揶揄う。
「うっせ、いいだろ。理子にちょっとくらいいいところ見せたいって思ったって」
「う~ん、いいところ見せたいなんて照れなくてもいいのに。理子が欲しそうにしてたからあげたいって思ったんでしょ。そういう思いやりって大事よ。そういうところ藤島君は良いと思うな。理子、愛されてるわね」
楓がそっと理子に微笑んだ。そして
「多賀君も、こういう時は揶揄わないほうがいいわよ。自分を下げるだけよ」
そこまで言うと楓はふっと表情を緩め
「ごめんなさい。余計な事ね。かたい事は終わり。お祭りを楽しみましょ」
そこからは夏祭りの定番を楽しむ6人。
輪投げにちょうせんする多賀は
「1点足りねぇ。あそこで投げ輪をはじくかよぉ」
「くじ引きなんかやめなさいよ。そんな良い物当たらないってわかってるでしょ」
桜がくじ引きをしようとするのを引き留める楓。
「うわぁ、あとちょっとだったのに切れたぁ」
ヨーヨー釣りで釣り上げる寸前に落ちて嘆く剣崎。
「金魚かぁ。可愛いけどすぐ死んじゃうのよねぇ」
後ろ髪をひかれるように諦める桜。
「そろそろ花火会場に移動しようぜ」
19時30分を過ぎ、多賀が皆をさそう。
花火会場に向かって移動を始めるけれど、当然のように人が集まってきているため、かなり混雑してきた。
「うわぁ、これはぐれないように気をつけないとだ」
藤島がそういいつつ理子の手を握る。
「ひゅっ」
いきなりのことに理子が変な声をだし、藤島が
「あ、ごめん。急に手を繋いで……」
「ううん、大丈夫。ちょっとビックリしただけだから。はぐれないように手を繋いでいこう」
夏祭りの明かりに耳まで赤くしてそう言いながら藤島の腕を両手で抱き寄せる理子。
「あんなに純情だった理子が、大胆に……」
桜がボソっとつぶやいた。その横で楓は
「理子チャンスだからね。花火大会、周りは花火見るために上向いてるからね。キスするチャンスだからね」
とこっそり理子に囁いていた。
そして人波に揉まれながら花火大会会場に移動するメンバーではあったけれど。
「見事にはぐれたね」
そう言う多賀に
「わざとじゃないでしょうね」
ジロリと睨みながら言葉を口に乗せる楓。
「そんなわけないだろ。いくらなんでもそこまでのことはしないよ。そ、それにスマホで連絡は取れるから」
ふぅと溜息をつき
「なら、さっさと剣崎君に連絡しなさいよ」
それでも何となく理子に配慮する楓。
「わ、分かってるよ」
多賀が楓に促されスマホを取り出すと”~♪”。スマホから着信音が流れた。多賀は画面をタップし通話状態にする。
「おう、剣崎。今俺もお前に連絡しようと……」
「俺は橘さんが一緒にいる。ここは、会場の真ん中あたりの休憩スペースみたいなとこだ。それでどうする?」
「そうだな。でもそれじゃぁ」
「でもそれだと。」
「了解。でも藤島と北浦さんのふたりが一緒にいるかどうかは確認しよう。とりあえず、俺が電話する。確認したら剣崎にもこっちから連絡するからな」
通話を終了する多賀に楓が声を掛けた。
「今のは剣崎君?」
「ああ、むこうもはぐれたのに気付いて落ち着ける場所から掛けて来たらしい」
「どこにいるって?」
「少し離れているみたいだ。華押さんも一緒だそうで安心してくれって言ってた。それで花火が始まると動きが取れないし、人が減ったところで会場入口で待ち合わせしようってことになった。あと藤島と北浦さんに連絡するよ」
そう言って多賀はスマホの画面をタップし藤島の番号に掛ける。すぐにつながり藤島が理子と一緒にいることを確認すると多賀は剣崎と打ち合わせた内容を伝え、再度剣崎に通話で藤島と理子に伝えたことを連絡する。
「とりあえず一安心だな」
「そうね。それにしてもちょっと人混みを嘗めすぎてたわね」
楓が、そう言ったところで夜空に光の大輪が咲いた。
多賀がテンションマックスで叫ぶ。
「お、射的があるじゃん、みんなでやろうぜ」
剣崎も祭りの熱気に煽られたのだろう普段とはテンションが違う。
「こういうところに来ると男の子って本当に子供にもどるのよね」
桜が何かを思い出すかのように呟き、
「あの時もそうだったものね」
楓がそっと返す。
「何言ってるのよぉ。あの2人はいつだって子供じゃないの。ね藤島君」
理子はケラケラと笑いながら2人の背中を叩いていた。理子もテンションが上がっているようだ。
「ふふ、そうね」
楓が何気なくそれでいて意味深で寂しげな笑顔を見せた。
射的は藤島が小さなウサギのぬいぐるみを落としたものの、他は誰も取ることが出来なかった。
「理子。その、これあげるよ。さっき理子も狙ってただろ」
藤島は自分が落としたぬいぐるみを理子の手にのせ、照れくさそうに笑顔を見せる。
「ひゅーひゅー、藤島やるなぁ」
多賀がここぞとばかりに揶揄う。
「うっせ、いいだろ。理子にちょっとくらいいいところ見せたいって思ったって」
「う~ん、いいところ見せたいなんて照れなくてもいいのに。理子が欲しそうにしてたからあげたいって思ったんでしょ。そういう思いやりって大事よ。そういうところ藤島君は良いと思うな。理子、愛されてるわね」
楓がそっと理子に微笑んだ。そして
「多賀君も、こういう時は揶揄わないほうがいいわよ。自分を下げるだけよ」
そこまで言うと楓はふっと表情を緩め
「ごめんなさい。余計な事ね。かたい事は終わり。お祭りを楽しみましょ」
そこからは夏祭りの定番を楽しむ6人。
輪投げにちょうせんする多賀は
「1点足りねぇ。あそこで投げ輪をはじくかよぉ」
「くじ引きなんかやめなさいよ。そんな良い物当たらないってわかってるでしょ」
桜がくじ引きをしようとするのを引き留める楓。
「うわぁ、あとちょっとだったのに切れたぁ」
ヨーヨー釣りで釣り上げる寸前に落ちて嘆く剣崎。
「金魚かぁ。可愛いけどすぐ死んじゃうのよねぇ」
後ろ髪をひかれるように諦める桜。
「そろそろ花火会場に移動しようぜ」
19時30分を過ぎ、多賀が皆をさそう。
花火会場に向かって移動を始めるけれど、当然のように人が集まってきているため、かなり混雑してきた。
「うわぁ、これはぐれないように気をつけないとだ」
藤島がそういいつつ理子の手を握る。
「ひゅっ」
いきなりのことに理子が変な声をだし、藤島が
「あ、ごめん。急に手を繋いで……」
「ううん、大丈夫。ちょっとビックリしただけだから。はぐれないように手を繋いでいこう」
夏祭りの明かりに耳まで赤くしてそう言いながら藤島の腕を両手で抱き寄せる理子。
「あんなに純情だった理子が、大胆に……」
桜がボソっとつぶやいた。その横で楓は
「理子チャンスだからね。花火大会、周りは花火見るために上向いてるからね。キスするチャンスだからね」
とこっそり理子に囁いていた。
そして人波に揉まれながら花火大会会場に移動するメンバーではあったけれど。
「見事にはぐれたね」
そう言う多賀に
「わざとじゃないでしょうね」
ジロリと睨みながら言葉を口に乗せる楓。
「そんなわけないだろ。いくらなんでもそこまでのことはしないよ。そ、それにスマホで連絡は取れるから」
ふぅと溜息をつき
「なら、さっさと剣崎君に連絡しなさいよ」
それでも何となく理子に配慮する楓。
「わ、分かってるよ」
多賀が楓に促されスマホを取り出すと”~♪”。スマホから着信音が流れた。多賀は画面をタップし通話状態にする。
「おう、剣崎。今俺もお前に連絡しようと……」
「俺は橘さんが一緒にいる。ここは、会場の真ん中あたりの休憩スペースみたいなとこだ。それでどうする?」
「そうだな。でもそれじゃぁ」
「でもそれだと。」
「了解。でも藤島と北浦さんのふたりが一緒にいるかどうかは確認しよう。とりあえず、俺が電話する。確認したら剣崎にもこっちから連絡するからな」
通話を終了する多賀に楓が声を掛けた。
「今のは剣崎君?」
「ああ、むこうもはぐれたのに気付いて落ち着ける場所から掛けて来たらしい」
「どこにいるって?」
「少し離れているみたいだ。華押さんも一緒だそうで安心してくれって言ってた。それで花火が始まると動きが取れないし、人が減ったところで会場入口で待ち合わせしようってことになった。あと藤島と北浦さんに連絡するよ」
そう言って多賀はスマホの画面をタップし藤島の番号に掛ける。すぐにつながり藤島が理子と一緒にいることを確認すると多賀は剣崎と打ち合わせた内容を伝え、再度剣崎に通話で藤島と理子に伝えたことを連絡する。
「とりあえず一安心だな」
「そうね。それにしてもちょっと人混みを嘗めすぎてたわね」
楓が、そう言ったところで夜空に光の大輪が咲いた。
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