幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第206話 できればそうしたい

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「向こうでやるかどうかは別にして一度見に来ないかって言われてるんだ」
愛翔の言葉に黙り込む桜と楓。丘は、そんな3人を微笑ましく思いながら声を掛ける。
「ほらほら、愛翔君もまだ決めたって言ってる訳じゃないでしょ。だからこそ3月なんだろうし。ね愛翔君そうでしょ?」
丘の言葉に愛翔は頷いて
「進学も視野に入れると3月じゃないと無理って言ってあるんだよ。まあ向こうの都合もあるから実現するかどうかもまだわからないんだけどな」
「でも、卒業と同時にイタリアに行っちゃう可能性もあるってことよね」
桜が不安そうに尋ねる。
「そこは可能性の話。それにもし行くことになれば、今回はプロとしていくことになるから中学時代と違って時々帰国できるからな。あんな何年も会えないってことにはならないよ」
「それでも離れ離れは寂しいよ」
楓も離れるのは嫌だと駄々をこねる。
「まだ決まったわけでもないのに、2人とも少し大げさだよ。まず俺がセリエAで認められて、なおかつポジションに空きが無いといきなりイタリアってのは無理だからさ」
「それでも……」
「それに楓は法律で、桜はマネジメントで俺をサポートしてくれるんだろ。これでも俺は2人を頼りにしてるんだからさ頼むよ」
「「え?」」
愛翔の2人を頼りにしているというほとんど初めてと言える言葉に桜も楓も一瞬固まる。
「愛翔、それって」
楓の言葉に愛翔は照れくさそうに頭を掻く。
「まだラスボス戦が残っているし、超えなきゃいけないハードルは多いから、言い切れないけど。できればそうしたい。そう思ってる」
「あいとー」
愛翔の言葉に最初に動いたのは桜。愛翔に抱きつき、離さないと抱きしめる。楓もその頬を流れるものを隠すことが出来ないでいる。
「あー、その3人で感動のシーンを演じているところ申し訳ないんだけど。一応ここカフェだからね。周りに人がいるから」
丘が申し訳なさそうに3人の勢いを止めた。
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