幼馴染の初恋は月の女神の祝福の下に

景空

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第245話 プロポーズ

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ゲームの結果は2対0でステラスターFCが順当に勝利を収めた。
勝利自体は順当であったけれど、内容は順当とは言い切れなかった。
オフェンスにディフェンスに存在感を示し、それどころかいつの間にか司令塔としての役割を一部果たしていた愛翔はゲーム後のロッカールームでチームメンバー達の荒っぽい祝福を受けていた。
「こんなニュービー見たこと無いぞ」
バンバンと愛翔の背中を叩くアグラ・悠の言葉に頷き
「こんな優男風の見掛けで屈強なディフェンダーを吹き飛ばしたときには開いた口がふさがらなかったぞ」
常に後ろから愛翔の動きを見ていたゴールキーパー若山が愛翔の頭をガシガシと乱暴に撫でる。
他のメンバー達も愛翔の肩をどやしつけ、背中を叩く。そして
「住吉、とりあえず今日のところは合格だ」
八森が愛翔に今回の評価を告げる。
「とりあえず?」
周囲が訝し気な反応をする。
「おいおい、八森さん。とりあえずってのは無いんじゃないか?今日の住吉の結果なら十分に合格だろう」
そんなアグラ・悠の言葉に八森はウィンクをしつつ。
「契約金や年棒の評定をしたいんでな。しばらくはスポット扱いだが評価期間という事でトップチームに迎えることになった。あと正式な契約は住吉の高校卒業にあわせて行う予定だ。住吉は未成年だから、その時には親御さんにも同席願う事になる。話をしておくように。まあよほどの事が無い限りトップ昇格ってことだ。これからは金を受け取ってサッカーをすることになる。覚悟を決めておけよ」
「はい、ありがとうございます」

マスコミを相手にしたインタビュー、ファンとの交流タイムを終え愛翔は桜と楓と共に新幹線駅近くのビル、その45、46階の展望デッキに来ている。眼下に街の灯りが美しい。
「あいとー、おめでとう。これで愛翔の夢がかなうのね」
「私達も愛翔を支えられるように頑張るからね」
「ありがとう。ふたりが支えてくれたからここまで頑張れたよ」
そこで愛翔は言葉を切り、2人と正面から向き合った。
「桜」
「楓」
愛翔の真剣な呼びかけに桜と楓は顔を引き締め愛翔に向き合う。
「生まれてからの幼馴染で、一緒にいるのが当たり前になってて、病気の時も支えてくれて、いつの間にか2人の事を幼馴染以上に思うようになってた。2人ともが大事で、2人ともが大好きで、それでも以前はどちらかを選ばないといけないって思って悩んだ。でも、俺は欲張りになることにしたよ。これからの人生、2人とも俺と一緒に歩いてくれ」
桜と楓の瞳が潤む。
「愛翔、遅い」
桜が愛翔の脇腹に拳をぶつける。
「でも、遅すぎなかったから許してあげる。そして一生離れないからね」
そう言うと桜は愛翔の唇に自分の唇を寄せた。
「愛翔。私もずっと待ってたのよ。断るわけないじゃない。桜と一緒に愛翔を一生支えてみせるわ」
楓も桜に続き愛翔の唇にキスをする。
「桜、楓。ありがとう。これからもよろしくな」
そう言うと、愛翔は2人を一緒にだきよせた。
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