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第246話 ケジメ
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月曜日。いつも通りの朝。愛翔がランニングを終えシャワーを浴びたところで桜につかまった。
「ねえ愛翔。昨日のはプロポーズよね」
桜がじとりとした目つきで愛翔を睨む。桜の愛翔を見るこんな視線は珍しい。
「え、そのつもりだったけど。何かまずいことやっちゃったか?」
「違うわよ。むしろなんでしないのって話よ」
「あー、それってエッチな関係の話か?」
愛翔の返しに桜はぼっと火が出るように顔を赤く染めた。
「そ、そうよ。愛翔がプロポーズしてくれて、あたしと楓は受け入れたじゃないの。そのまま愛翔の家に泊まれば、あれは、もう普通そのまま最後まで行くながれでしょう。なのになんでしないのよ」
桜の後ろでは楓がコクコクと頷いている。
「あたしは、ううん、楓だってきっとそのつもりだったのに。プロポーズしてくれたのに、あたし達ってそういう対象としては実はそんなに魅力ない?」
ここに至って桜は不安げな顔を見せた。”しまったな”愛翔は自身の言葉足らずを自覚し
「そう言うのじゃないんだ。桜も楓も凄く魅力的な女の子だよ。今までだって我慢するのに必死だった」
桜がむぅという顔で不満を表明しつつ口を開いた。
「前にも言ったわよね。我慢しないでって」
そこに至って楓がふんわりと言葉を重ねてきた。
「魅力がって事じゃないなら、愛翔としての別の理由でもあるのかしら。今更変な遠慮は無しよ」
楓はそこまで言って、ふと気づいたように気づかわし気な雰囲気になる。
「あ、ひょっとして、その、もしかしてごめんなさい」
愛翔の”将来普通には子供が出来ない可能性があるって言われたんだよ”楓もこの言葉は桜から聞いていた。だからこそ、愛翔にとってデリケートなデリケートすぎる部分に無遠慮に踏み込みすぎたかと控えようとしたところに愛翔が口を開いた。
「そっちの話は、このあいだ検査をして、結果、僅かだけど回復傾向にあるそうだ。だからそこまで気にしなくていい」
それは楓としても桜としても喜ばしいことで
「え、そうなのね。よかった」
と桜と楓が手を握り合い喜びを共有している。そしてさらに楓が気付く
「なら、なおさらどうして?」
「いや、なおさらってのはわけわからんけど」
そこで愛翔は一瞬目を泳がせ口にした言葉は
「ケジメだよ」
桜も楓も”今更なに?”と思いつつ。
「けじめって、ちゃんとプロポーズしてくれたじゃないの」
桜がケジメはついていると主張したのに対して、愛翔のこたえは
「2人に対してだけじゃないだろケジメってのは。理沙さん直樹さん麗奈さん慎一郎さんへもちゃんと言わないと」
「うーん、それいるかなあ。多分うちの両親はもうしてるって思ってるわよ」
桜がぶっちゃける。
「あ、うちも多分。ていうかそのあの日に持っていったアレ、お母さんに持たされたやつだから」
楓が”もう手遅れ”と答えた。
「ねえ愛翔。昨日のはプロポーズよね」
桜がじとりとした目つきで愛翔を睨む。桜の愛翔を見るこんな視線は珍しい。
「え、そのつもりだったけど。何かまずいことやっちゃったか?」
「違うわよ。むしろなんでしないのって話よ」
「あー、それってエッチな関係の話か?」
愛翔の返しに桜はぼっと火が出るように顔を赤く染めた。
「そ、そうよ。愛翔がプロポーズしてくれて、あたしと楓は受け入れたじゃないの。そのまま愛翔の家に泊まれば、あれは、もう普通そのまま最後まで行くながれでしょう。なのになんでしないのよ」
桜の後ろでは楓がコクコクと頷いている。
「あたしは、ううん、楓だってきっとそのつもりだったのに。プロポーズしてくれたのに、あたし達ってそういう対象としては実はそんなに魅力ない?」
ここに至って桜は不安げな顔を見せた。”しまったな”愛翔は自身の言葉足らずを自覚し
「そう言うのじゃないんだ。桜も楓も凄く魅力的な女の子だよ。今までだって我慢するのに必死だった」
桜がむぅという顔で不満を表明しつつ口を開いた。
「前にも言ったわよね。我慢しないでって」
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楓はそこまで言って、ふと気づいたように気づかわし気な雰囲気になる。
「あ、ひょっとして、その、もしかしてごめんなさい」
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「なら、なおさらどうして?」
「いや、なおさらってのはわけわからんけど」
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楓が”もう手遅れ”と答えた。
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