66 / 119
66,美少女巫女さん。
しおりを挟む
ラザ帝国への不法入国に、すんなりと成功。
あとは国内旅行者のフリで移動し、これという問題さえ起こさなければ良し。隠密スキルは聖都侵入のために取っておこう。
「ところでベロニカさん、聖都ってどっちの方角にあるんですか?」
「うーん。知らない」
「だけど、いちど行ったことがあるんですよね?」
「あるけどねぇ、アリア。そのときは、アーテルの使節団に冒険者ギルドの代表その6、くらいの立場で加わったわけで、移動用の豪華な馬車も向こうさんが用意してくれて、あたしは──別になんでもない」
「なんです?」
反省の仕草で白状するベロニカさん。
「……接待の女の子とイチャついてました」
とりあえず、街道をみつけたので、それに沿って移動することにした。途中、かなり大きな乗合馬車の停留所を発見。ここで聖都行きに乗るとしよう。
ところがラザ帝国では、一般市民以上(つまり奴隷身分ではない者)は、身分証携帯が義務付けられており、それがないと馬車に乗れない。というより公けの場で身分証を提示できないと、脱走奴隷の疑いで逮捕される嫌がらせシステムだった。
ミリカさんが、乗合の御者を指さしながら、ベロニカさんに言う。
「貴様の色仕掛けで落としてこい」
「なんで、あたしが? あんな汚いおじさん相手に」
「貴様の得意分野だろ」
「ミリカちゃーん、帝国の土に埋まる覚悟あっての発言よねぇ?」
低次元ないさかいに付き合っているヒマはないので、【隠密領域】より《視界不良》を発動。《視界不良》は『敵から発見されにくくなる』スキル。
この場合、敵にレベル概念があるのならば、それが低いほうが《視界不良》効果は強かろう。まず御者さんを敵に認定したならば、Lv.1だろう。《視界不良》をパーティ仲間(ミリカさんとベロニカさん)にかければ、私たちは透明人間のようなものだ。
また乗合馬車の乗客にまで使う必要はない。私たちが堂々と座っていれば、こちらが身分証を御者に提示したものと疑うこともないだろうから。
にしても、こんなところで入手したての隠密スキルを使うハメになるなんて。人間社会において騒ぎを起こさず任務を遂行するということは、【覇王魔窟】中層階を攻略するより難しかったりするのかも。
何はともあれ、無事に聖都まで運んでもらえた。
栄えある聖都さん。
当然、聖都内に入るためには、聖都の警備兵(通称、聖兵)に身分証提示は必須。そこで《視界不良》を維持したまま、《操縦》飛行で聖都内へと飛んでいくことにした。飛行となれば、いくら《視界不良》を使っていても目立つので、日が沈んでからにする。
ただ《操縦》で飛ばす魔改造鍬〈スーパーコンボ〉からして、私と一度に運べるのは一人まで。つまり、どちらかを先に運んでから降ろし、またもう一人を運ぶため戻る手順だ。それを説明したところ、驚くべきことに、揉めた。
「あたしが、先にアリアに運んでもらうから。ミリカはここで待ってなさいねぇ。躾けられたワンちゃんのように、『待て』よ『待て』」
「ベロニカ。貴様は、あそこに落ちている馬糞に顔を沈めているのが、最もお似合いだぞ。私がアリアさんと聖都侵入している間、貴様はあそこの馬糞にダイブしていろ」
「なんですって!」
「なんだと!」
なるほど。冒険者ギルドの腕利きと、次期領主の伯爵令嬢が、こんな下らないことで揉めるのだ。世界がいつまでたっても平和にならないわけだよねぇ。
仕方ないので、二人を同時に運んだ。〈スーパーコンボ〉には苦労かけます。聖都内の路地裏に着地。
「さてと。ダメ元で尋ねますけど、ベロニカさん。聖ルーン騎士団の居所に当てはありますか?」
「ごめんなさいアリア。あなたのためなら、心臓でも差し出せるあたしだけれど、知らないことは教えられないわぁ」
ミリカさん、あからさまな舌打ち。
「役に立たない女だな」
「うるさいなぁ、ミリカちゃん。腋臭ちゃん」
「貴様、それをまだ言うか! 名誉棄損で訴えるぞ」
喧嘩するほど仲がいいは幻想なのか。
二人が仲悪く言い争っている間に、私は移動を開始。
聖都の中央には、大きな神殿がある。聖都そのものがダンジョンならば、ダンジョンボスが鎮座しているのは、あの神殿だろう。
単身、《操縦》で飛んで、神殿内へ。
ほう。無宗教の私でさえも、厳かさを感じさせる空間だ。中央には、巨大な女神像が立っている。それを眺めていたら、後ろから気配がした。
ゆっくりと振り返ると、巫女装束の少女が滑るようにしてやって来る。桜色の髪に、透き通る蒼い瞳。まさしく美少女さんです。
そんな美少女巫女さんが言う。
「どうじゃ、高貴なる御姿じゃろう。わらわたちローズ教徒が崇める女神、アリエル様を模った像じゃ」
「アリエルですか? その名前は──」
「ほう。やはりうぬは、【覇王魔窟】内でアリエル様のお声を聞いていたか」
すると、攻略記録ポイントの設定などしてくれる、あのサポート担当のアリエルさんが? あの美人な声のお姉さん、女神さまだったとは。
「女神さまなのに、【覇王魔窟】内でこき使われている印象でしたけど?」
巫女さんは顔をしかめた。
「うぬに指摘されるまでもない。アリエル様は、【覇王魔窟】に囚われておられる。アリエル様を解放するのが、わらわたちの務めじゃ。そのために、うぬの体内を流れる魔素、頂戴するぞ」
とたん、潜んでいた聖ルーン騎士団の方々が、飛び出してきた。
ほう、罠だったのか。しかし、なぜ私がこの時間、ここに来ると分かったのだろう? 仮にずっと尾行していたとしても、この神殿にやって来るとまでは、読めなかったはずでは?
私の疑問に、巫女さんが親切に応えてくれた。
「わらわの未来予知スキルのなせる業じゃ」
そうして巫女さんの瞳が、とても清冽に輝くのだった。
わぁ、より美少女度が増すっ!
あとは国内旅行者のフリで移動し、これという問題さえ起こさなければ良し。隠密スキルは聖都侵入のために取っておこう。
「ところでベロニカさん、聖都ってどっちの方角にあるんですか?」
「うーん。知らない」
「だけど、いちど行ったことがあるんですよね?」
「あるけどねぇ、アリア。そのときは、アーテルの使節団に冒険者ギルドの代表その6、くらいの立場で加わったわけで、移動用の豪華な馬車も向こうさんが用意してくれて、あたしは──別になんでもない」
「なんです?」
反省の仕草で白状するベロニカさん。
「……接待の女の子とイチャついてました」
とりあえず、街道をみつけたので、それに沿って移動することにした。途中、かなり大きな乗合馬車の停留所を発見。ここで聖都行きに乗るとしよう。
ところがラザ帝国では、一般市民以上(つまり奴隷身分ではない者)は、身分証携帯が義務付けられており、それがないと馬車に乗れない。というより公けの場で身分証を提示できないと、脱走奴隷の疑いで逮捕される嫌がらせシステムだった。
ミリカさんが、乗合の御者を指さしながら、ベロニカさんに言う。
「貴様の色仕掛けで落としてこい」
「なんで、あたしが? あんな汚いおじさん相手に」
「貴様の得意分野だろ」
「ミリカちゃーん、帝国の土に埋まる覚悟あっての発言よねぇ?」
低次元ないさかいに付き合っているヒマはないので、【隠密領域】より《視界不良》を発動。《視界不良》は『敵から発見されにくくなる』スキル。
この場合、敵にレベル概念があるのならば、それが低いほうが《視界不良》効果は強かろう。まず御者さんを敵に認定したならば、Lv.1だろう。《視界不良》をパーティ仲間(ミリカさんとベロニカさん)にかければ、私たちは透明人間のようなものだ。
また乗合馬車の乗客にまで使う必要はない。私たちが堂々と座っていれば、こちらが身分証を御者に提示したものと疑うこともないだろうから。
にしても、こんなところで入手したての隠密スキルを使うハメになるなんて。人間社会において騒ぎを起こさず任務を遂行するということは、【覇王魔窟】中層階を攻略するより難しかったりするのかも。
何はともあれ、無事に聖都まで運んでもらえた。
栄えある聖都さん。
当然、聖都内に入るためには、聖都の警備兵(通称、聖兵)に身分証提示は必須。そこで《視界不良》を維持したまま、《操縦》飛行で聖都内へと飛んでいくことにした。飛行となれば、いくら《視界不良》を使っていても目立つので、日が沈んでからにする。
ただ《操縦》で飛ばす魔改造鍬〈スーパーコンボ〉からして、私と一度に運べるのは一人まで。つまり、どちらかを先に運んでから降ろし、またもう一人を運ぶため戻る手順だ。それを説明したところ、驚くべきことに、揉めた。
「あたしが、先にアリアに運んでもらうから。ミリカはここで待ってなさいねぇ。躾けられたワンちゃんのように、『待て』よ『待て』」
「ベロニカ。貴様は、あそこに落ちている馬糞に顔を沈めているのが、最もお似合いだぞ。私がアリアさんと聖都侵入している間、貴様はあそこの馬糞にダイブしていろ」
「なんですって!」
「なんだと!」
なるほど。冒険者ギルドの腕利きと、次期領主の伯爵令嬢が、こんな下らないことで揉めるのだ。世界がいつまでたっても平和にならないわけだよねぇ。
仕方ないので、二人を同時に運んだ。〈スーパーコンボ〉には苦労かけます。聖都内の路地裏に着地。
「さてと。ダメ元で尋ねますけど、ベロニカさん。聖ルーン騎士団の居所に当てはありますか?」
「ごめんなさいアリア。あなたのためなら、心臓でも差し出せるあたしだけれど、知らないことは教えられないわぁ」
ミリカさん、あからさまな舌打ち。
「役に立たない女だな」
「うるさいなぁ、ミリカちゃん。腋臭ちゃん」
「貴様、それをまだ言うか! 名誉棄損で訴えるぞ」
喧嘩するほど仲がいいは幻想なのか。
二人が仲悪く言い争っている間に、私は移動を開始。
聖都の中央には、大きな神殿がある。聖都そのものがダンジョンならば、ダンジョンボスが鎮座しているのは、あの神殿だろう。
単身、《操縦》で飛んで、神殿内へ。
ほう。無宗教の私でさえも、厳かさを感じさせる空間だ。中央には、巨大な女神像が立っている。それを眺めていたら、後ろから気配がした。
ゆっくりと振り返ると、巫女装束の少女が滑るようにしてやって来る。桜色の髪に、透き通る蒼い瞳。まさしく美少女さんです。
そんな美少女巫女さんが言う。
「どうじゃ、高貴なる御姿じゃろう。わらわたちローズ教徒が崇める女神、アリエル様を模った像じゃ」
「アリエルですか? その名前は──」
「ほう。やはりうぬは、【覇王魔窟】内でアリエル様のお声を聞いていたか」
すると、攻略記録ポイントの設定などしてくれる、あのサポート担当のアリエルさんが? あの美人な声のお姉さん、女神さまだったとは。
「女神さまなのに、【覇王魔窟】内でこき使われている印象でしたけど?」
巫女さんは顔をしかめた。
「うぬに指摘されるまでもない。アリエル様は、【覇王魔窟】に囚われておられる。アリエル様を解放するのが、わらわたちの務めじゃ。そのために、うぬの体内を流れる魔素、頂戴するぞ」
とたん、潜んでいた聖ルーン騎士団の方々が、飛び出してきた。
ほう、罠だったのか。しかし、なぜ私がこの時間、ここに来ると分かったのだろう? 仮にずっと尾行していたとしても、この神殿にやって来るとまでは、読めなかったはずでは?
私の疑問に、巫女さんが親切に応えてくれた。
「わらわの未来予知スキルのなせる業じゃ」
そうして巫女さんの瞳が、とても清冽に輝くのだった。
わぁ、より美少女度が増すっ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
追放された俺の木工スキルが実は最強だった件 ~森で拾ったエルフ姉妹のために、今日も快適な家具を作ります~
☆ほしい
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺は、異世界の伯爵家の三男・ルークとして生を受けた。
しかし、五歳で授かったスキルは「創造(木工)」。戦闘にも魔法にも役立たない外れスキルだと蔑まれ、俺はあっさりと家を追い出されてしまう。
前世でDIYが趣味だった俺にとっては、むしろ願ってもない展開だ。
貴族のしがらみから解放され、自由な職人ライフを送ろうと決意した矢先、大森林の中で衰弱しきった幼いエルフの姉妹を発見し、保護することに。
言葉もおぼつかない二人、リリアとルナのために、俺はスキルを駆使して一夜で快適なログハウスを建て、温かいベッドと楽しいおもちゃを作り与える。
これは、不遇スキルとされた木工技術で最強の職人になった俺が、可愛すぎる義理の娘たちとのんびり暮らす、ほのぼの異世界ライフ。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる