転生モブは幸せ目指します!

文麗

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なな

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チリンチリン…
ドアを開けると、取り付けられた鈴が鳴り、奥から人が出てきた。

「いらっしゃいませ。「鈴鳴店すずなるてん」へようこそ。
 私、店主のアストレイアと申します。
 レイアと御呼び下さい。」
出てきたのは焦げ茶の髪と瞳をした、
三十代位に見える上品な女性だった。
絶世の美女ではないが、
そこそこ整った綺麗な顔立ちをしていて、スタイルもそこそこだ。

「御丁寧にありがとうございます。アリスです。」
「クリストファーです。」
「ドアの鈴には気付かれましたでしょうか?」
「はい。」
「実はこの鈴、人を選ぶのです。」
「人を選ぶ?」
「はい、この鈴が選ぶのは
 商品のパートナーでございます。」
「パートナー?」
「この店にある商品達はお客様を選ぶのです。
 誰にでも、生涯を共にする道具があります。ここでは、
 そんな道具を手に入れることが出来るのです。」

何それめっちゃファンタジーっぽい!興奮してくる~

「早速御覧になりますか?」
「はい!」
「それでは付いてきて下さい。」

レイアさんに付いていくと、床に魔方陣が描かれた部屋に着いた。

「それでは始めます。
 さ迷える道具達よ。真の主の前に姿を現したまえ!」

レイアが呪文を唱えると、魔方陣が輝き、アリスの前には杖が、
クリスの前には本が現れた。

「これらは何でしょうか。」
「この杖はマジカルリングといいます。普段は指輪型で、
 使うときにこのような杖になります。
 形は念じれば変わります。」

試しに念じてみた。すると本当に指輪になり、
右中指にぴったりと嵌まった。
さらに念じると、パキンと金属音を発てて杖になった。
初めての筈なのに、使い方も分かるし、
なんだかもとから一体だったような、懐かしい気がした。

「この本はストレージブックといいます。
 ページを開いて物体やエネルギーに向けると
 収納することが出来ます。使ったページには、
 収納したものの名前が記録されます。」

アリスが杖の性能を確かめている間、
平行してクリスも確かめていたようだ。

「いくらですか?」
「お代は大丈夫です。ご来店ありがとうございました。」

チリンチリン…
鈴の音を鳴らしながらドアが開く。
入るときには何も感じなかったのに、
今はなんだか出たら2度と戻って来ることは出来ないような、
だから

「ありがとうございました。」

お礼を言わないといけない気がした。
アリス達が店の外に出ると、大通りは静まり、
真上にあった太陽は、ゆったりと沈み始めていた。

「もうこんな時間ですか。
 随分と長居してしまっていたようです。」
「そうですね。もう帰りますか?」
「いえ、最後に広場に行ってから帰りましょう。」
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