君にとって花火は何色ですか?

じゅうや

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1.花火は人を引き寄せる

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蝉たちの鳴き声、気温も上昇し、湿気でジメジメしてきた7月。季節はもう夏である。



__夏と言えば?と聞かれたら。



お祭り、海、アイス、風鈴そして…僕ならまっ先に…花火と答えるだろう。



目の前に広がるありふれた色の光景。胸の奥まで響く音。歓声をあげる人たち。



__俺は今、花火を見ている。



幼い頃、祖父が言っていた言葉を思い出した。



「いいかケント。花火は咲いた時には花だが散っていく時には星になるんだ。頂点でパッと咲き、落ちては光を無くす。あれらは全てひとつひとつ、星なんじゃ。」

「花なのに、星なの~?」

「ああ、そうじゃ。その花でもあり星でもある彼らを、ワシらは見届けてるんじゃ。ケントも恋人が出来たら一緒に見るんじゃぞ。2人で見たほうが楽しいからな。」

「うん!!」



幼い頃の記憶だが、鮮明に覚えている。気づいたら目頭が熱くなっていた。

1人で泣きながら花火見てる男なんて、虚しいにおほどがあるので我慢した。



「ねえ、あなた、1人?」

「うぇ?俺すか」

「あなた以外にいないでしょ」



黒髪ショートで、綺麗な浴衣姿の女性が話しかけてきた。あまりに突然なことだったので微妙な反応をとってしまった。



「1人で見るより、2人で見たほうが楽しくない?」



__その言葉は、かつての祖父を彷彿とさせた。自然と涙が出ていた。



「…え、え?なにがあったか知らないけど、私も1人だから隣座るわ。だから、ほら…、その、」



女性は俺にハンカチを差し出してくれた。僕はそれを受け取り、涙を拭った。男として情けないとこをみせてしまった。



「ありがとう…えっとお姉さん?」

「隅田よ。あと疑問系にしないで、そんな年いってないから。」

「俺は花道。えーとよろしく、隅田さん。」

「ええ、よろしく、花道くん」



運命というのは、どうして、如何にしてやってくるのか。いつやってくるのかも、だれにも予想がつかないと、俺は思う。



__花火もクライマックス。1番大きい、橙色の花火が、いま打ち上がった。
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