君にとって花火は何色ですか?

じゅうや

文字の大きさ
2 / 15

2.祭りのあと

しおりを挟む
結論から言うと、

1人で見に来た花火大会ですが、最終的には2人になりました。

メインイベントの花火打ち上げが終わり、人の波に乗るように帰り道を歩いてく俺たち。

「隅田さんはこのまま帰るんですか?」

「そうね、早く着替えたいし」

「その浴衣、自分で着付けしたんですか?」

「お店の人にやってもらったわ」

「そうなんですか、俺もやってもらいましたよ」

たわいもない会話を交わす。初めて出会ったばっかの人と話すのは、ほんのちょっぴり緊張する。隅田さんは落ち着いていて大人びている印象だ。隣に歩いているのに話す時はこちらのほうに顔を向けてくれる。そういった所作から、しっかりした人なんだなと思う。

「電車ですか?」

「いえ、家がこの近くだから歩きよ」

「あーじゃあ途中まで一緒すね」

「あなたもこの辺なのね」

駅のほうから遠ざかり、人気が少ない道に出る。交差点を渡り、まっすぐ、そして右に曲がり住宅街へ入る。もうすぐ俺の住んでるアパート……。

あれ??隅田さんまだ隣にいる…。

「ねえまさか」



俺から疑問をかける前に隅田さんのほうから声をかけてきた。次に出てくる言葉が大いに予想が出来る。

おそらく……

「ここに住んでるの?」

ほらきた。しかしまあ、こんな偶然もあるんだなぁ。

「そうですよ」

 彼女の顔をのぞくと、驚いた様子があまり見られない。やっぱりクールな人だ。

「じゃあ、またどこかで」

「あ、はい、また…」

 互いに挨拶を交わし、それぞれの部屋へ帰った。

またどこかでって言ってたけど、同じ地点にいるのでどこもなにもないような気がする。朝のごみ出しの時とかに会うだろうし。

 部屋に入り、シャワーを浴びて、ベッドに寝転がった。なにか食べたい気分になったので、冷蔵庫の中身を見るが、なにも入ってない。その下の段を見るとアイスがあったので俺はアイスを頬張った。

 
 ~♪


インターホンが鳴った。時刻は21時過ぎ。こんな時間に訪問なんて初めてなので少し困惑してしまう。しばらくするともう一度鳴った。恐る恐るドアを開けてみると…私服の女性がいた。

「あ、あの…、一緒に、こ、コンビニまで行かない?」

「…へ?」


 半袖のパーカーを着た女性の正体は…隅田さんだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】

remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。 本宮 のい。新社会人1年目。 永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。 なんだけど。 青井 奏。 高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、 和泉 碧。 初恋の相手らしき人も現れた。 幸せの青い鳥は一体どこに。 【完結】 ありがとうございました‼︎

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

【本編完結】初恋のその先で、私は母になる

妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
王宮で12年働き、気づけば28歳。 恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。 優しく守ろうとする彼。 けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。 揺れる想いの中で、彼女が選んだのは―― 自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。 これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。 ※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。

帰国した王子の受難

ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。 取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。

繰り返す夜と嘘 〜【実録】既婚の僕と後輩の彼女、あの夜のキスから始まった13年の秘密〜

まさき
恋愛
結婚して半年の僕と、同じ職場の彼女。 出会った頃は、ただの先輩と新入社員だった。   互いに意識しながらも、 数年間、距離を保ち続けた。   ただ見つめるだけの関係。   けれど――   ある夏の夜。 納涼会の帰り道。   僕が彼女の手を握った瞬間、 すべてが変わった。   これは恋でも、友情でもない。   けれど理性では止められない、 名前のない関係。   13年続いた秘密。 誓約書。 そして、5年の沈黙。   これは――   実際にあった「夜」の記録。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】 積み上がった伏線の回収目前!! 夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。 長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。 待っていたのは、凍てつく絶望。 けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。 「夫は愛人と生きればいい。  今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」 それでも私は誓う―― 「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」 歪で、完全な幸福――それとも、破滅。 “石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。

妾に恋をした

はなまる
恋愛
 ミーシャは22歳の子爵令嬢。でも結婚歴がある。夫との結婚生活は半年。おまけに相手は子持ちの再婚。  そして前妻を愛するあまり不能だった。実家に出戻って来たミーシャは再婚も考えたが何しろ子爵領は超貧乏、それに弟と妹の学費もかさむ。ある日妾の応募を目にしてこれだと思ってしまう。  早速面接に行って経験者だと思われて採用決定。  実際は純潔の乙女なのだがそこは何とかなるだろうと。  だが実際のお相手ネイトは妻とうまくいっておらずその日のうちに純潔を散らされる。ネイトはそれを知って狼狽える。そしてミーシャに好意を寄せてしまい話はおかしな方向に動き始める。  ミーシャは無事ミッションを成せるのか?  それとも玉砕されて追い出されるのか?  ネイトの恋心はどうなってしまうのか?  カオスなガストン侯爵家は一体どうなるのか?  

処理中です...