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第3章 揺れる心、試される絆
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封印の森から戻った翌日、リオは村の広場でセラと並んで座っていた。空は澄み渡り、風が穏やかに吹いていたが、ふたりの間には言葉がなかった。
「……昨日のこと、夢みたいだったな」
リオがぽつりと呟くと、セラは静かに頷いた。
「でも、現実だよ。星の樹が目覚めた。世界は少しだけ、闇から遠ざかった」
リオはセラの横顔を見つめた。彼女の表情は穏やかだったが、どこか遠くを見ているようだった。
「セラ……君は、怖くないの? これから先、何が起こるかもわからないのに」
セラは少しだけ目を伏せた。
「怖いよ。でも、止まったら、星はもう二度と輝かない。私は……選ばれたから」
その言葉に、リオは胸が痛んだ。
「選ばれたって……それって、君が犠牲になるってことじゃないの?」
セラは答えなかった。ただ、風に髪を揺らしながら、空を見上げていた。
その夜、リオは再び夢を見た。
今度は、暗闇の中で星が消えていく光景だった。ひとつ、またひとつと星が落ち、空が黒く染まっていく。そして、最後に残った星が、セラの胸元で淡く光っていた。
「リオ……助けて……」
目が覚めたとき、リオは息を荒げていた。夢とは思えないほど、現実味のある感覚だった。
翌朝、村に異変が起きた。
広場の中央に、見慣れない男が立っていた。黒いローブをまとい、顔の半分を仮面で覆っている。村人たちは距離を取りながら、恐る恐る様子をうかがっていた。
「星の巫女を出せ」
男は低い声で言った。
「この村にいることはわかっている。彼女の力は、我々が必要としている」
リオはセラの手を引いて、裏道から村の外れへと逃げた。
「誰なの、あの人……?」
「わからない。でも、君を狙ってるのは確かだ」
ふたりは森の中へと身を隠した。木々の間を縫うように進み、やがて小さな洞窟にたどり着いた。
「ここなら、しばらくは安全だと思う」
セラは洞窟の壁にもたれながら、静かに言った。
「彼は“星喰らい”の一族。星の力を奪い、闇を広げる者たち。私が星の核を持っていることを知ってる」
「じゃあ、君が狙われるのは……」
「運命だよ。星の巫女として生まれた時から、決まってた」
リオは拳を握った。
「そんなの、納得できない。君が犠牲になるなんて、俺は絶対に許さない」
セラは微笑んだ。
「リオ……優しいね。でも、優しさだけじゃ、星は守れない」
その言葉に、リオは言い返せなかった。
洞窟の奥で、ふたりは焚き火を囲んで座った。
「俺、昔……兄を亡くしたんだ」
セラが顔を上げた。
「兄は、村の外に出たがってた。世界を見たいって。でも、ある日、山で遭難して……それ以来、俺は誰かを失うのが怖くなった」
セラはそっとリオの手に触れた。
「だから、私を守ろうとしてくれるの?」
「そうかもしれない。でも、君が笑ってくれるなら、それだけで……俺は、星の力なんていらない」
セラは目を閉じた。
「でも、星の力がなければ、世界は闇に飲まれる。私が笑える未来も、なくなっちゃう」
沈黙が流れた。
そのとき、洞窟の入り口が光に包まれた。
「見つけたぞ、星の巫女」
黒いローブの男が現れた。手には闇の力が渦巻いている。
「リオ、下がって!」
セラが立ち上がり、星の核を掲げた。光が広がり、闇を押し返す。
だが、男は笑った。
「その程度の光では、我々は止められん。星の力は、我が主のものだ」
リオはセラの前に立った。
「君には触れさせない。俺が、君を守る」
男は手をかざし、闇の波を放った。
リオはセラを抱きしめ、身を挺してその波を受けた。
——だが、次の瞬間、星の核が強く輝き、闇を弾き返した。
男は後退し、仮面の下から驚きの声を漏らした。
「……星の巫女と、守護者……まさか、ふたりが揃っているとは」
そして、男は闇の中へと消えていった。
洞窟の中、リオとセラはしばらく動けなかった。
「リオ……大丈夫?」
「うん……でも、君の力がなかったら、俺……」
セラはそっとリオの手を握った。
「君がいたから、星の力が応えてくれた。ふたりでなら、きっと闇に勝てる」
リオは頷いた。
「じゃあ、次の封印へ行こう。星を取り戻すために」
セラは微笑んだ。
「うん。ふたりで、星の道を歩こう」
「……昨日のこと、夢みたいだったな」
リオがぽつりと呟くと、セラは静かに頷いた。
「でも、現実だよ。星の樹が目覚めた。世界は少しだけ、闇から遠ざかった」
リオはセラの横顔を見つめた。彼女の表情は穏やかだったが、どこか遠くを見ているようだった。
「セラ……君は、怖くないの? これから先、何が起こるかもわからないのに」
セラは少しだけ目を伏せた。
「怖いよ。でも、止まったら、星はもう二度と輝かない。私は……選ばれたから」
その言葉に、リオは胸が痛んだ。
「選ばれたって……それって、君が犠牲になるってことじゃないの?」
セラは答えなかった。ただ、風に髪を揺らしながら、空を見上げていた。
その夜、リオは再び夢を見た。
今度は、暗闇の中で星が消えていく光景だった。ひとつ、またひとつと星が落ち、空が黒く染まっていく。そして、最後に残った星が、セラの胸元で淡く光っていた。
「リオ……助けて……」
目が覚めたとき、リオは息を荒げていた。夢とは思えないほど、現実味のある感覚だった。
翌朝、村に異変が起きた。
広場の中央に、見慣れない男が立っていた。黒いローブをまとい、顔の半分を仮面で覆っている。村人たちは距離を取りながら、恐る恐る様子をうかがっていた。
「星の巫女を出せ」
男は低い声で言った。
「この村にいることはわかっている。彼女の力は、我々が必要としている」
リオはセラの手を引いて、裏道から村の外れへと逃げた。
「誰なの、あの人……?」
「わからない。でも、君を狙ってるのは確かだ」
ふたりは森の中へと身を隠した。木々の間を縫うように進み、やがて小さな洞窟にたどり着いた。
「ここなら、しばらくは安全だと思う」
セラは洞窟の壁にもたれながら、静かに言った。
「彼は“星喰らい”の一族。星の力を奪い、闇を広げる者たち。私が星の核を持っていることを知ってる」
「じゃあ、君が狙われるのは……」
「運命だよ。星の巫女として生まれた時から、決まってた」
リオは拳を握った。
「そんなの、納得できない。君が犠牲になるなんて、俺は絶対に許さない」
セラは微笑んだ。
「リオ……優しいね。でも、優しさだけじゃ、星は守れない」
その言葉に、リオは言い返せなかった。
洞窟の奥で、ふたりは焚き火を囲んで座った。
「俺、昔……兄を亡くしたんだ」
セラが顔を上げた。
「兄は、村の外に出たがってた。世界を見たいって。でも、ある日、山で遭難して……それ以来、俺は誰かを失うのが怖くなった」
セラはそっとリオの手に触れた。
「だから、私を守ろうとしてくれるの?」
「そうかもしれない。でも、君が笑ってくれるなら、それだけで……俺は、星の力なんていらない」
セラは目を閉じた。
「でも、星の力がなければ、世界は闇に飲まれる。私が笑える未来も、なくなっちゃう」
沈黙が流れた。
そのとき、洞窟の入り口が光に包まれた。
「見つけたぞ、星の巫女」
黒いローブの男が現れた。手には闇の力が渦巻いている。
「リオ、下がって!」
セラが立ち上がり、星の核を掲げた。光が広がり、闇を押し返す。
だが、男は笑った。
「その程度の光では、我々は止められん。星の力は、我が主のものだ」
リオはセラの前に立った。
「君には触れさせない。俺が、君を守る」
男は手をかざし、闇の波を放った。
リオはセラを抱きしめ、身を挺してその波を受けた。
——だが、次の瞬間、星の核が強く輝き、闇を弾き返した。
男は後退し、仮面の下から驚きの声を漏らした。
「……星の巫女と、守護者……まさか、ふたりが揃っているとは」
そして、男は闇の中へと消えていった。
洞窟の中、リオとセラはしばらく動けなかった。
「リオ……大丈夫?」
「うん……でも、君の力がなかったら、俺……」
セラはそっとリオの手を握った。
「君がいたから、星の力が応えてくれた。ふたりでなら、きっと闇に勝てる」
リオは頷いた。
「じゃあ、次の封印へ行こう。星を取り戻すために」
セラは微笑んだ。
「うん。ふたりで、星の道を歩こう」
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