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第二章
新しい自分(2)
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「さぁ皆、終わったぞ!大会もこの状況では中止だろう。一先ず家へ…、いや楓さんの家へ行こう!」
6人全員が驚き振り返る。いつの間にか蓮の父と母が2人で後ろへ立っていた。
「うわぁ!?ビックリした!!父さん、母さんもいつの間に後ろにいたの?」
「それに…、何で蓮君の家ではなくうちへ行くんですか?」
蓮はビクッ!!と驚きバクバク脈を打つ心臓を抑え反応し両親に尋ねるが、続けて楓が聞き返す。
「うちではこの人数では狭いと思ってね。それに君達にも関わる話しになる。君達全員のご両親にも声を掛けている。楓さんの家には道場があるだろう?そこで君達に話を聞いて貰いたいんだ。混乱しているとは思うが付いてきてくれ!」
6人は皆不安そうな顔をしながら、目配せする。蓮が黙って頷くと続けて全員が頷き合った。
「分かったよ、父さん!楓さんの家へ行こう!」
各々のが帰りの支度を整え、蓮の父、母に続き楓の家へと向かった。これから誰も予想も出来ない、また人生が180度変わってしまう話が待っているとも知らず。ただ、6人とも黙々と歩みを進めていった。
一向が楓の家付近まで近づくと、家の前には楓の両親が娘たちの帰宅を出迎えた。
「父上、母上、ただいま帰りました!」
楓が帰宅の挨拶をする。父上、母上呼びは実家が道場を営んでいた事もあり、幼少期に偶々観た武道モノのアニメに影響され呼ぶようになった。道場の娘のテンプレである。
「加関さん、本日は家をお借りし申し訳ございません。全員一緒の説明になるとは思っておらず思慮が足りておりませんでした。」
そこへ、楓の両親は全員へ和かに歓迎の言葉で迎えた。
「楓、お帰り。木城さんもそんな固い挨拶はいい。さぁ中へお上がり下さい。」
「さぁ皆んな疲れたでしょう?皆さんのご両親も中でお待ちよ!さぁ上がってちょうだい!」
蓮たち6人と蓮の両親は、楓の両親に促され本宅とは別の道場へと案内された。案内とは言っても蓮たち6人は時期は違えど、皆この道場の門下生であった。通う頻度もそれぞれ違うが、皆小学生の頃から通い最低限の護身術を学んでいた。
小さい頃からの、学校や習い事での付き合いもあり、この6人が何のわだかまりも無く付き合える要因ともなっている。
その通い慣れた道場へ足を運ぶと、それぞれの両親が出迎えてくれた。
「「光、お帰り」」
「「勇、お帰り」」
「「茜、お帰りなさい」」
「「翔、お帰りなさい」」
皆それぞれ、ただいま!や、ただいま帰りました!とそれぞれの両親へ挨拶を返しているが、ここで翔が空気を割る発言をした。
「ただいま帰りました。お母様、それとお父様も…。でもお母様?何故海外出張しているはずのお父様までここにおられるのですか…?」
「翔…、それもこれからお話するわ」
その場での解答を先延ばしにされたが、頭の良い翔はこれから説明を受ける内容と繋がっている事を瞬時に理解し頷きと共に了承の意を告げた。
「分かりました…。」
翔の父と母も黙って頷いた。そこで蓮の父が集まった一同に対して声を上げた。
「それじゃあ皆座ってくれ、座布団を用意してもらっている。各家族ごとに分かれ、其々の顔が見えるように円になって座ろうか!」
その合図に、楓の父、母から順に座布団を配られ、各親の間に収まるように子供達も座っていく。6組の親子計18人が道場の中で円となり座った。
子供たちは皆、キョロキョロと目を泳がせ、これから何が始まるのかとソワソワし緊張の色が伺えた。
「それでは始めましょうか?私から説明してもよろしいですか」
蓮の父から集まった親たちへ確認の声がかかる。
「構いません。当主である鬼城様から説明された方が良いでしょう!」
「分かりました。では私から説明していきます。6人共、直ぐに理解して欲しいとは言わない。ただ君達ににとって非常に重要であり、そしてこの先の人生に大きく関わる事だ。また今までの価値観も大きく変化するだろう。質問があれば言ってくれ。ただ長い説明となるから要所要所で君達に確認を取るからその時に質問して欲しい。」
6人が揃って大きく頷く。
「では、始めますね……。」
ここで蓮の父は一呼吸置き、説明に入った。
「まず始めに、君達6人はこの現代社会と呼ばれている世界の人間ではありません…!勿論、私達もね。」
そこから紡がれる説明は6人の子供たちにとって、衝撃という二文字ではいい現す事が出来ない内容であった。
それから3時間に登る説明が蓮の父親を中心に行われた。途中で専門的な分野になれば話す人がかわり12人の親達全員から皆に丁寧に説明された。
説明が一通り終わり、夕食の時間を挟み、現在は子供たち全員で一度聞いた内容を整理し、理解出来ていない点や質問を纏めて欲しいと告げられ、子供たちのみで道場に集まっていた。
「蓮くん…。さっきの話、信じられる?私…、何が何だか分からないわ…。」
いつも、前向きな明るい光でさえも信じられないと不安げな表情をしていた。蓮は光の目をみて答える。
「うん…。僕も正直言ってまだ全て信じられている訳じゃないよ…。でも…、信じるしかないよね?父さんや母さん、皆んなの両親まで嘘をいうはずがないし、本当の事じゃなければ今日の大会で起きた事の説明は出来ないと思う…。」
5人が驚きの眼で蓮を見る…。蓮はその驚きの表情を読み取り言葉を続けた。
「父さんと母さんが僕の本当の両親ではなくても、僕にとっては今までと何も変わらない…。本当の両親の記憶は無いし、今まで15年間一緒に暮らしてきたんだ…。それに叔父さんと叔母さんにあたるんだから、血も多少なり繋がっているしね…。だからこれからも父さんと母さんって呼ぶつもりだよ!」
そう、先程の説明の中で蓮の両親は蓮が産まれて間もなく他界していた事実を知った。その事実と共に、蓮の現在の両親は自分達が蓮の叔父、叔母にあたる説明もしていた。皆が驚愕していたのは、その説明があった上で何事もなかったかのように、父さん、母さんと呼んだ事によってだった。
「蓮の気持ちはしっかりと分かりました。蓮が正直、混乱して壊れてしまうかとも考えてましたが、安心しました。では、皆も混乱しているかとも思いますので一度整理していきましょう!」
「「「「「うん!」」」」」
蓮の状況に安堵した5人は、1番辛い蓮でさえ心の整理をつけているのであれば自分達も真剣に向き合う事を心に決め返事をした。
6人全員が驚き振り返る。いつの間にか蓮の父と母が2人で後ろへ立っていた。
「うわぁ!?ビックリした!!父さん、母さんもいつの間に後ろにいたの?」
「それに…、何で蓮君の家ではなくうちへ行くんですか?」
蓮はビクッ!!と驚きバクバク脈を打つ心臓を抑え反応し両親に尋ねるが、続けて楓が聞き返す。
「うちではこの人数では狭いと思ってね。それに君達にも関わる話しになる。君達全員のご両親にも声を掛けている。楓さんの家には道場があるだろう?そこで君達に話を聞いて貰いたいんだ。混乱しているとは思うが付いてきてくれ!」
6人は皆不安そうな顔をしながら、目配せする。蓮が黙って頷くと続けて全員が頷き合った。
「分かったよ、父さん!楓さんの家へ行こう!」
各々のが帰りの支度を整え、蓮の父、母に続き楓の家へと向かった。これから誰も予想も出来ない、また人生が180度変わってしまう話が待っているとも知らず。ただ、6人とも黙々と歩みを進めていった。
一向が楓の家付近まで近づくと、家の前には楓の両親が娘たちの帰宅を出迎えた。
「父上、母上、ただいま帰りました!」
楓が帰宅の挨拶をする。父上、母上呼びは実家が道場を営んでいた事もあり、幼少期に偶々観た武道モノのアニメに影響され呼ぶようになった。道場の娘のテンプレである。
「加関さん、本日は家をお借りし申し訳ございません。全員一緒の説明になるとは思っておらず思慮が足りておりませんでした。」
そこへ、楓の両親は全員へ和かに歓迎の言葉で迎えた。
「楓、お帰り。木城さんもそんな固い挨拶はいい。さぁ中へお上がり下さい。」
「さぁ皆んな疲れたでしょう?皆さんのご両親も中でお待ちよ!さぁ上がってちょうだい!」
蓮たち6人と蓮の両親は、楓の両親に促され本宅とは別の道場へと案内された。案内とは言っても蓮たち6人は時期は違えど、皆この道場の門下生であった。通う頻度もそれぞれ違うが、皆小学生の頃から通い最低限の護身術を学んでいた。
小さい頃からの、学校や習い事での付き合いもあり、この6人が何のわだかまりも無く付き合える要因ともなっている。
その通い慣れた道場へ足を運ぶと、それぞれの両親が出迎えてくれた。
「「光、お帰り」」
「「勇、お帰り」」
「「茜、お帰りなさい」」
「「翔、お帰りなさい」」
皆それぞれ、ただいま!や、ただいま帰りました!とそれぞれの両親へ挨拶を返しているが、ここで翔が空気を割る発言をした。
「ただいま帰りました。お母様、それとお父様も…。でもお母様?何故海外出張しているはずのお父様までここにおられるのですか…?」
「翔…、それもこれからお話するわ」
その場での解答を先延ばしにされたが、頭の良い翔はこれから説明を受ける内容と繋がっている事を瞬時に理解し頷きと共に了承の意を告げた。
「分かりました…。」
翔の父と母も黙って頷いた。そこで蓮の父が集まった一同に対して声を上げた。
「それじゃあ皆座ってくれ、座布団を用意してもらっている。各家族ごとに分かれ、其々の顔が見えるように円になって座ろうか!」
その合図に、楓の父、母から順に座布団を配られ、各親の間に収まるように子供達も座っていく。6組の親子計18人が道場の中で円となり座った。
子供たちは皆、キョロキョロと目を泳がせ、これから何が始まるのかとソワソワし緊張の色が伺えた。
「それでは始めましょうか?私から説明してもよろしいですか」
蓮の父から集まった親たちへ確認の声がかかる。
「構いません。当主である鬼城様から説明された方が良いでしょう!」
「分かりました。では私から説明していきます。6人共、直ぐに理解して欲しいとは言わない。ただ君達ににとって非常に重要であり、そしてこの先の人生に大きく関わる事だ。また今までの価値観も大きく変化するだろう。質問があれば言ってくれ。ただ長い説明となるから要所要所で君達に確認を取るからその時に質問して欲しい。」
6人が揃って大きく頷く。
「では、始めますね……。」
ここで蓮の父は一呼吸置き、説明に入った。
「まず始めに、君達6人はこの現代社会と呼ばれている世界の人間ではありません…!勿論、私達もね。」
そこから紡がれる説明は6人の子供たちにとって、衝撃という二文字ではいい現す事が出来ない内容であった。
それから3時間に登る説明が蓮の父親を中心に行われた。途中で専門的な分野になれば話す人がかわり12人の親達全員から皆に丁寧に説明された。
説明が一通り終わり、夕食の時間を挟み、現在は子供たち全員で一度聞いた内容を整理し、理解出来ていない点や質問を纏めて欲しいと告げられ、子供たちのみで道場に集まっていた。
「蓮くん…。さっきの話、信じられる?私…、何が何だか分からないわ…。」
いつも、前向きな明るい光でさえも信じられないと不安げな表情をしていた。蓮は光の目をみて答える。
「うん…。僕も正直言ってまだ全て信じられている訳じゃないよ…。でも…、信じるしかないよね?父さんや母さん、皆んなの両親まで嘘をいうはずがないし、本当の事じゃなければ今日の大会で起きた事の説明は出来ないと思う…。」
5人が驚きの眼で蓮を見る…。蓮はその驚きの表情を読み取り言葉を続けた。
「父さんと母さんが僕の本当の両親ではなくても、僕にとっては今までと何も変わらない…。本当の両親の記憶は無いし、今まで15年間一緒に暮らしてきたんだ…。それに叔父さんと叔母さんにあたるんだから、血も多少なり繋がっているしね…。だからこれからも父さんと母さんって呼ぶつもりだよ!」
そう、先程の説明の中で蓮の両親は蓮が産まれて間もなく他界していた事実を知った。その事実と共に、蓮の現在の両親は自分達が蓮の叔父、叔母にあたる説明もしていた。皆が驚愕していたのは、その説明があった上で何事もなかったかのように、父さん、母さんと呼んだ事によってだった。
「蓮の気持ちはしっかりと分かりました。蓮が正直、混乱して壊れてしまうかとも考えてましたが、安心しました。では、皆も混乱しているかとも思いますので一度整理していきましょう!」
「「「「「うん!」」」」」
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