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第1章 Aランク冒険者【炎滅騎士】リーティアの引退
第4話 残された騎士たち
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今回はリーティア以外のsideからです
────────────────────────
リーダーが手紙を残して居なくなったのを知ったのは俺、ジョフ・ウィトレースが帝都までの移動ルートを調べに役場に来ていた時だった。普段冷静なジャンヌが慌てた様子で俺に迫り手紙を見せてきた。
手紙の内容には「公爵とギルドマスターに呼ばれたので冒険者ギルドに行ってくる」というもの。リーダー1人のみのという指名に嫌な予感を覚える。
俺はすぐに買い出しに行っていたエルリックとモーリスを呼び戻し、冒険者ギルドに向かった。
幸い受付嬢はリーダーを呼び出しに宿屋へ向かった本人だったようですぐにギルドマスターの部屋まで案内された。そしてリーダーが呼ばれた理由に唖然とした。
なんでもリーダーの実家が国家転覆罪を行ったせいでリーダー自身も拘束されたらしい。
「納得できません!リーダーは実家と何十年もの間連絡をとることも領地を踏むことも無かったんですよ!!」
「行動を移すのが速すぎるなんだな」
「冒険者ギルドは何をやっているのですか!」
エルリック、モーリス、ジャンヌがギルドマスターを責める。3人の言い分は良く分かる。
そもそも冒険者ギルドは国の政治に直接干渉しない代わりに国も冒険者ギルドに干渉しない、干渉してもそれは厳密な機密保持契約を両者が自ら結ばなければいけない決まりがある。
今回の場合、いくら実家が罪に問われていても冒険者ギルドが協力して無実の冒険者を捕縛することはギルド側の規約違反だ。
「君たちの言い分は良く分かっている、我々冒険者ギルドも彼女が処罰を受けないように嘆願書を出している。それにディリド公爵も中央へ圧力をかけてくれるそうだ、そして彼女が助けた者からの反発が起きかねない。今の皇帝は民の反発を招くようなことを嫌っているから処刑まではいかないだろう」
処刑_____そうか、国家転覆罪なら処刑を求刑される可能性がある。最悪のケースだ、脱獄させた方が良いのではとも思うが最終手段だろう。この国にはもう居られないのだから。
「処刑を回避しても国外追放などはあり得るのでは?」
俺は冷静に訪ねてみた。
「いや、追放はない。【失墜の騎士団】はこの国の英雄、先ほど言ったように反発が起きかねない、それに彼女自身は罪を犯していない。無罪放免か多少の罰金が科される程度のものだろう。安心しなさい」
判決を下すヤツがバカかもしれないからその懸念があるのだが心配しても仕方ない、のか。かなり心配になってきた、帝都へ向かわなくては。
「では、我々も帝都へ行くことにします」
「ならん、帝都本部からの命令でリーティアの判決が決まるまで君たちは都市内で待機だ、仕事も一切受けるな。その間の宿代と生活費代はこちらで払う。以上が私たちからの命令だ、下がってくれ」
完全に手を打たれてた。これでは彼女を助けに行くことも難しい。
「............失礼します。皆、行こう」
部屋を出てフロントに続く廊下を歩いているときにジャンヌがポツリと言った。
「準備だけして待機命令が解除され次第、此処を発ちましょう」
「それしかやることがないんだな、悔しいけど」
「強行軍用のプラン立てようぜ」
なるほど、強行軍なら2日ぐらいで着きそうだな。俺達らしい方法だ。
「そうだな、準備しよう」
途中、拘置所で面会出来るかも知れないと思い拘置所までやって来たことが案の定門前払いされた。
移送された後はリーダーの安否を祈りつつ、帝都へ向かう準備を開始した。
────────────────────────
次回はリーティアsideに戻ります。
速く領地経営させたいのですが、まだ時間が掛かりそうです。
もう少しお待ち下さい
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リーダーが手紙を残して居なくなったのを知ったのは俺、ジョフ・ウィトレースが帝都までの移動ルートを調べに役場に来ていた時だった。普段冷静なジャンヌが慌てた様子で俺に迫り手紙を見せてきた。
手紙の内容には「公爵とギルドマスターに呼ばれたので冒険者ギルドに行ってくる」というもの。リーダー1人のみのという指名に嫌な予感を覚える。
俺はすぐに買い出しに行っていたエルリックとモーリスを呼び戻し、冒険者ギルドに向かった。
幸い受付嬢はリーダーを呼び出しに宿屋へ向かった本人だったようですぐにギルドマスターの部屋まで案内された。そしてリーダーが呼ばれた理由に唖然とした。
なんでもリーダーの実家が国家転覆罪を行ったせいでリーダー自身も拘束されたらしい。
「納得できません!リーダーは実家と何十年もの間連絡をとることも領地を踏むことも無かったんですよ!!」
「行動を移すのが速すぎるなんだな」
「冒険者ギルドは何をやっているのですか!」
エルリック、モーリス、ジャンヌがギルドマスターを責める。3人の言い分は良く分かる。
そもそも冒険者ギルドは国の政治に直接干渉しない代わりに国も冒険者ギルドに干渉しない、干渉してもそれは厳密な機密保持契約を両者が自ら結ばなければいけない決まりがある。
今回の場合、いくら実家が罪に問われていても冒険者ギルドが協力して無実の冒険者を捕縛することはギルド側の規約違反だ。
「君たちの言い分は良く分かっている、我々冒険者ギルドも彼女が処罰を受けないように嘆願書を出している。それにディリド公爵も中央へ圧力をかけてくれるそうだ、そして彼女が助けた者からの反発が起きかねない。今の皇帝は民の反発を招くようなことを嫌っているから処刑まではいかないだろう」
処刑_____そうか、国家転覆罪なら処刑を求刑される可能性がある。最悪のケースだ、脱獄させた方が良いのではとも思うが最終手段だろう。この国にはもう居られないのだから。
「処刑を回避しても国外追放などはあり得るのでは?」
俺は冷静に訪ねてみた。
「いや、追放はない。【失墜の騎士団】はこの国の英雄、先ほど言ったように反発が起きかねない、それに彼女自身は罪を犯していない。無罪放免か多少の罰金が科される程度のものだろう。安心しなさい」
判決を下すヤツがバカかもしれないからその懸念があるのだが心配しても仕方ない、のか。かなり心配になってきた、帝都へ向かわなくては。
「では、我々も帝都へ行くことにします」
「ならん、帝都本部からの命令でリーティアの判決が決まるまで君たちは都市内で待機だ、仕事も一切受けるな。その間の宿代と生活費代はこちらで払う。以上が私たちからの命令だ、下がってくれ」
完全に手を打たれてた。これでは彼女を助けに行くことも難しい。
「............失礼します。皆、行こう」
部屋を出てフロントに続く廊下を歩いているときにジャンヌがポツリと言った。
「準備だけして待機命令が解除され次第、此処を発ちましょう」
「それしかやることがないんだな、悔しいけど」
「強行軍用のプラン立てようぜ」
なるほど、強行軍なら2日ぐらいで着きそうだな。俺達らしい方法だ。
「そうだな、準備しよう」
途中、拘置所で面会出来るかも知れないと思い拘置所までやって来たことが案の定門前払いされた。
移送された後はリーダーの安否を祈りつつ、帝都へ向かう準備を開始した。
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次回はリーティアsideに戻ります。
速く領地経営させたいのですが、まだ時間が掛かりそうです。
もう少しお待ち下さい
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