リーティアの領地経営

優義

文字の大きさ
20 / 40
第2章 荒れ果てた故郷

第17話 配給隊(前編)

しおりを挟む
 _______眠い。眠すぎる。

 まさか午前3時起きで準備をやるとは思わなかった。そして侍女の皆、また徹夜だよ。これは何かしらの対策取らないとブラック勤めにしてしまう。

「本日の服装は蒼を基調として金の刺繍で飾り縫いをしたドレスになります」

 鏡を見せられて服装を確認する、Aラインドレスか。
なんだろ、凄い既視感がある。

 あっ、思い出した前世で遊んだゲームの大人気キャラクターだ。大好きなんだよねぇ、男装の麗人キャラ。

 何でそんな準備をしたのかと言うと、今日は配給隊派遣の出立式だからだ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 式自体は短縮版で行うが一応、言いだしっぺかつ領主である私はスピーチしなければならない。

 商業ギルドマスターの進行で私のスピーチの番が回ってきた。頑張れ、私。

「ご紹介にあずかりました、アレクサンドラ領の領主、リーティア・アレクサンドラです。
本日は良い天候に恵まれ、嬉しくあります。
そして、今回の配給隊は前領主の圧政に耐えづけた方々を助けるものです、配給隊の皆さまにはその責務を五体満足で果たしてここへ戻って来ることを願っています。
 最後に領民の方々の生活が良きものになるようにこれからも領主としての義務を果たして参ります。アレクサンドラ領に繁栄あれ!」

 「おぉーー!!!」 「新領主様、バンザーイ!」
  「アレクサンドラ バンザーイ!」 

 おし、滑らなかったかな?領民や配給隊、さらに護衛の冒険者たちも叫んでいる、士気は上々か。

「流石、領主様。奮い立たせる事はお得意ですね」

「あー、ハーメルギルドマスター。それ褒めているのですか?」

「勿論でございます」

 ホントかなぁ、怪しいもんだ。この人、かなりのやり手だから気が抜けない。

 式が無事に終わって1時間後、配給隊は声援にみおくられながら各村へ出立した。

順調なら帰ってくるのは2週間ぐらいだ。皆無事で帰ってきてくれると嬉しいなぁ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 16日後、配給隊の1部が帰還した。途中、魔物が襲ってきたものの冒険者たちが撃退してくれたらしい。そして各村の反応も良かったらしく、とても感謝されたという。よし、及第点だ。

「配給隊の皆様、お疲れ様でした。全員の帰還を確認次第宴会を開こうと思います」

 「やった!」 「酒だ!酒だ!」

 やっぱ仕事終わりの宴会は良いものよね、たまにやってこそ楽しいのだから。

 その後も他の配給隊が次々と戻ってきていた。やはり魔物が多かったようでそれなりに大変だったらしい、が冒険者たちが撃破してくれたようだ。私が労うと嬉しそうにしていた。あと1部隊か............

今回集まった冒険者たちはどうやら【失墜の騎士団】に憧れていた者や村、街、大事な人を助けられた者が多いらしい。私が冒険者を募っていると聞き、急いで馳せ参じてくれたという。こういうの冒険者冥利に尽きるね。

──────────────────────
落ち着いたら簡単な設定を載せようと思います。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...