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しおりを挟む中3のキワキワで死ぬ程勉強しててっちゃんと同じ高校に入ったのに、たった一年でてっちゃんは地方都市の大学にアッサリ行ってしまった。それからの俺らはまるで火が消えたようにヤル気を失い、学校もサボりがちになった。
もともと『造園屋に学歴なんぞ必要ない』って脳筋なオトンは文句も無さそうで『サボるんなら手伝うように』って16かそこらの息子×2に現場仕事を教えていた。
でも、夏休みに帰省したてっちゃんは言った。
『取り敢えず高校くらいは卒業したら?』
『世の中何があるか解らんし、せっかくあんなに頑張って入学したんだし』
『俺、なんかあったらお前ら頼りにする気満々だし』
『年取ったら俺の面倒は陸と空が見るって言ったろ』
都会で磨かれたのかてっちゃんの笑顔のキラキラぶりはパワーアップしていた。直視出来ないと思うほど輝いているのに爽やかだった。久し振りに過ごすてっちゃんとの夏が俺らにやる気を取り戻させてくれた。
いつかてっちゃんが弱った時には俺らがてっちゃんを支える─────それが最大のモチベーションになった。
“てっちゃんには俺らが必要なんだ”
「でもさー……てっちゃん都会で就職するんじゃね?」
「そのうち可愛いお嫁さんとか連れて帰って来たりするんかなー」
「「やだなー………」」
それでもその時は、てっちゃんの幸せの為に耐えるんだ俺ら!って思っていた。予想通り大学を卒業しても帰っては来なかったてっちゃんを恨んでみたりもしたけど、大人になれば仕方ない事も解っていた。
「年取ったら帰って来るよ」
「Uターンってやつだな」
俺らはてっちゃんがジジイになったって大好きだ。きっとてっちゃんはイケオジになって帰って来るんだ。もしイケオジを通り越し足腰が弱ってよぼよぼになってたって俺らが支えるし面倒見る。
ねえてっちゃん。
俺らはいつだって『いつか』が訪れるのを待ってたんだよ。
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