21 / 54
P.20
しおりを挟む初めて知った人肌の温もり。アラタの体温。
想像よりもずっと滑らかで扇情的なアラタの輪郭。
「初心者って男相手が初心者ってことか……」
「さあ? 慰められた?」
「うん…………」
アラタがネコだったのは救いだった。逆だったらこんなにスムーズには行かなかったと思う。つーかめっちゃエロいわこの人。
「もう一回♡」
「おっちゃん相手に鬼かっ」
「奴くんは鬼だってば」
「…………」
鬼だけど大事にするよ。宝物みたいに大事に大事に。どこもかしこも丸ごと、優しく触って舐めて、隙間なくぴったり重なって。
「おっちゃん……心臓が煩いねえ」
「お前が激しいからだろが。ちょっとは労われ」
くしゃくしゃと髪を撫で付けて来る大きな手は先代のおっちゃんとそっくりだ。やっぱり親子だね。
俺はアラタの手もずっと握っててあげるよ。
最後の最後の瞬間まで離さないから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる