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しおりを挟むチョロい。
まったくチョロ過ぎるぜアラタ。
自己肯定感低めな上、世話焼きお人好しがプラスされると如何に簡単につけ込まれるかの見本みたいだ。正に隙だらけ、おまけに流されやすいと来てる。そんな人に独身生活を謳歌させる訳ないだろ。
「ミナト、もっと……!」
今夜はいつもより だ い ぶ 積極的だな。声もいっぱい出ちゃってるし。アレか、喧嘩後の情事はより燃える現象、通称『仲直りエッチ』ってヤツに興奮してるんだな。
仲直りエッチが気持ちいいのにはちゃんと科学的根拠があるらしい。
人間、喧嘩や口論でストレスにさらされているときは交感神経系(『闘争と逃走の神経』ってヤツ)が活発になる。
アラタの場合は間違いなく『逃走』だろうけど、一生懸命俺から逃げようとしてドーパミンやノルアドレナリンを分泌しまくったせいで幸せホルモン・セロトニンの効果がより発揮されちゃってるんだ。
「アラタ、すごく綺麗……」
「綺麗言うな……こんなおっさん……」
「ホントだからしょうがないよ……」
「ぁんっ……」
『アン♡』とかめっちゃ可愛いなオイ。
アラタの脳内は今、俺との関係をもう一度結び直せた事でセロトニン大放出中。
ただ、それらはあくまでもアラタ視点の話。
俺は運命の人を逃がす気なんて爪の先ほども持ち合わせてないから仲直りもクソもないんだよ。
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