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第5章 ディアボルス編
2 三人娘と王女
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翌朝、ジェフリーがテオドールを迎えに来た。
「テオ。迎えに来たぜ。おはよう。お姉さん。フレアちゃん。エレナちゃん」
「おはようございます。ジェフリーさん」
フレアが満面の笑みで返すと、だらしない表情になるジェフリー。
テオドールの肩に腕を回したジェフリーは、
「俺って、曲がったことが嫌いだからさ――」
姉と兄との仲の良さと、正義感をフレアにアピールする。
どんなに頑張っても、妾のテオには敵わないのにと、ジュリエットは憐れむ眼差しで、ジェフリーを見送った。
その後ジュリエットは、ギャングから巻き上げたお金を還元するため、フレアとエレナを引き連れて城下町に繰り出した。
街からギャングがいなくなり、治安が確保されて、人々の生活は安定した。
加えて毎日のようにお金を落としていくジュリエットは、すっかり街の人気者で、あちこちから声を掛けられた。
三人で食べ歩きをして、仲良くなった人には、奢ったりもしたのである。
「ジュリエットちゃん。今度は弟さんも連れてきておくれ。ギャングを退治してくれたお礼を、直接伝えたいんだよね」
姉妹(ジュリエット・フレア)が美人なので、テオドールもイケメンに違いないと、女性の間で噂になり、会いたいという人が増えているのだ。
一方、愛嬌がよくて癒し系のフレアは、若い男たちの心を掴んでいた。
◇◆◇◆◇
近衛騎士団の練兵場では、突如現れたセリーヌ王女に、団員が騒然となった。
セリーヌは練兵場を見渡し、テオドールを発見すると、口元に笑みを浮かべる。
レオンハルト団長は、セリーヌのもとへ歩み寄り片膝をついて、
「王女殿下、このような場所へ、どうなされたのですか?」
「ちょっと、その……視察に来たのよ」
これまでセリーヌが練兵場に訪れたことはなかったし、正式な視察なら近衛に連絡があるはずだと、疑念を抱いたレオンハルトは、
「護衛もつけずに、おひとりで来られたのですか?」
「ええ。忘れていましたの。なのでテオドールに護衛をお願いしたいのだけど、よろしいかしら?」
セリーヌがテオドールに会いに来たのだと察したレオンハルトは、
「承知いたしました、王女殿下」
団長の命により、セリーヌの護衛として付き従うテオドール。
近衛の宿舎近くを通りかかったとき、セリーヌは隣の建物を指差して、
「あの新しい小屋は何かしら?」
「オレの家」
「あら、そうなの。どんなところか、中を見せてくださる?」
テオドールについて側近に調査させていたセリーヌは、彼の住居と知ったうえで、とぼけたのである。
そして日中は、三人娘が城下町に出掛けているので、誰もいないことも承知していた。
建物の中に入ると、扉を閉めたセリーヌは、テオドールの首に手をまわして、お姫様抱っこを要求した。
セリーヌは、離宮で賊に攫われテオドールに助けられた時に、お姫様抱っこされたことが忘れられなかった。
テオドールに抱きかかえられたセリーヌは、幸せそうな笑みを浮かべる。
そこに三人娘が帰宅して、王女を抱っこしたテオドールと鉢合わせになった。
ジト目のジュリエットが竜語で、
『何してんだい? テオ』
『お帰り、母ちゃん。王女を抱っこしているんだ』
『見ればわかるよ。どうして此処で、そんなことをしているんだい?』
『王女が建物の中を見たがったので、案内したら抱っこを要求されたんだよ。団長から王女に仕えるよう、命じられていたからね』
さすがにテオドールの姉妹に見られてマズイと思ったセリーヌは、
「視察の途中で疲れて動けなくなったの。だから休める場所まで運んでもらったのよ。もう降ろしていいわ。テオドール」
一歩も動いていないテオドールは、首を傾げながらセリーヌを降ろした。
苦しい言い訳をするセリーヌを見て、テオに気があると察したジュリエットだが、二人の間には温度差があるので、心配はいらないと思った。
事実、竜として育てられたテオドールは、人間の女性を異性として見ていないので、子猫を抱っこしているのと同じ感覚だった。
毎日のようにエレナがベタベタしてアピールしても、テオドールは子犬がじゃれついてくるのと同じ感覚で受け止めている。
そこに国王からの使いが来て、テオドールが探している人物に似た女性が見つかったという知らせが届いた。
「テオ。迎えに来たぜ。おはよう。お姉さん。フレアちゃん。エレナちゃん」
「おはようございます。ジェフリーさん」
フレアが満面の笑みで返すと、だらしない表情になるジェフリー。
テオドールの肩に腕を回したジェフリーは、
「俺って、曲がったことが嫌いだからさ――」
姉と兄との仲の良さと、正義感をフレアにアピールする。
どんなに頑張っても、妾のテオには敵わないのにと、ジュリエットは憐れむ眼差しで、ジェフリーを見送った。
その後ジュリエットは、ギャングから巻き上げたお金を還元するため、フレアとエレナを引き連れて城下町に繰り出した。
街からギャングがいなくなり、治安が確保されて、人々の生活は安定した。
加えて毎日のようにお金を落としていくジュリエットは、すっかり街の人気者で、あちこちから声を掛けられた。
三人で食べ歩きをして、仲良くなった人には、奢ったりもしたのである。
「ジュリエットちゃん。今度は弟さんも連れてきておくれ。ギャングを退治してくれたお礼を、直接伝えたいんだよね」
姉妹(ジュリエット・フレア)が美人なので、テオドールもイケメンに違いないと、女性の間で噂になり、会いたいという人が増えているのだ。
一方、愛嬌がよくて癒し系のフレアは、若い男たちの心を掴んでいた。
◇◆◇◆◇
近衛騎士団の練兵場では、突如現れたセリーヌ王女に、団員が騒然となった。
セリーヌは練兵場を見渡し、テオドールを発見すると、口元に笑みを浮かべる。
レオンハルト団長は、セリーヌのもとへ歩み寄り片膝をついて、
「王女殿下、このような場所へ、どうなされたのですか?」
「ちょっと、その……視察に来たのよ」
これまでセリーヌが練兵場に訪れたことはなかったし、正式な視察なら近衛に連絡があるはずだと、疑念を抱いたレオンハルトは、
「護衛もつけずに、おひとりで来られたのですか?」
「ええ。忘れていましたの。なのでテオドールに護衛をお願いしたいのだけど、よろしいかしら?」
セリーヌがテオドールに会いに来たのだと察したレオンハルトは、
「承知いたしました、王女殿下」
団長の命により、セリーヌの護衛として付き従うテオドール。
近衛の宿舎近くを通りかかったとき、セリーヌは隣の建物を指差して、
「あの新しい小屋は何かしら?」
「オレの家」
「あら、そうなの。どんなところか、中を見せてくださる?」
テオドールについて側近に調査させていたセリーヌは、彼の住居と知ったうえで、とぼけたのである。
そして日中は、三人娘が城下町に出掛けているので、誰もいないことも承知していた。
建物の中に入ると、扉を閉めたセリーヌは、テオドールの首に手をまわして、お姫様抱っこを要求した。
セリーヌは、離宮で賊に攫われテオドールに助けられた時に、お姫様抱っこされたことが忘れられなかった。
テオドールに抱きかかえられたセリーヌは、幸せそうな笑みを浮かべる。
そこに三人娘が帰宅して、王女を抱っこしたテオドールと鉢合わせになった。
ジト目のジュリエットが竜語で、
『何してんだい? テオ』
『お帰り、母ちゃん。王女を抱っこしているんだ』
『見ればわかるよ。どうして此処で、そんなことをしているんだい?』
『王女が建物の中を見たがったので、案内したら抱っこを要求されたんだよ。団長から王女に仕えるよう、命じられていたからね』
さすがにテオドールの姉妹に見られてマズイと思ったセリーヌは、
「視察の途中で疲れて動けなくなったの。だから休める場所まで運んでもらったのよ。もう降ろしていいわ。テオドール」
一歩も動いていないテオドールは、首を傾げながらセリーヌを降ろした。
苦しい言い訳をするセリーヌを見て、テオに気があると察したジュリエットだが、二人の間には温度差があるので、心配はいらないと思った。
事実、竜として育てられたテオドールは、人間の女性を異性として見ていないので、子猫を抱っこしているのと同じ感覚だった。
毎日のようにエレナがベタベタしてアピールしても、テオドールは子犬がじゃれついてくるのと同じ感覚で受け止めている。
そこに国王からの使いが来て、テオドールが探している人物に似た女性が見つかったという知らせが届いた。
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