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第1章
12 はじまりのつながり
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好き同士って、何したらいいんだろう。
勉強だけで冬休みが終わってしまった美空。睦に気持ちを伝えたのは冬休み前、うっかりして睦と連絡先を交換するのを忘れてしまった。つまり、冬休みの間、美空は睦と一度も会っていない。
好き同士って連絡とかするよな。でもまあ、連絡先知らないしこんなものなのかな。
今日は委員会の仕事で放課後居残りをしていた美空。仕事を終わらせて3階廊下から自分の教室に戻る途中だった。通り過ぎる教室には生徒見当たらない。みんな部活動に行ったか、帰宅したのだろう。教室に風馬を待たせてしまっている。もしかしたら、先に帰ったかもしれない。階段に差し掛かり、美空は足早に降りていく。
3階を降りる。
2階階段の踊り場から、1、2段降りると、
「うしろー」
上から聞き覚えのある声に美空は足を止めて振り返った。
睦が2階廊下からこちらを見下ろしていた。美空だとわかって睦は嬉しそうな顔をして階段を軽やかに降りて踊り場前の手すりに肘をつく。
「うしろ、冬休みぶり!」
美空も手すりに手を付いて前のめりに睦を見上げた。
「先輩、久しぶりです、」
2週間ぶりに会った2人。
…なんて、話、始めたらいいんだろう。
「あの、先輩、元気でしたか?」
「うん。元気元気」
睦はニコニコと頷く。
「そうですか、」
言葉の歯切れが悪いなと苦笑いする美空。会いたくてやっと会えたのに、話が出てこない。どうしよう。
居心地が悪いと唇をむぐむぐと噛む美空。
「あの、先輩…」
「ねーねーうしろ」
睦が言葉をさえぎってきた。
睦のを見上げる美空。
「好き同士ってさ、名前、呼び捨てなんだって」
「呼び捨て?」
「そう。だから、名前、呼び捨てでいい?」
「はい、大丈夫です、」
「あとタメ語なんだってさ」
「タメ?」
「うん」
「はい、あっ…。えっと、じゃあ、…うん、」
「ウへへ」
睦がいつもみたいに笑う。
「みーう、みーう」
睦が楽しそうに美空の名前を呼ぶ。
「ねーねー、名前、読んでみて?」
手すりに寄りかかった睦がグッと美空に顔を近づける。久々に見た睦の顔。美空に対して期待感でわくわくした顔。
この人、やっぱり顔はいいんだよな。
どきどきする美空。
少し間を置いて、
「…むつ、」
と美空はつぶやく。
睦はそれを聞いて人懐っこいワンコみたいに体を揺らして喜びを表現する。それを見て美空は微笑ましくなって笑みをこぼす。
「みう、そのまま、してて」
囁くような睦の言葉に何?と美空が首を傾げると、睦が顔を近づけて来た。
キスされる。そう思った美空はとっさに睦の唇に手を当てて抑える。
「ん、?」
それにびっくりする睦。
「あの…、ごめん、」
美空は申し訳なさそうな顔する。
「まだ、待って」
美空の表情を見た睦は唇を離して優しく笑った。
「…うん。わかった」
睦の声は優しかった。
「ごめん、その…、えっと、」
「いいよ、美空の嫌がることはしない」
睦は美空の頭をくしゃっと撫でる。
「ねー、美空、今日はもう帰る?」
「あ、えっと、…風馬を待たせてる、から、」
「そっか、じゃあ、明日は一緒に帰ろ?」
ちょっぴり残念そうな顔をする睦。
「うん」
「じゃあね」
睦は片手を振って階段を駆け上がって行った。
美空は階段を降りて1階、1年2組、自分の教室に入る。
「おつー」
誰もいない教室に一人、風馬が美空の前の席の椅子に腰かけて持ち込んだのであろう、漫画雑誌を開いて待ってくれていた。
「ごめん、風馬、待ってくれてたんだ」
美空は駆け寄る。
「暇だし気にすんな」
美空は自分の机の上に置いておいたリュックに荷物を積める。
「あっ、そうだ、風馬、」
「なんだ」
「どっか、寄り道する?」
風馬が目を見開く。
「なんだ急に」
「いや、なんか、心配させたから、お詫び」
さっき睦に会えて気分が高揚していた美空、それが相手にバレないよう嘘をつくみたいに、らしくない行動をとってしまう。
「…あ、ごめん、今の無し。お金なかったらいいよ、」
風馬がじっと、何か探るように美空を見つめる。
何か不自然だったかな。
「にやにやしてる」
風馬が目を細めた。
「なんかいいことあった?」
ギクッと図星の美空。
「いや、普段どおり…だよ、」
「ずっと顔が赤いぞ」
「えっ」
美空は慌てて自分の頬を手で覆う。
「冗談」
「えっ、冗談?」
「…なんだよ慌てて」
「いや、冗談なら、いい、けど」
「なんだよみーう」
風馬が面白いことが始まりそうだと雑誌を閉じて椅子の背もたれに前のめりに寄りかかる。
「いや、なんでもないよ、ほら帰ろ?」
美空はリュックを背負ってごまかす。
「みーう。座れ」
風馬が椅子を指さす。
「聴取!」
雰囲気的に逃げられなさそうだと美空は仕方なくリュックを下ろして自分の席に座る。
「…何もしてないです、」
「とぼけてる」
風馬にはお見通しのようだ。
「隠し事無しな。ズバリ、彼女だろ」
面白そうな顔した風馬に自白を強要される美空。
まだ男同士で好きになることを異常なことだと思っていた美空。風馬に嫌われたくない、自分と一緒にいてくれる風馬を悲しい気持ちにさせたくない。
「当たりか?」
ニヤッと笑う風馬。
美空と普段通りに接する彼。
…でも風馬には言っていいのかな。
風馬は、もしかしたらいなくならないかもしれない。
あいつみたいに。
美空の頭に卒業式の日にキスをしてきて以来会っていない幼馴染の顔がうかんだ。
「風馬、嫌だったら…ごめんね」
風馬は目を丸くして美空を見つめる。
「俺お前と話して嫌になったことねーよ」
風馬は優しく笑った。
「ありがと、」
睦と同じように笑ってくれた風馬に安心した美空はゆっくり口を開いた。
そうだ、睦は受け止めてくれた。
風馬も、きっと、大丈夫。
「睦と、」
「ん?」
美空は姿勢を正しながらも目線は下に向けた。
「あっ、いや、あの、…前川先輩と、付き合うことになった」
風馬は口を紡いで黙ったまま、美空を見る。
「ごめん、」
終始無言が辛くて、美空は呟くように言った。
風馬、何でもいい。嫌だとか気持ち悪いとか、そう言ってくれて構わない。後悔はしないと思う。美空はきゅっと目を閉じた。
「何謝ることあるのさ」
いつもの風馬の声。
美空が顔を上げると風馬が頬杖をしながら美空を見ていた。
「いいんでねーの。前川さん」
風馬はポリポリと顔を掻きながらそういえば会ってないなあと呟く。
「あっ、そう…なんだ」
風馬からの思ってもなかった言葉に緊張が一気に無くなった美空。
「なんか違った?」
「うん。もっと驚かれるかと思った」
「そうゆうのってさ…、それぞれじゃん?」
「おー」今の言葉かっこいいと美空は小さな拍手を送る。それを見て風馬は手を前にして受賞者のように喝采を浴びた振る舞いをしたが、すぐにがっくりと手を下した。
「…いいなあ、俺も彼女ほしいー」
風馬は椅子の背にもたれてうなだれる。
しばらくうなだれてから、がばっと頭を起こす風馬。
「嬉しい?」
美空から見て少し悲しそうな顔をしていた風馬。
「…うれしいって?」
「前川さんと付き合えて」
美空はちょっと間を置いて、
「…うん、」と照れながら言う美空。
「そっか」それを見て風馬は微笑むと両腕を上げて背伸びをして「そっかあー…」と何故か残念そうに言った。先を越されてよっぽど悔しかったのかなと美空はなんだか悪い気になってしまった。
「で!」
風馬は勢いよく美空に向かって前のめりに顔を寄せてきた。
「で!だ、どこまで行ったのさ」
うきうきしながら聞いてくる風馬。
「どこって、」
「いつ付き合ったんだ?」
「冬休み前かな、」
「じゃあ2週間は経ってるな。何かないの?」
「なんかって言われても…、」
さっき階段で睦にキスされかけたことを思い出した美空。
「…冬休み明けてから会ってない、」
そんなこと恥ずかしくて言えない。
「連絡先は?」
「…知らない、」
「えっ!?」
信じられないと大げさに口を塞いで驚く風馬。
「あっ、でも、一緒には帰ってるよ、」
美空は慌てて言い訳する。
「あとは?」
「あと?」
「ヤったのか」
「やった?なにを…」
「わー、だめだこりゃ」
風馬は片手を額に当てて頭をうなだれつつ首を振る。海外の人がよくやりそうなリアクションだ。
「なにが」
「どうせ付き合うなんて初めてなんだろ?かわいいやつめ」
可愛いといわれて唇を尖らせる美空。
「偉そうに、」
「美空、今度俺ん家に来い、合宿だ」
「合宿?」
「俺ん家で恋愛講座を開く。必修な」
「えーっ?」
面倒くさいことになりそうだとあからさまに嫌な顔をする美空。
「いいよ、めんどくさい、」
「バーカ。恋愛は付き合い始めが肝心なんだよ。もたもたしてたらあっという間に時間なんて過ぎちまうぞ」
「プロみたいな言い方、」
「いいから、俺に任せろ」
心配になる美空を放っといて風馬は
「んー、まずは手を繋がないとだな」
策士のような表情を美空に向ける。
「美空わかっていると思うが、お前は可愛い」
「知らねーよ」
「可愛い顔の特権、おねだりだ」
「おねだり?」
「手、繋ご?って」
風馬は利き手を前に出して可愛らしく言う。
「…うわ、」と美空は露骨に嫌な顔をする。
「引くな引くな。いいからやれ」
「えーっ…」
「お前がやると別なの。ほら立った」
この風馬の事前恋愛講座が美空と睦の恋愛において生かされたのかどうなのか、それは一番初めの話につながる…。
勉強だけで冬休みが終わってしまった美空。睦に気持ちを伝えたのは冬休み前、うっかりして睦と連絡先を交換するのを忘れてしまった。つまり、冬休みの間、美空は睦と一度も会っていない。
好き同士って連絡とかするよな。でもまあ、連絡先知らないしこんなものなのかな。
今日は委員会の仕事で放課後居残りをしていた美空。仕事を終わらせて3階廊下から自分の教室に戻る途中だった。通り過ぎる教室には生徒見当たらない。みんな部活動に行ったか、帰宅したのだろう。教室に風馬を待たせてしまっている。もしかしたら、先に帰ったかもしれない。階段に差し掛かり、美空は足早に降りていく。
3階を降りる。
2階階段の踊り場から、1、2段降りると、
「うしろー」
上から聞き覚えのある声に美空は足を止めて振り返った。
睦が2階廊下からこちらを見下ろしていた。美空だとわかって睦は嬉しそうな顔をして階段を軽やかに降りて踊り場前の手すりに肘をつく。
「うしろ、冬休みぶり!」
美空も手すりに手を付いて前のめりに睦を見上げた。
「先輩、久しぶりです、」
2週間ぶりに会った2人。
…なんて、話、始めたらいいんだろう。
「あの、先輩、元気でしたか?」
「うん。元気元気」
睦はニコニコと頷く。
「そうですか、」
言葉の歯切れが悪いなと苦笑いする美空。会いたくてやっと会えたのに、話が出てこない。どうしよう。
居心地が悪いと唇をむぐむぐと噛む美空。
「あの、先輩…」
「ねーねーうしろ」
睦が言葉をさえぎってきた。
睦のを見上げる美空。
「好き同士ってさ、名前、呼び捨てなんだって」
「呼び捨て?」
「そう。だから、名前、呼び捨てでいい?」
「はい、大丈夫です、」
「あとタメ語なんだってさ」
「タメ?」
「うん」
「はい、あっ…。えっと、じゃあ、…うん、」
「ウへへ」
睦がいつもみたいに笑う。
「みーう、みーう」
睦が楽しそうに美空の名前を呼ぶ。
「ねーねー、名前、読んでみて?」
手すりに寄りかかった睦がグッと美空に顔を近づける。久々に見た睦の顔。美空に対して期待感でわくわくした顔。
この人、やっぱり顔はいいんだよな。
どきどきする美空。
少し間を置いて、
「…むつ、」
と美空はつぶやく。
睦はそれを聞いて人懐っこいワンコみたいに体を揺らして喜びを表現する。それを見て美空は微笑ましくなって笑みをこぼす。
「みう、そのまま、してて」
囁くような睦の言葉に何?と美空が首を傾げると、睦が顔を近づけて来た。
キスされる。そう思った美空はとっさに睦の唇に手を当てて抑える。
「ん、?」
それにびっくりする睦。
「あの…、ごめん、」
美空は申し訳なさそうな顔する。
「まだ、待って」
美空の表情を見た睦は唇を離して優しく笑った。
「…うん。わかった」
睦の声は優しかった。
「ごめん、その…、えっと、」
「いいよ、美空の嫌がることはしない」
睦は美空の頭をくしゃっと撫でる。
「ねー、美空、今日はもう帰る?」
「あ、えっと、…風馬を待たせてる、から、」
「そっか、じゃあ、明日は一緒に帰ろ?」
ちょっぴり残念そうな顔をする睦。
「うん」
「じゃあね」
睦は片手を振って階段を駆け上がって行った。
美空は階段を降りて1階、1年2組、自分の教室に入る。
「おつー」
誰もいない教室に一人、風馬が美空の前の席の椅子に腰かけて持ち込んだのであろう、漫画雑誌を開いて待ってくれていた。
「ごめん、風馬、待ってくれてたんだ」
美空は駆け寄る。
「暇だし気にすんな」
美空は自分の机の上に置いておいたリュックに荷物を積める。
「あっ、そうだ、風馬、」
「なんだ」
「どっか、寄り道する?」
風馬が目を見開く。
「なんだ急に」
「いや、なんか、心配させたから、お詫び」
さっき睦に会えて気分が高揚していた美空、それが相手にバレないよう嘘をつくみたいに、らしくない行動をとってしまう。
「…あ、ごめん、今の無し。お金なかったらいいよ、」
風馬がじっと、何か探るように美空を見つめる。
何か不自然だったかな。
「にやにやしてる」
風馬が目を細めた。
「なんかいいことあった?」
ギクッと図星の美空。
「いや、普段どおり…だよ、」
「ずっと顔が赤いぞ」
「えっ」
美空は慌てて自分の頬を手で覆う。
「冗談」
「えっ、冗談?」
「…なんだよ慌てて」
「いや、冗談なら、いい、けど」
「なんだよみーう」
風馬が面白いことが始まりそうだと雑誌を閉じて椅子の背もたれに前のめりに寄りかかる。
「いや、なんでもないよ、ほら帰ろ?」
美空はリュックを背負ってごまかす。
「みーう。座れ」
風馬が椅子を指さす。
「聴取!」
雰囲気的に逃げられなさそうだと美空は仕方なくリュックを下ろして自分の席に座る。
「…何もしてないです、」
「とぼけてる」
風馬にはお見通しのようだ。
「隠し事無しな。ズバリ、彼女だろ」
面白そうな顔した風馬に自白を強要される美空。
まだ男同士で好きになることを異常なことだと思っていた美空。風馬に嫌われたくない、自分と一緒にいてくれる風馬を悲しい気持ちにさせたくない。
「当たりか?」
ニヤッと笑う風馬。
美空と普段通りに接する彼。
…でも風馬には言っていいのかな。
風馬は、もしかしたらいなくならないかもしれない。
あいつみたいに。
美空の頭に卒業式の日にキスをしてきて以来会っていない幼馴染の顔がうかんだ。
「風馬、嫌だったら…ごめんね」
風馬は目を丸くして美空を見つめる。
「俺お前と話して嫌になったことねーよ」
風馬は優しく笑った。
「ありがと、」
睦と同じように笑ってくれた風馬に安心した美空はゆっくり口を開いた。
そうだ、睦は受け止めてくれた。
風馬も、きっと、大丈夫。
「睦と、」
「ん?」
美空は姿勢を正しながらも目線は下に向けた。
「あっ、いや、あの、…前川先輩と、付き合うことになった」
風馬は口を紡いで黙ったまま、美空を見る。
「ごめん、」
終始無言が辛くて、美空は呟くように言った。
風馬、何でもいい。嫌だとか気持ち悪いとか、そう言ってくれて構わない。後悔はしないと思う。美空はきゅっと目を閉じた。
「何謝ることあるのさ」
いつもの風馬の声。
美空が顔を上げると風馬が頬杖をしながら美空を見ていた。
「いいんでねーの。前川さん」
風馬はポリポリと顔を掻きながらそういえば会ってないなあと呟く。
「あっ、そう…なんだ」
風馬からの思ってもなかった言葉に緊張が一気に無くなった美空。
「なんか違った?」
「うん。もっと驚かれるかと思った」
「そうゆうのってさ…、それぞれじゃん?」
「おー」今の言葉かっこいいと美空は小さな拍手を送る。それを見て風馬は手を前にして受賞者のように喝采を浴びた振る舞いをしたが、すぐにがっくりと手を下した。
「…いいなあ、俺も彼女ほしいー」
風馬は椅子の背にもたれてうなだれる。
しばらくうなだれてから、がばっと頭を起こす風馬。
「嬉しい?」
美空から見て少し悲しそうな顔をしていた風馬。
「…うれしいって?」
「前川さんと付き合えて」
美空はちょっと間を置いて、
「…うん、」と照れながら言う美空。
「そっか」それを見て風馬は微笑むと両腕を上げて背伸びをして「そっかあー…」と何故か残念そうに言った。先を越されてよっぽど悔しかったのかなと美空はなんだか悪い気になってしまった。
「で!」
風馬は勢いよく美空に向かって前のめりに顔を寄せてきた。
「で!だ、どこまで行ったのさ」
うきうきしながら聞いてくる風馬。
「どこって、」
「いつ付き合ったんだ?」
「冬休み前かな、」
「じゃあ2週間は経ってるな。何かないの?」
「なんかって言われても…、」
さっき階段で睦にキスされかけたことを思い出した美空。
「…冬休み明けてから会ってない、」
そんなこと恥ずかしくて言えない。
「連絡先は?」
「…知らない、」
「えっ!?」
信じられないと大げさに口を塞いで驚く風馬。
「あっ、でも、一緒には帰ってるよ、」
美空は慌てて言い訳する。
「あとは?」
「あと?」
「ヤったのか」
「やった?なにを…」
「わー、だめだこりゃ」
風馬は片手を額に当てて頭をうなだれつつ首を振る。海外の人がよくやりそうなリアクションだ。
「なにが」
「どうせ付き合うなんて初めてなんだろ?かわいいやつめ」
可愛いといわれて唇を尖らせる美空。
「偉そうに、」
「美空、今度俺ん家に来い、合宿だ」
「合宿?」
「俺ん家で恋愛講座を開く。必修な」
「えーっ?」
面倒くさいことになりそうだとあからさまに嫌な顔をする美空。
「いいよ、めんどくさい、」
「バーカ。恋愛は付き合い始めが肝心なんだよ。もたもたしてたらあっという間に時間なんて過ぎちまうぞ」
「プロみたいな言い方、」
「いいから、俺に任せろ」
心配になる美空を放っといて風馬は
「んー、まずは手を繋がないとだな」
策士のような表情を美空に向ける。
「美空わかっていると思うが、お前は可愛い」
「知らねーよ」
「可愛い顔の特権、おねだりだ」
「おねだり?」
「手、繋ご?って」
風馬は利き手を前に出して可愛らしく言う。
「…うわ、」と美空は露骨に嫌な顔をする。
「引くな引くな。いいからやれ」
「えーっ…」
「お前がやると別なの。ほら立った」
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