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ニ話
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わたしにこんな妄想癖があるなんて…
苛々し、頭をかかえる。
いつまでたっても終わらない。
現実の世界に戻れない。
目の前で、ニコニコと笑うアズがいた。
その人が、ホッと自分を癒やしてくれる…
「ミチ?」
アズの顔を見たからか、嬉しそうな顔。
無邪気に笑う。
ドキンとわたしの心臓が跳ねた。
それをなかったかのように、わたしは咳払いをする。
アズはわたしの異変に気づいたのか、嬉しそうに顔を覗き込んてきた。
照れたことが決まりが悪くて、浮かんだ表情だと思われただろう。
嬉しそうに笑う、アズの表情は変わらない。
「考えごと?」
低めの男っぽい声が響きわたる。
どっちが現実かわからない。
ニコニコ笑い、見つめてくるアズにわたしは顔をそむけた。
「え、なに?どうしたの?」
声にはからかいが含まれていた。
わたしは手を頬にやり、ぎこちなくそっぽを向く。
顔が熱い。
アズの顔に惹き込まれていた。
「ミチ?」
不安そうな声に変わった。
わたしは…大丈夫だ、と伝えるためにアズの黒い後ろ髪をなでる。
少し驚いた表情のアズ。
その後、ニイと魅力的な笑みが溢れる。
心臓が締め付けられ、苦しい…
アズはわたしの頬に、おずおずと遠慮がちに手を伸ばす。
わたしはアズの腕を掴み、抵抗しない…
そうすると優しくそっと触れてきた。
目が合う。
なにを考えているのかわからない、黒目がちで丸いアズの瞳…たまに狂気が見える。
怖がらせないようにか、そっと優しく触れるようなキスをされた。
キスされながら、強気で危ないこの少年とのギャップに驚いた。
…
わたしは結婚は難しいだろう。
それは、しょうがないことだと思っていた。
小さいことにまで気になる神経質なところが、自分にはあった。
人と暮らすだけで、イライラする自分の気性。
短時間しか抑えられる気がしない自分の欠点。
…おそらく無理だろう。
そう思いながらも、どこかで諦めがつかない。
小さい頃に読んだプリンセスの本。
自分にそんな甘い世界があると思っていない。
だが、心から落ち着く関係性を築ける人がいたら…と、ときたま考えてしまう。
そして今日もいつものように、ボッーと、そのような考えごとをしながら歩いていた。
「?…あれ?」
道が…歪んで見えた。
立ち止まる。
自分の身体の不調を疑った。
足元を見る。
グレーのシューズに、オレンジ色の紐をリボン結びにしている。
立ってる地面も変わらない。
倦怠感もない。
めまいもしない。
「……」
再びわたしは歩きだす。
また立ち止まった。
変わる…変わる。また変わった。
二つの道がスッと消え、違う道が出現した。
元からあったかのように。
違和感はかすかだ。
…たぶん左だろう。
左の方面がわたしの家だ。
「………え?あれ…?」
道が勝手に、右しか行けないように切り替わる。
横断歩道を通らなきくては、左に行けないようになった。
……走ろう
わたしの思惑を誰かが知ってか、すぐに点滅し、急ぐように赤になる。
わたしは、ギリギリの横断歩道の前のところで、スキップのように立ち止まった。
人がいないとはいえ、恥ずかしい。
人通りがまったくなくて、よかったと思っていた。
苛々し、頭をかかえる。
いつまでたっても終わらない。
現実の世界に戻れない。
目の前で、ニコニコと笑うアズがいた。
その人が、ホッと自分を癒やしてくれる…
「ミチ?」
アズの顔を見たからか、嬉しそうな顔。
無邪気に笑う。
ドキンとわたしの心臓が跳ねた。
それをなかったかのように、わたしは咳払いをする。
アズはわたしの異変に気づいたのか、嬉しそうに顔を覗き込んてきた。
照れたことが決まりが悪くて、浮かんだ表情だと思われただろう。
嬉しそうに笑う、アズの表情は変わらない。
「考えごと?」
低めの男っぽい声が響きわたる。
どっちが現実かわからない。
ニコニコ笑い、見つめてくるアズにわたしは顔をそむけた。
「え、なに?どうしたの?」
声にはからかいが含まれていた。
わたしは手を頬にやり、ぎこちなくそっぽを向く。
顔が熱い。
アズの顔に惹き込まれていた。
「ミチ?」
不安そうな声に変わった。
わたしは…大丈夫だ、と伝えるためにアズの黒い後ろ髪をなでる。
少し驚いた表情のアズ。
その後、ニイと魅力的な笑みが溢れる。
心臓が締め付けられ、苦しい…
アズはわたしの頬に、おずおずと遠慮がちに手を伸ばす。
わたしはアズの腕を掴み、抵抗しない…
そうすると優しくそっと触れてきた。
目が合う。
なにを考えているのかわからない、黒目がちで丸いアズの瞳…たまに狂気が見える。
怖がらせないようにか、そっと優しく触れるようなキスをされた。
キスされながら、強気で危ないこの少年とのギャップに驚いた。
…
わたしは結婚は難しいだろう。
それは、しょうがないことだと思っていた。
小さいことにまで気になる神経質なところが、自分にはあった。
人と暮らすだけで、イライラする自分の気性。
短時間しか抑えられる気がしない自分の欠点。
…おそらく無理だろう。
そう思いながらも、どこかで諦めがつかない。
小さい頃に読んだプリンセスの本。
自分にそんな甘い世界があると思っていない。
だが、心から落ち着く関係性を築ける人がいたら…と、ときたま考えてしまう。
そして今日もいつものように、ボッーと、そのような考えごとをしながら歩いていた。
「?…あれ?」
道が…歪んで見えた。
立ち止まる。
自分の身体の不調を疑った。
足元を見る。
グレーのシューズに、オレンジ色の紐をリボン結びにしている。
立ってる地面も変わらない。
倦怠感もない。
めまいもしない。
「……」
再びわたしは歩きだす。
また立ち止まった。
変わる…変わる。また変わった。
二つの道がスッと消え、違う道が出現した。
元からあったかのように。
違和感はかすかだ。
…たぶん左だろう。
左の方面がわたしの家だ。
「………え?あれ…?」
道が勝手に、右しか行けないように切り替わる。
横断歩道を通らなきくては、左に行けないようになった。
……走ろう
わたしの思惑を誰かが知ってか、すぐに点滅し、急ぐように赤になる。
わたしは、ギリギリの横断歩道の前のところで、スキップのように立ち止まった。
人がいないとはいえ、恥ずかしい。
人通りがまったくなくて、よかったと思っていた。
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