嫁ぐ予定の悪役令嬢が殺され、異世界転移したわたしが悪役令嬢の代わりにされる。

冬田シロクマ 

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奴婢

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カルロ……アマリリス姫………

う~んと唸る。
どこかで聞いた気がする。
ハッと,気がついた。
その様子にカルロは、ほほえみながら「?」という顔をしている。

「あっ!そうだ!」

わたしは膝を叩く。
昔、小学生ぐらいのときにしたゲーム……それに酷似していた。

カルロは…勇者を貶める役…?
あと…なんだっけ,設定には美しい青年。王国の王子。
放蕩息子で遊び好きに見せかけ、様々な情報に流通している。
そして滅ぼされた国の姫君を一人もらう……

どうしよう。それが…わたし?

自分で自分を指差し、目を見開いてカルロを見る。

「えっ?どうしたの?」

声には,からかうような響きが含まれる。
笑うカルロ。

「……」

わたしは固まり,観察するように彼を見た。
ほんとうにわたしの記憶が正しい、か。

雰囲気だけは柔和で,優しそうにに見える。
本当に悪役なのか?

首をかしげる。
だが一瞬でも恐ろしい雰囲気があったのも本当だった。
事実、最初この人を酷く警戒した。

「どうしたの~?」と子どものようにふざけたように言っている。
わたしはフッと気が抜けた。
すべてが一瞬,バカバカしくなった。天を仰ぐ。

○夢
○わたしの現実逃避が病的状態になった
○もしくは本当にゲームの世界に入り込んだ

今考えられるのはその3つだった。
途切れそうな思考をなんとか繋ぐ。
わたしはブンブンと首を振った。

夢である可能性に掛けたい…
だが、二番目の可能性が一番高い気がする…

「ミチちゃん?」

肩を軽く引かれる。
大きな手にビビり,わたしは触れられた方の肩を下げ,逃げるように距離を取つた。
意外そうに見てくるカルロ。

「わたしはアマリリス姫じゃない…家に帰りたいの」

現実に。
おかしな世界に来て,1番初めに会った人ならなにか知ってるんじゃないか…?と淡い期待をかけた。

「じゃあ…どこに住んでるの?」

優しく聞かれる。

「え?ええと…」

たじろぐ、どもる。

「わからない、それか言えない。
言ったとしても伝わらない。」

ニッコリ笑うカルロ。

「だがらって…」
「家がわかるまで、ここで守られてたらいい。…ね?」

優しく言われる。
わたしは迷った。

確かに追い出されたら困るのか?
この世界にいても,お腹がすくなら。

「別にすぐ結婚というわけじゃない。嫌なら…」
「嫌なら?」

わたしはかぶりつくように聞く。
真剣に目を見つめた。
カルロは一瞬だけ,ピリッと苛立った雰囲気を醸し出した。

「…?」

意味がわからず、キョトンとする。

「嫌ならここにいて、従者兼奴婢として働いてもいい」
「奴婢!?」

怒るように叫んだ。

カルロは「冗談だよ」と言い、
「結婚準備と言って長引かせればいい。ぼく達の結婚は反対派が多いから」とわたしと目線を合わせずに言った。

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