【完結】魔法も使えない下等幼女

冬田シロクマ 

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「…わかるよね?
僕がそうするならもっと賢い手を使う」

私の顔を見ている。
優しく微笑まれるが、私の心は溶けなかった。

「…なにを言ってるのかわからないわ」

私は微笑む、なんでもないことかのように。
目の前に雑に置かれた水を口にした。

「僕は…大魔女の孫娘と仲がよかったことがあるんだ」
「へぇ」

突き刺してくる視線に耐える。
震えている心を押し殺し、私は優雅に水を飲む。

「きみは勘違いしてる。
僕の狙いはその孫娘だ。
大魔女じゃない」

私は男の顔を見る。
純粋そうに光る真っ赤な瞳。
手が震える。

「それはきみじゃないのか?」

私は今にも叫び出しそうだった。
すぐにでもドアに走り、助けを叫びたい衝動に駆られた。
無駄だとわかっていても、もうここにはいたくなかった。
優しい口調で言われた。

「久しぶり、カルネ。
会いたかった」

今までで1番の笑顔を見せ、なによりそれが私を困惑させた。
………

「え……なに…?」

顔が引き攣るマルチーノブランシェ。
俺が期待していた表情ではなかった━━
……

まずい

私の反応を見ているはずだ。
私は目を見開き、固まっている。
この状態がまずいとは、はっきりとわかる。
だがなにを口にしていいかわからない。
なにを言っても、それがフィーピーの確信に繋がってしまう気がした。
言動を起こす前に私は止まる。
鋭い視線が、私を刺した。

もう…無理か

「いつから…」

そう言った瞬間、思いっきり抱きつかれた。
……
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