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30 他案 上に乗られる
「ごめん。次から聞くようにするから…」
まったく動揺してないかのように言う偽王子。
また叩きたくなった。
だが、さっきのこともあり恐怖が蘇る。
わたしが…敵う相手じゃない。
事実が悲しくこだました。
不安そうになる第二王女。
「どうしたの…」と手を伸ばすも、第二王女によって,その手を止められる。
王女はうつむいていた。
「次から……ほんとうに聞いてくれるの?ほんとうに?」
怯えながら言う第二王女に、どれだけ今まで大切にされてきたかがうかがえる。
指を数ミリ斬られただけで、こんな怯えようになるとは思わなかった。
ぼくは、威勢がなくなった第二王女に安心させるように言った。
「うん、もうしないよ。ごめんね」
斬った方の手を持つ。
貼られたバンドエイドに、小さく赤い血が滲んでいた。
内心、これだけでこんなに怯えるのか、ととても驚いてもいた。
思ったより誘導して、引き込めるかもしれない。
偽王子は優しく畳み掛ける。
「王女…契約は契約ですからね。
守ってくださいね」
どの口がッ…と、わたしは呆れた。
優しく笑う偽王子。
ふと、今の状況を鑑み、本当は偽王子がとても有利な立場にいることがわかる。
さっきのことも考え、とんでもなく手加減されているな、と思った。
「………」
「王女?」
「優しくしてくれるから、あなたの言うことは大概のことは聞くわよ?」
少し嫌味を加えた。
イラっとしたのか「へぇ」と笑う偽王子。
嫌な予感がした。
手を軽く持たれる。
目にも止まらぬ速さで、上に乗られた。
「お、王子……離して」
「ん~?」
身体を押す。
わかっていたが、びくともしない。
恐怖がジワジワとわたしの脳内に浸透する。
逃げようと横を向く。
髪の毛を撫でられた。
「ほんとうは、ぼくの言うこと聞く気ないでしょ」
ニコッと作り笑顔を見せられる。
わたしはソッポを向いた。
心拍数は、すごいことになっているだろう。
臆病なのに、虚勢を張るのが可笑しかった。
嫌味を言われ、軽く脅すつもりだったが、反応が面白くてついそのままでいてしまう。
「…今からしてみる?」
魅惑的な顔を向けられる。
「なに言って……」
急な誘いに驚く。
わたしはほとんど絶句していた。
「第二王女は…ぼくとしてみたくないですか?」
「な、い!」
とてつもなく魅力的な顔に、そのまま流されたくもなる。
だが、それはダメだと理性が強く言った。
「王子…」
つらそうな第二王女と目が合う。
ニコッとほほえむ偽王子。
「怒らないで」
ふ、と笑う。
「じゃあ……男も呼びませんよね?」
「そのために聞いたの!?」
「ええ、言いましたよね?
男を呼ぶくらいなら、ぼくとしてって」
ニコニコと笑う。
また怒り出すんじゃないか、と内心戦々恐々だった。
「いや……呼ばない、から」
顔を見て言った。
結構…これは辛い。
大変魅力的な顔が、誘惑してくる。
しかも、首を少し動かしたら、口元が届く距離にいる。
抱かれてみたいな…と強く思った。
わたしは自分の顔を覆う。
もし妊娠したら、ほんとうに逃げられなくなるぞ、ともう1人の自分が叫ぶように言った。
「…………」
髪の毛を崩れないように撫でられる。
覆っていた手を、観念したように退けた。
「王女……好きですよ」
撫でている髪の毛を見、そのあと目が合う。
やわらかな、優しい……瞳と表情。
これを、信じてしてしまわない自分でよかったと思った。
「………嘘よ」
どいて、と身体を勢いよく押す。
「なんで?」と笑う王子。
まったく動揺してないかのように言う偽王子。
また叩きたくなった。
だが、さっきのこともあり恐怖が蘇る。
わたしが…敵う相手じゃない。
事実が悲しくこだました。
不安そうになる第二王女。
「どうしたの…」と手を伸ばすも、第二王女によって,その手を止められる。
王女はうつむいていた。
「次から……ほんとうに聞いてくれるの?ほんとうに?」
怯えながら言う第二王女に、どれだけ今まで大切にされてきたかがうかがえる。
指を数ミリ斬られただけで、こんな怯えようになるとは思わなかった。
ぼくは、威勢がなくなった第二王女に安心させるように言った。
「うん、もうしないよ。ごめんね」
斬った方の手を持つ。
貼られたバンドエイドに、小さく赤い血が滲んでいた。
内心、これだけでこんなに怯えるのか、ととても驚いてもいた。
思ったより誘導して、引き込めるかもしれない。
偽王子は優しく畳み掛ける。
「王女…契約は契約ですからね。
守ってくださいね」
どの口がッ…と、わたしは呆れた。
優しく笑う偽王子。
ふと、今の状況を鑑み、本当は偽王子がとても有利な立場にいることがわかる。
さっきのことも考え、とんでもなく手加減されているな、と思った。
「………」
「王女?」
「優しくしてくれるから、あなたの言うことは大概のことは聞くわよ?」
少し嫌味を加えた。
イラっとしたのか「へぇ」と笑う偽王子。
嫌な予感がした。
手を軽く持たれる。
目にも止まらぬ速さで、上に乗られた。
「お、王子……離して」
「ん~?」
身体を押す。
わかっていたが、びくともしない。
恐怖がジワジワとわたしの脳内に浸透する。
逃げようと横を向く。
髪の毛を撫でられた。
「ほんとうは、ぼくの言うこと聞く気ないでしょ」
ニコッと作り笑顔を見せられる。
わたしはソッポを向いた。
心拍数は、すごいことになっているだろう。
臆病なのに、虚勢を張るのが可笑しかった。
嫌味を言われ、軽く脅すつもりだったが、反応が面白くてついそのままでいてしまう。
「…今からしてみる?」
魅惑的な顔を向けられる。
「なに言って……」
急な誘いに驚く。
わたしはほとんど絶句していた。
「第二王女は…ぼくとしてみたくないですか?」
「な、い!」
とてつもなく魅力的な顔に、そのまま流されたくもなる。
だが、それはダメだと理性が強く言った。
「王子…」
つらそうな第二王女と目が合う。
ニコッとほほえむ偽王子。
「怒らないで」
ふ、と笑う。
「じゃあ……男も呼びませんよね?」
「そのために聞いたの!?」
「ええ、言いましたよね?
男を呼ぶくらいなら、ぼくとしてって」
ニコニコと笑う。
また怒り出すんじゃないか、と内心戦々恐々だった。
「いや……呼ばない、から」
顔を見て言った。
結構…これは辛い。
大変魅力的な顔が、誘惑してくる。
しかも、首を少し動かしたら、口元が届く距離にいる。
抱かれてみたいな…と強く思った。
わたしは自分の顔を覆う。
もし妊娠したら、ほんとうに逃げられなくなるぞ、ともう1人の自分が叫ぶように言った。
「…………」
髪の毛を崩れないように撫でられる。
覆っていた手を、観念したように退けた。
「王女……好きですよ」
撫でている髪の毛を見、そのあと目が合う。
やわらかな、優しい……瞳と表情。
これを、信じてしてしまわない自分でよかったと思った。
「………嘘よ」
どいて、と身体を勢いよく押す。
「なんで?」と笑う王子。
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