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31 姉の安否
ほほえむ王子。
まるですべて、わたしのことを掌握できるかのような表情をしている。
それに苛立ちが募った。
「勝手なことを……」
低い声で言う。
第二王女は、虚ろな瞳で偽王子を睨んだ。
王子は、品よくほほえみ、見透かすような瞳で王女を見下ろす。
立っている王子に、上から耳に髪をかけるように触られる。
くすぐったくて、わたしは目をつぶった。
王子は口を開く。
「どっちにしろ、ぼくのそばにいてぼくの要求をのむほかない」
温かく聞こえる声。
顔を近づけられた。
やはりとても整った顔だと思い,息を呑んだ。
どういう表情をしていいかわからない第二王女を置いて,王子はニッコリ笑った。
「これでもとても譲歩したんだ。
本来なら、すべての要求をきみにのませることも可能だった。
だけどしない」
愛おしそうに、第二王女の頬にかかった髪の毛をどかすようにさわる。
第二王女は、悔しそうな顔と目で見上げたままだ。
「じゃあなんで取引を?」
「自分の意思で…ここにいてほしいからかな」
王子の言葉に、声が詰まった。
ほんとうに、王子みたいな顔をして偽物なんだと思い出す。
わたしは、片手で頭を抱える。
「ほんとうは……戻りたいの、自分の国に。わたし」
「知ってる」
王子の顔を見る。
穏やかな雰囲気で、なにを言っても暖簾に腕押しのような気がしてならなかった。
諦めて話を変える。
「……姉のことはどうなったの?
あれからしばらく経つけど、無事姉は女王になれたの?」
「さぁ、それはわからない」
王子は暗い瞳で微かに笑う。
姉のことが、急に心配になった。
「なにかしてないわよね?お姉さまに……」
恐ろしい考えが浮かんだ。
姉が、王子に殺された……そんな考えが。
自分の方腕をさする。
身震いがした。
「ぼくを信じてない?
姉は殺さないって約束だ」
誘惑するような表情に違和感を覚える。
前もそうだ。
姉を助けてほしいと言ったとき,少し呆れて笑っていた。
人の命をどうするかを,約束とか言い、普通に笑える王子が怖くなってきた。
それは、少し姉と重なって━━
「どうしたの?」
現実に引き戻される。
ゆらゆらと自分の魂が、不確かで揺れているようだった。
「それで……姉は?」
「ぼくは、手を下してない」
まるですべて、わたしのことを掌握できるかのような表情をしている。
それに苛立ちが募った。
「勝手なことを……」
低い声で言う。
第二王女は、虚ろな瞳で偽王子を睨んだ。
王子は、品よくほほえみ、見透かすような瞳で王女を見下ろす。
立っている王子に、上から耳に髪をかけるように触られる。
くすぐったくて、わたしは目をつぶった。
王子は口を開く。
「どっちにしろ、ぼくのそばにいてぼくの要求をのむほかない」
温かく聞こえる声。
顔を近づけられた。
やはりとても整った顔だと思い,息を呑んだ。
どういう表情をしていいかわからない第二王女を置いて,王子はニッコリ笑った。
「これでもとても譲歩したんだ。
本来なら、すべての要求をきみにのませることも可能だった。
だけどしない」
愛おしそうに、第二王女の頬にかかった髪の毛をどかすようにさわる。
第二王女は、悔しそうな顔と目で見上げたままだ。
「じゃあなんで取引を?」
「自分の意思で…ここにいてほしいからかな」
王子の言葉に、声が詰まった。
ほんとうに、王子みたいな顔をして偽物なんだと思い出す。
わたしは、片手で頭を抱える。
「ほんとうは……戻りたいの、自分の国に。わたし」
「知ってる」
王子の顔を見る。
穏やかな雰囲気で、なにを言っても暖簾に腕押しのような気がしてならなかった。
諦めて話を変える。
「……姉のことはどうなったの?
あれからしばらく経つけど、無事姉は女王になれたの?」
「さぁ、それはわからない」
王子は暗い瞳で微かに笑う。
姉のことが、急に心配になった。
「なにかしてないわよね?お姉さまに……」
恐ろしい考えが浮かんだ。
姉が、王子に殺された……そんな考えが。
自分の方腕をさする。
身震いがした。
「ぼくを信じてない?
姉は殺さないって約束だ」
誘惑するような表情に違和感を覚える。
前もそうだ。
姉を助けてほしいと言ったとき,少し呆れて笑っていた。
人の命をどうするかを,約束とか言い、普通に笑える王子が怖くなってきた。
それは、少し姉と重なって━━
「どうしたの?」
現実に引き戻される。
ゆらゆらと自分の魂が、不確かで揺れているようだった。
「それで……姉は?」
「ぼくは、手を下してない」
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