悪女”と呼ばれた妹は、失踪した聖女の姉の代わりに敵国王子を婿に迎える

冬田シロクマ 

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意図の他案 キスする間近

「あなたのことも心配よ?
だけど…姉と争ってほしくないが勝つの」

無表情だったが,次に微かに愛おしそうに見つめて言った。
それに少し気づき、あれと思う。

「ほんとうにきみに嫌われることはしてない。する気もないよ?」

近づかれる。
ソファーの、両方の手すりを持っている。
ソファーに座っているわたしは、背もたれに追い詰められた。

「そんなに不安?ぼくがきみの姉にはなんかするかと」

近づいてくる王子。
わたしは視線を外す。

「そうね。…ところでこうやって誘惑して,協定を結んでるの?」
「きみには通じるの?
ぼくの誘惑は効いてる?」
「………!」

近くに王子の顔がある。
王女は悔しそうにそれを見,黙る。

「それより…どうなったの?内容」

視線を合わせない。
話を変える。
偽王子は,つまらなそうな表情かおで顔を傾ける。

「質問に答えて欲しいんだけど」
 
また視線を泳がす第二王女。
今わたしは,偽王子の視線が,とてつもなく照れ臭く感じた。
無理に言わす気はないみたいだ。

偽王子は,「はぁ」とため息をつき、他のことを話す。

「王女は…ぼくから離れたい?」
「…?それはどういう…」
「現女王に会える。
だけど,そうしたらぼくと結婚を解消させられる」
「…そうなの?」
「うん。多分ね」

ほほえむ王子。
離れる王子に,名残惜しく感じた。
腕を掴む。
やはり、鍛え上げられた、太い腕だ。

動きが止まる偽王子。
「ん?」と言い優しく聞く。
わたしを見る目も優しかった。

「おわ…かれなの?」

そう言う王女が,とてもかわいく見えた。

「だと言ったら…?」

ニコニコ笑顔だ。
その顔で近づいてくる。
破壊力がすごい。
綺麗な顔と相まって,とてつもなく可愛く見えた。

わたしは近づかせないように,胸板を押す。
力的に,意味がないようだけど,止まってくれる。
優しい瞳に,ほだされそうになった。
 
「ぼくと…夫婦でいたい?」

ゔ……

答えにくい質問に,目を白黒させる。
そんなのわからない。
わたしが好きなのは,この男の顔だけだ。

口をわざと閉口している。
言いたくないのが,ありありとわかる。
偽王子はほほえむ。
頬に触れようと手を伸ばす。

「なに…」

第二王女は,手を止めた。

「キスしたいんです。いやですか?」
「は…」

固まる。
絶句したと言っても過言ではない。
その固まっているわたしの顔を,可笑しそうに見ている偽王子。


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