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シーズン2
満たされる
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なにをしているのか聞かれると、ぼくはいつも「別になにもないけど…」と答えていた。
本当になにもなかった。
キョトンとした顔のロンは、次に怪訝そうな表情に変わった。
そしてハルの目の前から消える。
家の隅に移動した。
たまにロンの方から、ハルに関わることもあったが、ほんと…"ときたまに"だった。
そういう態度が、ますますハルを不安がらせていたことに、あとになって気づく。
「けど…なに?」
ハルの雰囲気のおかしさに気づく。
スマホをやっていた手を、止めた。
ほほえんでいるハル。
相変わらず、いつものようにかっこいい…
なのに何故か、このときばかりはそれがむしろ不気味に見えた。
ぼくは固まる。
違和感に気づき、ハルに向け、心配そうな顔を浮かべる。
…そして、ほんの少し警戒心を持った。
「どうしたんだ?ハル…?」
手を伸ばし、くしゃくしゃとハルの髪の毛をなでる。
ハルは無抵抗だった。
うれしそうに「ふふ」と笑う。
「…?なに…」
「ロン…好きだよ。」
聞いてるこっちがとろけるような声。
少し苦しそうにも聞こえた。
「うん?僕もだよ」
心の中で、大きくギクリと音をたてる。
高校生の頃、まったく同じことを言ったことに気づいた。
だが、ハルはそのことには触れずに、ニコニコと笑い、いつものように近づいてくる。
傷付けられた側のハルが、気づかないはずないのに…
そう思っている間、ハルにスマホを奪い取られる。
そして後ろから抱きつかれながら、どこにも行けないようにされた。
…?一緒に見よう。と言うことか?
僕はハルが見やすいようにと、ハルの腕を軽くひねり、画面を傾けた。
その画面には、ホラーのスマホゲームが途中で止められていた。
見られても、なんの困ることもない。
「よかった」
嬉しそうに笑い、顔を覗き込まれる。
ハッとするほど、美しい笑みだった。
そしてとても優しい表情になる…
たまにハルが褒めてくれるときの、僕の好きな笑み。
「ロン……さっき言ってたのはほんとう?」
首の後ろに手を置かれ、ハルの瞳が訴えている。
有無を言わさない問いかけだった。
上からぼくを見下ろしている…
頬をそっと撫でられた。
「うん、本当だよ。嘘ついてない。
………昔と違って」
言ってしまった。
どうなるか
ハルを見るのが怖かった。
薄めでチラッと上を見る。
ぼくに抱きついている手は動かない。
「……」
ほんとうに…嬉しそうに笑う…
ぼくは見惚れた。
ハルの、かっこよく綺麗な笑みに。
ぼくは背伸びをし、下からハルに口づけをした。
子どものような軽いキス。
やわらかく当たる。
ハルは驚いて、止まっていた。
「どうしたの?」
次はこっちがなでられる番だった。
ジッと、なでられるのを受け入れる。
ロンは嫌がってるのか、喜んでいるのかわからない表情をする。
猫みたいだ、と思った。
愛おし過ぎて、顔がゆるんだ。
声まで優しくて、ロンは知らずしらずのうちに照れたような表情を浮かべていた。
「……別に。したくなったから、悪いか?」
照れたのが、気恥ずかしかったからか、妙にトゲトゲしくなるロン。
こういうのを直さなくちゃいけないと思うのに…
言ったあと後悔した。
もっと優しい言い方が出来ないもんかと、心の中で自分を叱責する。
ハルは気にしてないかのように、やわらかい言葉を使った。
子ども相手のように、目線を近くにして話す。
「いや?全然。
ロンだったら大歓迎だよ。」
温かい、包み込むような言葉に、ぼくはホッと心癒やされた。
本当になにもなかった。
キョトンとした顔のロンは、次に怪訝そうな表情に変わった。
そしてハルの目の前から消える。
家の隅に移動した。
たまにロンの方から、ハルに関わることもあったが、ほんと…"ときたまに"だった。
そういう態度が、ますますハルを不安がらせていたことに、あとになって気づく。
「けど…なに?」
ハルの雰囲気のおかしさに気づく。
スマホをやっていた手を、止めた。
ほほえんでいるハル。
相変わらず、いつものようにかっこいい…
なのに何故か、このときばかりはそれがむしろ不気味に見えた。
ぼくは固まる。
違和感に気づき、ハルに向け、心配そうな顔を浮かべる。
…そして、ほんの少し警戒心を持った。
「どうしたんだ?ハル…?」
手を伸ばし、くしゃくしゃとハルの髪の毛をなでる。
ハルは無抵抗だった。
うれしそうに「ふふ」と笑う。
「…?なに…」
「ロン…好きだよ。」
聞いてるこっちがとろけるような声。
少し苦しそうにも聞こえた。
「うん?僕もだよ」
心の中で、大きくギクリと音をたてる。
高校生の頃、まったく同じことを言ったことに気づいた。
だが、ハルはそのことには触れずに、ニコニコと笑い、いつものように近づいてくる。
傷付けられた側のハルが、気づかないはずないのに…
そう思っている間、ハルにスマホを奪い取られる。
そして後ろから抱きつかれながら、どこにも行けないようにされた。
…?一緒に見よう。と言うことか?
僕はハルが見やすいようにと、ハルの腕を軽くひねり、画面を傾けた。
その画面には、ホラーのスマホゲームが途中で止められていた。
見られても、なんの困ることもない。
「よかった」
嬉しそうに笑い、顔を覗き込まれる。
ハッとするほど、美しい笑みだった。
そしてとても優しい表情になる…
たまにハルが褒めてくれるときの、僕の好きな笑み。
「ロン……さっき言ってたのはほんとう?」
首の後ろに手を置かれ、ハルの瞳が訴えている。
有無を言わさない問いかけだった。
上からぼくを見下ろしている…
頬をそっと撫でられた。
「うん、本当だよ。嘘ついてない。
………昔と違って」
言ってしまった。
どうなるか
ハルを見るのが怖かった。
薄めでチラッと上を見る。
ぼくに抱きついている手は動かない。
「……」
ほんとうに…嬉しそうに笑う…
ぼくは見惚れた。
ハルの、かっこよく綺麗な笑みに。
ぼくは背伸びをし、下からハルに口づけをした。
子どものような軽いキス。
やわらかく当たる。
ハルは驚いて、止まっていた。
「どうしたの?」
次はこっちがなでられる番だった。
ジッと、なでられるのを受け入れる。
ロンは嫌がってるのか、喜んでいるのかわからない表情をする。
猫みたいだ、と思った。
愛おし過ぎて、顔がゆるんだ。
声まで優しくて、ロンは知らずしらずのうちに照れたような表情を浮かべていた。
「……別に。したくなったから、悪いか?」
照れたのが、気恥ずかしかったからか、妙にトゲトゲしくなるロン。
こういうのを直さなくちゃいけないと思うのに…
言ったあと後悔した。
もっと優しい言い方が出来ないもんかと、心の中で自分を叱責する。
ハルは気にしてないかのように、やわらかい言葉を使った。
子ども相手のように、目線を近くにして話す。
「いや?全然。
ロンだったら大歓迎だよ。」
温かい、包み込むような言葉に、ぼくはホッと心癒やされた。
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